言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2006'08.17.Thu
すかーんと晴れ渡った空は落ちてきそうだ。なんかもう、どうにでもなれ。まぶしさに目を閉じて溜息を吐く。じりじりと肌が焼け付く感触。俺にふさわしいのはクーラーのかかった図書室よりも、むせかえる熱気のコンクリートジャングルだ。
学校の屋上ど真ん中、大の字に体をのばして目一杯日差しを浴びる。仰向けに寝るとまぶたを透かしても夏の太陽は浸食してきた。鞄から手探りでプレイヤーを引っ張り出して、グランドから聞こえる部活のかけ声を大音量で遮る。
ふっと顔の上を影がよぎった。風があるから雲が流れてきたのだろうか。日差しが遮られただけでも随分温度が変わる気がする。
次の瞬間、何かが唇に触れて目を開けた。なんだ起きてやがった、声は聞こえないが口元だけで読み取れる。ぼんやりしながらヘッドホンを外した。
「……総悟、今何したの」
「ちゅー」
もう一回、言おうとした山崎の先手を取って、沖田は隣に横になった。同じように仰向けに寝て、まぶしさに目を細めている。雲の影がふたりを舐めていった。
「…ちゅー」
「したきゃしやがれ」
されたいんじゃないか。それでも山崎は体を起こした。
学校の屋上ど真ん中、大の字に体をのばして目一杯日差しを浴びる。仰向けに寝るとまぶたを透かしても夏の太陽は浸食してきた。鞄から手探りでプレイヤーを引っ張り出して、グランドから聞こえる部活のかけ声を大音量で遮る。
ふっと顔の上を影がよぎった。風があるから雲が流れてきたのだろうか。日差しが遮られただけでも随分温度が変わる気がする。
次の瞬間、何かが唇に触れて目を開けた。なんだ起きてやがった、声は聞こえないが口元だけで読み取れる。ぼんやりしながらヘッドホンを外した。
「……総悟、今何したの」
「ちゅー」
もう一回、言おうとした山崎の先手を取って、沖田は隣に横になった。同じように仰向けに寝て、まぶしさに目を細めている。雲の影がふたりを舐めていった。
「…ちゅー」
「したきゃしやがれ」
されたいんじゃないか。それでも山崎は体を起こした。
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2006'08.16.Wed
高く、澄み渡る空。雲ひとつない青い空は、いつもと違う迫力で迫ってくる。酷く焦らされて、笠井は頭を降った。髪の先から汗が散る。
(走らなきゃ)
炎天下をひとりで走る。仰ぎ見た空が追ってくる気がして足を早めた。昔、青空が怖かったことを思い出す。
鍵盤を叩いていた手はかたく握られ、楽譜を追っていた目の先はボールを見据える。現状に不満はない。
ピアノをやめて外に飛び出した日の空も、こんな空だった。仰ぎ見た青、身にまとわりつく過去が消えない。
(走らなきゃ)
炎天下をひとりで走る。仰ぎ見た空が追ってくる気がして足を早めた。昔、青空が怖かったことを思い出す。
鍵盤を叩いていた手はかたく握られ、楽譜を追っていた目の先はボールを見据える。現状に不満はない。
ピアノをやめて外に飛び出した日の空も、こんな空だった。仰ぎ見た青、身にまとわりつく過去が消えない。
2006'08.15.Tue
お疲れさまです、墓の前で敬礼。
入隊した頃はまだ治安も悪く、緊急出動なんてしょっちゅうで、血を見ない日なんて数えるほどだった。だからあの頃と比べると、時代は着実に平和へ向かっている。例え見かけだけだとしても。
それでも事件は起こる。人も死ぬ。仲間だったり敵だったり。
「俺はいつ死ぬんでしょうか」
「…お前が死んでねぇのは不思議だな」
「それは俺も思います」
暗い空を仰ぎ見る。これからまた、ひと仕事だ。
「山崎、行くぞ」
「──はいよ」
入隊した頃はまだ治安も悪く、緊急出動なんてしょっちゅうで、血を見ない日なんて数えるほどだった。だからあの頃と比べると、時代は着実に平和へ向かっている。例え見かけだけだとしても。
それでも事件は起こる。人も死ぬ。仲間だったり敵だったり。
「俺はいつ死ぬんでしょうか」
「…お前が死んでねぇのは不思議だな」
「それは俺も思います」
暗い空を仰ぎ見る。これからまた、ひと仕事だ。
「山崎、行くぞ」
「──はいよ」
2006'08.14.Mon
窓越しにぺこりと頭を下げた姿を見かけ、中西は少し迷ってから隣の三上に視線だけで訴えた。後輩、と端的に返事が返ってくる。
「外でまで律儀ねぇ」
「怖〜い中西先輩に挨拶しないなんて勇者だろ」
「俺挨拶はどうでもいいんだけどなー、めんどいし」
残ったジュースを吸い上げて、中西は興味なさそうに顔を伏せた。
松葉寮全体的にクーラーが不調である中、久しぶりの休日、勿論寮にいる気などない三上は中西を引っ張って外に出ている。寒がりではあるが暑がりでもある中西は、ファーストフード店に入ってしばらくした後上着を着た。
「…どういうつもりだろう」
「何が」
「お辞儀って。誠意を見せるなら土下座でしょ」
「…お前、学校の廊下でいちいち土下座されてみろよ」
「やだん大名行列みたいで素敵」
「…なるほどな」
「つむじ見せられてもねぇ」
目的もなく虚ろに窓の外を眺める。ふたりにしてみれば殺人的な熱気の中、人と人がぶつかり、互いに頭を下げる姿が見えた。
「…ジェスチャーって便利」
「どうした」
「好きって言葉だけじゃ伝わらない相手ばっかり好きになるの」
「しょうがねぇな」
「あーあ、こうも暑いと本領発揮する場がないなぁ」
「お前の本領発揮なんか見たくねぇし」
「…夏なんてなければ、三上に笠井を取られたりしなかったのに」
「……それはそう、こう、何やら」
「バカ」
「外でまで律儀ねぇ」
「怖〜い中西先輩に挨拶しないなんて勇者だろ」
「俺挨拶はどうでもいいんだけどなー、めんどいし」
残ったジュースを吸い上げて、中西は興味なさそうに顔を伏せた。
松葉寮全体的にクーラーが不調である中、久しぶりの休日、勿論寮にいる気などない三上は中西を引っ張って外に出ている。寒がりではあるが暑がりでもある中西は、ファーストフード店に入ってしばらくした後上着を着た。
「…どういうつもりだろう」
「何が」
「お辞儀って。誠意を見せるなら土下座でしょ」
「…お前、学校の廊下でいちいち土下座されてみろよ」
「やだん大名行列みたいで素敵」
「…なるほどな」
「つむじ見せられてもねぇ」
目的もなく虚ろに窓の外を眺める。ふたりにしてみれば殺人的な熱気の中、人と人がぶつかり、互いに頭を下げる姿が見えた。
「…ジェスチャーって便利」
「どうした」
「好きって言葉だけじゃ伝わらない相手ばっかり好きになるの」
「しょうがねぇな」
「あーあ、こうも暑いと本領発揮する場がないなぁ」
「お前の本領発揮なんか見たくねぇし」
「…夏なんてなければ、三上に笠井を取られたりしなかったのに」
「……それはそう、こう、何やら」
「バカ」
2006'08.13.Sun
「ヤらせて下さいッ」
「死ね」
土下座した男の顔を蹴り上げ、沖田はふんと鼻で笑った。顔を押さえて悶絶する後頭部を更に踏みつける。
「誰に向かってオネガイしてんだ?まぁだ頭が高ぇんじゃねぇか?あぁん?」
「す、すんませ」
「もっと下げられるだろ、ほらほらほら」
「お前…それ以上は死ぬぞ」
頭蓋骨の軋む音がした。土方によって救出された彼は後にそう語る。
つまんねぇの、と沖田は口をとがらせた。土方は溜息を吐くしかない。
「なに?お前らできてるんじゃなかったのかよ」
「土方さんバカですねィ」
「やるかコラ」
「俺が山崎のこと本気で好きだとでも思ってんですかィ」
「……」
おもちゃか…まだダメージから回復しない山崎を同情の視線で見ると、彼当人は理解せずに首を傾げた。
「というわけだ山崎、顔洗って出直しな」
「はいっ!」
山崎の敬礼を受けて沖田は颯爽と去っていく。見かねた土方が山崎にティッシュを差し出した。鼻血ぐらい拭いてくれ、というよりも、どうしてこうまでされて平気なのだろう。
「お前そのうちマジで死ぬぞ」
「大丈夫です、沖田さんは照れ屋なだけですから」
「…ポジティブだなお前…」
「土方さんにはわかんなくていいですよ」
鼻血を止めながら山崎は笑う。土方が理解出来たのは、山崎がマゾだということだけだ。
「死ね」
土下座した男の顔を蹴り上げ、沖田はふんと鼻で笑った。顔を押さえて悶絶する後頭部を更に踏みつける。
「誰に向かってオネガイしてんだ?まぁだ頭が高ぇんじゃねぇか?あぁん?」
「す、すんませ」
「もっと下げられるだろ、ほらほらほら」
「お前…それ以上は死ぬぞ」
頭蓋骨の軋む音がした。土方によって救出された彼は後にそう語る。
つまんねぇの、と沖田は口をとがらせた。土方は溜息を吐くしかない。
「なに?お前らできてるんじゃなかったのかよ」
「土方さんバカですねィ」
「やるかコラ」
「俺が山崎のこと本気で好きだとでも思ってんですかィ」
「……」
おもちゃか…まだダメージから回復しない山崎を同情の視線で見ると、彼当人は理解せずに首を傾げた。
「というわけだ山崎、顔洗って出直しな」
「はいっ!」
山崎の敬礼を受けて沖田は颯爽と去っていく。見かねた土方が山崎にティッシュを差し出した。鼻血ぐらい拭いてくれ、というよりも、どうしてこうまでされて平気なのだろう。
「お前そのうちマジで死ぬぞ」
「大丈夫です、沖田さんは照れ屋なだけですから」
「…ポジティブだなお前…」
「土方さんにはわかんなくていいですよ」
鼻血を止めながら山崎は笑う。土方が理解出来たのは、山崎がマゾだということだけだ。
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