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言い訳置き場

言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。

2025'03.19.Wed
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2006'11.06.Mon
いつからこんなに荷物が重くなったのだろう。恨みさえ覚えながら、船の横切る夜空を見上げる。吐き出した煙で紺が曇ったのが幽霊めいて、思わず手で振り払った。



実体のないものは恐ろしい。そこに姿がなくても土方を攻め続けるから。



「まだ起きてらしたんですか?」

「……」



各自が部屋で飲んでいるのでその食器の回収に、最近入ったばかりの見ない顔が部屋の前を通りかかる。最近入ったのだろう。



「お前は夜目がきくか?」

「え?まあ、鳥目ではないとは思います」

「夜の戦いもできるか」

「……わかりません」



夜は死者が混じる、と土方は思う。腕が鈍る。目が利かないだけじゃない。



「お前が、抱えているものは何だ」

「……恨み」



ひやりと冷たい声。ああ、隊士なんかじゃない。こいつは────



「あんたへの恨みだ」



抱えるものが多すぎる。亡霊に殺されるわけにはいかないほどに。



*



「ちょっ…トシ何で縁側で寝てんの!?飲みすぎ!」

「このままトドメさしやしょうか」



揺り起こされて目を開ける。世界は明るく煙っていた。視界に飛び込む四つの瞳。



「…重てえなあ」
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2006'11.03.Fri
ぐいと乱暴に引っ張ってキスをした。一瞬で離れたらぽかんと間抜け面。あまりにも悔しいから顔をつかんで上を向かせて、バカみたいに開いた口から舌を差し込んで歯を触る。逃げようともがいたのを押さえつけて首を引っ張るみたいにキスを続けた。



「何……」

「だから、誕生日プレゼントに俺をやるって言ってんの」



無理やり引っ張って自分の土俵にあげてしまう。いつまでもあんたのペースでやってたら、白髪のジジイになってしまう。辰巳の場合ははげそうだけど。



そのままじっと様子を見てたら、何か言いたげにこっちを見返してきたけど口を開かない。俺の独りよがりなのはわかってるけど、拒否はしないってことは多少なりとも俺のことが好きだって思ってもいい?



「拒否権…とか」

「与えると思ってんの?」

「だよな」



引きはがされたかと思うとベッドに押しつけられた。遂に覚悟を決めたのかと思えば揺らいだ視線。



「…なんと言おうと俺は逃がさないからね」

「…逃げてやる気はないよ」



うわあ、なんて顔。くらくらする。引っ張られてるのは俺だ。
2006'10.28.Sat
たった一押し、それだけでお前に被害を与えることができる。



車道側を歩く男を見ながら考える。背後から大型トラックが迫ってきた。ほら、今だ。その一押しで、命を奪うことができる。

隣の女は男へ手を伸ばし、────その腕を取った。残念、死ねばよかったのにあんな男。



「逢い引きは終わりですかィ」



女と別れて帰ってきた奴に声をかければ、俺の首に掛かった双眼鏡を見て嫌そうな視線を送ってきた。でも今更説教する気にもならないのだろう、文句は何も言わない。どうだ、と聞いただけだ。



「異常なし」

「ほんとに仕事してんのか?」

「してまさァ。あんた待ってたんだぜ」



見回り、腕時計をしているかのように手首を叩く。舌打ちをした土方さんは、待ってろ、と中に入っていった。



憎らしい男だ。多分似たようなことを考えてるに違いない。



ピシッと隊服に着替えて出てきた男と歩き出す。どういう意図か、車道側を歩く男に警告した。突き飛ばしますぜ。



「できるもんならやってるだろうが」

「ですよね」



そんなわけで思い切り体を押してやった。

煙草に火をつけようとしていた副長さんは車道へ転がり出る。運の悪いことに車はなくて、すぐさま戻ってきて俺の胸ぐらにつかみかかった。



「総悟テメェ…」

「土方さんが鈍感なんで思わず」

「誰が鈍感だ、お前の押しで気づかねえ奴がいるかよ」

「……」

「ったく…殺してぇのはわかるが勘弁しろよ」

「……俺今度素っ裸で土方さんの部屋に夜這いに行きまさぁ」

「どんな嫌がらせだよ!?」



ああ、やっぱり鈍感か。俺だってこんな不愉快な思いを率先して伝えようとしてるわけじゃないけど、でも体が動いてしまうから。



「バカだなぁ」

「何でだよ」

「俺はあんたが好きなんですぜ」



鈍感野郎に最後のだめ押し。あとは野となれ山となれ。
2006'10.26.Thu
睨まれている。睨まれるようなことは……したけど。



無言のまま射るようなその視線、もう何度感じただろう。これからもその視線とつき合っていくのだという確信があった。



「悪かったって」

「いいえー別に謝ってくれなくていいですよー。ぼーっとしてた俺が悪いんですからねー」

「拗ねんなよ」

「誰が?」



一際鋭い視線。この場合はこの裏側に照れが隠れているからまだ可愛い。



「大丈夫か?」

「大丈夫です!」

「拗ねた」

「違う」



たまりかねて笑い出す俺を一旦は睨みつけたが、そのうち諦めたように表情を緩めて溜息をつく。そうかと思えば次の瞬間には笑っていて、その衝撃に三上はしばらく言葉を失った。笠井か不審がってくる。



ストレートに胸を撃たれた。傷が癒えるのはいつの日か。



「あー痛かった……」

「痛いのは俺ですよ!人の頭にボールぶつけといて…」
2006'10.18.Wed
初めて俺を殴ったのは姉だった。

後にも先にも一度きり。理由なんて覚えてない。



「ばかだなぁ」

「ほっといて下さいよ」



渾身の力で打たれた頬を冷やしながら、山崎は仏頂面で睨んでくる。俺を睨む道理がわからねぇから鯉口を切ってやれば、一瞬でその目を引っ込めた。勤務時間中にミントンやっててタコ殴り、なんてどう考えてもお前が悪い。ばれないようにサボるのが常識だ。そのお陰で見事な平手打ちを見せてもらったけど。

しかし女じゃあるまいし、平手で打つか。そう呟くと山崎は笑う。笑ってから痛そうに顔をしかめた。馬鹿だ。



「あの人拳怪我してんですよ」

「……あーそっか、俺が撃ったバズーカ掠めたんだっけ」

「あんたかよ!」



小さなかすり傷ひとつでわーわー騒いで、俺の頭を叩いた。つい昨日のことだ。

ちらり、と山崎を見る。見続けると首を傾げて、おっさんがやっても可愛くねぇと頬を打ってやると悶絶した。本当に痛いらしい。加減しねぇな、鬼の副長。その冠を、さっさと俺に譲ればいいのに。



俺を打てるのは自分ぐらいだと、あの人は気付いてるんだろうか。殴らせてやってることに早く気付けばいいのに。
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