言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2013'09.27.Fri
「ジャン、話があるんだ」
座って、とアルミンに言われ、ジャンはお茶をついでいた手を止めた。少し困ってアルミンを見ると、後でいいから、と促される。その目は真剣で、眉は下がって悲しげにも見えた。
――俺は何かしただろうか。
ゆっくりグラスを置き、ジャンは言われるままアルミンの前に正座する。それに合わせてアルミンは俯いてしまい、ジャンが座っても何も言い出さない。
何も、何もしていない、はず、だ。昨日少しだけ、どうしてもかわいくなってしまって少しだけベッドで意地悪をしてしまったけれど、あれはアルミンだってわかってくれているはずだ。それとも本当は嫌だったのだろうか。泣かせてしまったことを、昨日ちゃんと謝った。それでも許されなかったのだろうか。
背中を冷や汗が伝う。ジャンもそれ以上アルミンの顔が見ることができず、ふたりで俯いたまましばらく黙っていた。
ええと、とアルミンが先に口を開く。
「あのね、これ、返す……」
アルミンがもてあそんでいた手の中から出したのは、ジャンの部屋の鍵、アルミンに渡した合い鍵だ。かたい金属がフローリングに置かれたことりという小さな音が、ひどく響いて聞こえる。
「あの、ジャン、僕、もうここには」
「嫌だ」
「あ」
「絶対に嫌だ」
「……だって、もう……」
「アルミン」
両手を取るとしゅんと肩を落とすアルミンに焦る。やはり自分が何かしたのか、それとも他に好きな相手でもできたのだろうか。アルミンはずっと女を好きになったことはないと言っていたけれど、やはりいい女を見つけたのだろうか。アルミンをのぞき込むと困った顔でジャンを見た。
「だって、やっぱりこんなこと、いつまでも続けていられないよ」
「嫌だアルミン、オレは離れたくない。悪いところがあれば直すから!」
「ジャンは悪くないんだ!僕が悪いんだ、臆病で、何も言えなくて……」
「なあアルミン、考え直してくれ。オレはもう、お前がいなくなるなんて考えられねえんだ」
「ジャン……僕だって!」
勢いをつけて抱きついてきたアルミンを強く抱きしめた。ジャンの耳元でぐすんと涙ぐむ彼をもう離さないと胸に誓う。慣れた心地よい体温を胸に抱いて、名前を呼ぶとアルミンは小さく体を震わせた。
「なあ、寂しいこと言うなよ」
「ジャン」
「ここにいてくれ」
「……ジャン、だって、僕……」
「アルミン」
「だ、だって、院の入試まであとひと月なんだッ!」
「……は?」
ジャンが硬直したことに気づいてないのか、アルミンはジャンにすり寄って首筋の匂いを吸い込んだ。そして嘆くような悲しい声で続ける。
曰わく、どうしてもジャンの顔が見たくなってここにきてしまう。部屋で勉強しながらジャンの帰りを待とうと思っていても、そわそわして集中できない。早目に帰って勉強しようと思っていても、ジャンといると時間を忘れて長居してしまう。
「だから、終わるまでここに来ないって決めたんだ。鍵を持ってると来てしまうから、その間だけ返そうと」
「ほんとにそれだけか?」
「え?」
アルミンを引きはがして正面から顔を見る。ジャンを見る目はきょとんとして、嘘をついているようには見えなかった。つき合い始めて半年以上経つ。アルミンが何か含んでいるのならわかるつもりだ。それでも不安が拭えずに、ジャンは恐る恐る口を開く。
「わっ……別れようとか、考えてるんじゃないよな?」
「そんなこと考えるわけないだろ!?えっ、もしかしてジャン……僕のこと嫌いに……」
「ない!ありえない!こんなにかわいくてエロい恋人手放すわけねえだろうが!」
「ジャン!」
「アルミン!」
再びお互いを抱きしめた。子猫のように甘えてくるかわいいアルミンと別れようなどと、考えたこともない。
「ったくよォ、早く言えよそういうことは」
「うう……だってもうちょっと自制できると思ったんだもん」
「いくらお前が頭いいったって、難しいもんなんだろ?俺には未知の世界だが……大体、お前が自制心があるとは思えない」
「うっ」
「……こんなエロい体になったのも、自制できなかったからだろ?」
抱いていた手で背中をなぞる。小さく声をこぼしてそらされた体に気をよくして、服の下に手を差し込んで直接肌を撫でた。腰から背中に触れただけだと言うのにアルミンは濡れた瞳でジャンを見る。
「……違うよ。ジャンのせいだもん」
「何言ってんだよ。全部自分で開発しちまったくせに」
「違うの」
「マグロみてぇになったこともなくてよく言うぜ」
「それは……」
アルミンの手が、するりとジャンの背を這う。狙いを持ったそれに口角を上げた。少し緊張した面もちで、ジャンに体をすり寄せる。
「ジャンがかっこいいのが悪い」
「……そんだけ煽るなら覚悟できてんだろうな」
「……好きにして」
我慢できるはずがない。そのままアルミンを抱き上げて、半ば投げるように一緒にベッドに崩れ込んだ。
座って、とアルミンに言われ、ジャンはお茶をついでいた手を止めた。少し困ってアルミンを見ると、後でいいから、と促される。その目は真剣で、眉は下がって悲しげにも見えた。
――俺は何かしただろうか。
ゆっくりグラスを置き、ジャンは言われるままアルミンの前に正座する。それに合わせてアルミンは俯いてしまい、ジャンが座っても何も言い出さない。
何も、何もしていない、はず、だ。昨日少しだけ、どうしてもかわいくなってしまって少しだけベッドで意地悪をしてしまったけれど、あれはアルミンだってわかってくれているはずだ。それとも本当は嫌だったのだろうか。泣かせてしまったことを、昨日ちゃんと謝った。それでも許されなかったのだろうか。
背中を冷や汗が伝う。ジャンもそれ以上アルミンの顔が見ることができず、ふたりで俯いたまましばらく黙っていた。
ええと、とアルミンが先に口を開く。
「あのね、これ、返す……」
アルミンがもてあそんでいた手の中から出したのは、ジャンの部屋の鍵、アルミンに渡した合い鍵だ。かたい金属がフローリングに置かれたことりという小さな音が、ひどく響いて聞こえる。
「あの、ジャン、僕、もうここには」
「嫌だ」
「あ」
「絶対に嫌だ」
「……だって、もう……」
「アルミン」
両手を取るとしゅんと肩を落とすアルミンに焦る。やはり自分が何かしたのか、それとも他に好きな相手でもできたのだろうか。アルミンはずっと女を好きになったことはないと言っていたけれど、やはりいい女を見つけたのだろうか。アルミンをのぞき込むと困った顔でジャンを見た。
「だって、やっぱりこんなこと、いつまでも続けていられないよ」
「嫌だアルミン、オレは離れたくない。悪いところがあれば直すから!」
「ジャンは悪くないんだ!僕が悪いんだ、臆病で、何も言えなくて……」
「なあアルミン、考え直してくれ。オレはもう、お前がいなくなるなんて考えられねえんだ」
「ジャン……僕だって!」
勢いをつけて抱きついてきたアルミンを強く抱きしめた。ジャンの耳元でぐすんと涙ぐむ彼をもう離さないと胸に誓う。慣れた心地よい体温を胸に抱いて、名前を呼ぶとアルミンは小さく体を震わせた。
「なあ、寂しいこと言うなよ」
「ジャン」
「ここにいてくれ」
「……ジャン、だって、僕……」
「アルミン」
「だ、だって、院の入試まであとひと月なんだッ!」
「……は?」
ジャンが硬直したことに気づいてないのか、アルミンはジャンにすり寄って首筋の匂いを吸い込んだ。そして嘆くような悲しい声で続ける。
曰わく、どうしてもジャンの顔が見たくなってここにきてしまう。部屋で勉強しながらジャンの帰りを待とうと思っていても、そわそわして集中できない。早目に帰って勉強しようと思っていても、ジャンといると時間を忘れて長居してしまう。
「だから、終わるまでここに来ないって決めたんだ。鍵を持ってると来てしまうから、その間だけ返そうと」
「ほんとにそれだけか?」
「え?」
アルミンを引きはがして正面から顔を見る。ジャンを見る目はきょとんとして、嘘をついているようには見えなかった。つき合い始めて半年以上経つ。アルミンが何か含んでいるのならわかるつもりだ。それでも不安が拭えずに、ジャンは恐る恐る口を開く。
「わっ……別れようとか、考えてるんじゃないよな?」
「そんなこと考えるわけないだろ!?えっ、もしかしてジャン……僕のこと嫌いに……」
「ない!ありえない!こんなにかわいくてエロい恋人手放すわけねえだろうが!」
「ジャン!」
「アルミン!」
再びお互いを抱きしめた。子猫のように甘えてくるかわいいアルミンと別れようなどと、考えたこともない。
「ったくよォ、早く言えよそういうことは」
「うう……だってもうちょっと自制できると思ったんだもん」
「いくらお前が頭いいったって、難しいもんなんだろ?俺には未知の世界だが……大体、お前が自制心があるとは思えない」
「うっ」
「……こんなエロい体になったのも、自制できなかったからだろ?」
抱いていた手で背中をなぞる。小さく声をこぼしてそらされた体に気をよくして、服の下に手を差し込んで直接肌を撫でた。腰から背中に触れただけだと言うのにアルミンは濡れた瞳でジャンを見る。
「……違うよ。ジャンのせいだもん」
「何言ってんだよ。全部自分で開発しちまったくせに」
「違うの」
「マグロみてぇになったこともなくてよく言うぜ」
「それは……」
アルミンの手が、するりとジャンの背を這う。狙いを持ったそれに口角を上げた。少し緊張した面もちで、ジャンに体をすり寄せる。
「ジャンがかっこいいのが悪い」
「……そんだけ煽るなら覚悟できてんだろうな」
「……好きにして」
我慢できるはずがない。そのままアルミンを抱き上げて、半ば投げるように一緒にベッドに崩れ込んだ。
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