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言い訳置き場

言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。

2025'01.19.Sun
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2006'03.17.Fri
酔った勢いだったのです、と正直に言うと流された。



それがわからないほど子どもじゃないわ。女は静かにそう言った。

だけど俺が知ってる他のどんな女よりも子どもだった。大人の女はそんなに強がらない。素直に怒ればいいのに。こうしてアホ面を晒しに来る男なんか殴り飛ばせばいいのに。



『それがわからないほど子どもじゃない』んだろう。じゃあわかってるだろ、誰もいない隙を突いて来たことぐらい。俺の目的ぐらい。



「…今年も花見に行きましょうね」

「あー…まぁこっちは暇だけどよ。お前が忙しいんじゃねぇの」

「大丈夫よ。でも早くしないと散ってしまうわね」



桜色の



体を、酔った勢いで蹂躙されて、怒らないのなら気があると考えてもいいの、世間知らずの子猫ちゃん。

料理は出来ないくせに案外裁縫はうまかったりする女は、何か繕い物をしている。新八の姉で、母親なんだろう。料理は下手だけど。



「…散る中での花見もいいんじゃねぇの」

「…散ってゆく花に興味がおあり?」



鋭い目。女の目はどうしてああも恐ろしいのだろう。俺が嘘吐きだからだろうか。

今靴を脱ぎ捨てて、この面倒な縁側を抜けて部屋に入り込んだら、お前はどんな顔をするだろう。かたくなな帯も解いて柔らかな布を開けばどんな目で見るだろう。



「花は散れども、散るこそ花」



俺がブーツを脱ぐのと同時に女は立ち上がった。さっと部屋の奥へ逃げていく。

片方だけ脱げたブーツを持て余し、縁側に転がって残された布に手を伸ばした。桜色の、いつぞや女の着ていた着物。残念なことに、匂いは残っていない。



そんなところから見てないで、早くこっちに出ておいで。俺が簡単に咲かせてあげる。散るまで面倒見てやるよ。
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