言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2007'08.01.Wed
「将来何になりたいんだ?」
「別に、わかんないよそんなの。まだ小学生だしさ」
「……そうか」
父が久しぶりにゆっくりしている春休みのある1日。でももうすぐ中学生だろ、彼の言葉に頷く。忙しく飛び回っている彼は休みでも呼び出されることがあるので一緒に遊びに行くようなことは何年もなかった。
「秀二も大きくなったな。いつの間にか肩車ができなくなった」
大きな手が頭を撫でた。肩車云々よりもう子どもじゃない――と自分では思っているから――そんなことはやめてほしい。それでも見上げた先の表情が緩んでいるのを見ると何も言えなくなる。
「秀二はあまり背が伸びないな。お姉ちゃんは高いのに」
「俺だって追いつくよ」
「そうだな、お父さんもそうだったし」
肩車をしてもらった記憶は遠い。いつの間にか中学生になってしまう。――全寮制の中学に入ることが決定したから、今まで以上に父親に会う機会は減るだろう。
「そういえば、小さいときはお金持ちになるって言ってたなあ」
「嘘、言ってないよ」
「言ってた言ってた。お金持ちになって、お母さんに楽させるって」
「絶対言ってない……」
クスクス笑う彼を睨みつける。そんな恥ずかしいことを言った記憶はない。もう数週間で中学生、今更夢も見れない。将来の夢なんて、変わるかもしれない。――簡単に、なれるものじゃない。
「秀二の試合もまともに見に行ったことがないな」
「……何年後かにテレビで見れるよ」
「……そうだな。サッカーしたくて選んだ武蔵森なんだろ?」
最後までためらったのはお父さんのせいだ、といつか言えるような日が来るのだろうか。大人っぽい子だと言われたくさんの本音を隠してきた自分がいつか代われるのだろうか。
「試合あったら教えるよ」
今はこれが精一杯。
肩車をされたときの視界を急に思い出した。
「別に、わかんないよそんなの。まだ小学生だしさ」
「……そうか」
父が久しぶりにゆっくりしている春休みのある1日。でももうすぐ中学生だろ、彼の言葉に頷く。忙しく飛び回っている彼は休みでも呼び出されることがあるので一緒に遊びに行くようなことは何年もなかった。
「秀二も大きくなったな。いつの間にか肩車ができなくなった」
大きな手が頭を撫でた。肩車云々よりもう子どもじゃない――と自分では思っているから――そんなことはやめてほしい。それでも見上げた先の表情が緩んでいるのを見ると何も言えなくなる。
「秀二はあまり背が伸びないな。お姉ちゃんは高いのに」
「俺だって追いつくよ」
「そうだな、お父さんもそうだったし」
肩車をしてもらった記憶は遠い。いつの間にか中学生になってしまう。――全寮制の中学に入ることが決定したから、今まで以上に父親に会う機会は減るだろう。
「そういえば、小さいときはお金持ちになるって言ってたなあ」
「嘘、言ってないよ」
「言ってた言ってた。お金持ちになって、お母さんに楽させるって」
「絶対言ってない……」
クスクス笑う彼を睨みつける。そんな恥ずかしいことを言った記憶はない。もう数週間で中学生、今更夢も見れない。将来の夢なんて、変わるかもしれない。――簡単に、なれるものじゃない。
「秀二の試合もまともに見に行ったことがないな」
「……何年後かにテレビで見れるよ」
「……そうだな。サッカーしたくて選んだ武蔵森なんだろ?」
最後までためらったのはお父さんのせいだ、といつか言えるような日が来るのだろうか。大人っぽい子だと言われたくさんの本音を隠してきた自分がいつか代われるのだろうか。
「試合あったら教えるよ」
今はこれが精一杯。
肩車をされたときの視界を急に思い出した。
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