54.肩車（中西）

「将来何になりたいんだ？」

「別に、わかんないよそんなの。まだ小学生だしさ」

「……そうか」



父が久しぶりにゆっくりしている春休みのある1日。でももうすぐ中学生だろ、彼の言葉に頷く。忙しく飛び回っている彼は休みでも呼び出されることがあるので一緒に遊びに行くようなことは何年もなかった。



「秀二も大きくなったな。いつの間にか肩車ができなくなった」



大きな手が頭を撫でた。肩車云々よりもう子どもじゃない――と自分では思っているから――そんなことはやめてほしい。それでも見上げた先の表情が緩んでいるのを見ると何も言えなくなる。



「秀二はあまり背が伸びないな。お姉ちゃんは高いのに」

「俺だって追いつくよ」

「そうだな、お父さんもそうだったし」



肩車をしてもらった記憶は遠い。いつの間にか中学生になってしまう。――全寮制の中学に入ることが決定したから、今まで以上に父親に会う機会は減るだろう。



「そういえば、小さいときはお金持ちになるって言ってたなあ」

「嘘、言ってないよ」

「言ってた言ってた。お金持ちになって、お母さんに楽させるって」

「絶対言ってない……」



クスクス笑う彼を睨みつける。そんな恥ずかしいことを言った記憶はない。もう数週間で中学生、今更夢も見れない。将来の夢なんて、変わるかもしれない。――簡単に、なれるものじゃない。



「秀二の試合もまともに見に行ったことがないな」

「……何年後かにテレビで見れるよ」

「……そうだな。サッカーしたくて選んだ武蔵森なんだろ？」



最後までためらったのはお父さんのせいだ、といつか言えるような日が来るのだろうか。大人っぽい子だと言われたくさんの本音を隠してきた自分がいつか代われるのだろうか。



「試合あったら教えるよ」



今はこれが精一杯。

肩車をされたときの視界を急に思い出した。

12：穴があったら入りたい

初めてのお話が書きたかったはずなのにまさかのエロカットでございます。書けそうならそのうち書きます。
タイトルはもちろん品のないギャグです。

ブンちゃんはいっぱいいっぱいだったので気づいてませんがにおくんはちゃんとローションも持っていたのですよ。におくんの秘密道具はおねーさまのお部屋からぱちってきたラブホの備品です。

最後に出してしまった真田をどう処理したらいいのかわからないので放っておきます。ちなみに20.5巻の部室は無視です。基本無視です。

11：腹が減っては戦はできぬ

晩ご飯作ってたら書きたくなった…。
おいしいですよ、砂ずりとピーマンは。ブンちゃんちのご飯のイメージは自分ちです。
仁王は無駄にお金を持っていたりするのでブン太を手なずけるのは簡単だったに違いない。

保育器云々はどこまでマジにしようか迷っています。でもアップしちゃったな、うん。
ふたりとも三大欲求のバランスが悪いのだろう、と思って書いた。多分赤也だと睡眠に偏るのかな。

10：蛙の子は蛙

お母さんが若いんだろうなーと思っています。そう思って書き出したらこんなことになりました。
全うに付き合うには仁王は多分真田が嫌い。
柳は引っ越した先で乾とは違う意味での友人として仁王に出会ったのではないかなーと、妄想しただけ。
あんまり柳生と一緒のイメージがないのです。誰か親しい友達がいるなら柳かなーと。
幸村はブン太と幼馴染みだと勝手に思っている。

・野菜嫌いの仁王
・箸がうまく持てない仁王
・行儀の悪い仁王
が書きたかったんだと思います。だから多分日常では柳生になれない。
育ちは悪いと思うんですよ仁王は…

この段階で仁王→ブン太ではある。

09：まな板の鯉

仁王はコンタクト派で。多分目はものっそい悪い。
付き合い始めたばっかりでまだまだ仁王→ブン太の感じ、仁王に興味津々なブン太。

コンタクトを探して目玉を覗き込むブン太が書きたかったのですが、なんかさらりと流れてしまいました。
昔ハードは入れたことがあるのですがもう、すごかった。目が開かなかった。コンタクトを出すのに必死でした。出ねーんだよあれ！きれいにいけば目から鱗なんですがね。