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言い訳置き場

言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。

2025'03.19.Wed
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2006'08.22.Tue
だるい、中西のつぶやきも無視して辰巳は階段を登る。思わず足を止めるとその後ろ姿が徐々に全景を現した。



「…おい」

「俺辰巳の尻好きだな〜」

「……」

「階段登るたびに筋肉がね」

「…お前前歩け」

「嫌」

「前!」



引っ張り上げられて背中を押される。言わなきゃよかった〜、言いながら後ろに体重をかけてやると本気で怒った声がした。そんなに怒らなくても。本気じゃないのわかってる癖に。



早く、と急かされて歩き出す。階段なんて大嫌いよ、オール電化で行きましょう。つまりエレベーター完備で。



「お前猫背だな」

「……ウルサイな」

「姿勢悪い」

「はいはい知ってます」

「はいはい登って登って」



容赦なく背中を押されるので中西はしぶしぶ先へ進む。階段を登る。油断すると前へ転けそうだ。



「……なんで辰巳まで一緒に登ってるんだっけ?」

「お前ひとりじゃ落ちるからだろ」

「…大好きよ」

「聞きあきた」

「かっわいくねぇの」



俺に可愛さを求めてどうする。辰巳が溜息混じりに吐き出した。
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2006'08.21.Mon
絶対怒られる。



予定より遅れた戻りに急かされて帰れば、門前には腕を組み、難しい表情をした近藤が待ちかまえていた。あんな姿は見たことがない。やはり自分のしくじりはひどい痛手だったのだろう。



「局長……」

「……ひどい怪我だな」

「……すいません」

「報告の前に手当していけ」

「はい」
2006'08.20.Sun
「あっち〜い……」



フローリングに大の字になって三上は誰にでもなく呟いた。返事を期待したわけではない。何故なら部屋にはひとりで、完全にひとり言だからだ。



伸ばした四肢が緩んでいるのがわかる。暑さにだらけ始めてしまうとエンジンがかからなくなる。今まではどうしていただろう────



汗でべたつく肌を嫌って手を伸ばす。なんとなくセックスの雰囲気を思い出す。夏はいつも、笠井がいた。



(…あっついのに、よーイロイロやったな)



笠井が留学していったのは去年の夏だった。あれから1年が経つ。帰ってくるはずの夏だが、もう既に半年ほど連絡を取っていなかった。



俺は待っていてよかったんだろうか。



携帯の振動音が静かに響く。手探りでベッドから携帯を引っ張り、通話ボタンを押して黙る。横を向くと埃のたまったベッドの下に、笠井からの手紙が落ちていた。



「…笠井」

『…人違いだったらどうすんですか』

「誤魔化す」

『バカだなぁ…その、1年経ったんですけど』

「…うん」

『俺は…どこへ行ったらいいですか?』

「隣なら空いてる」



暑苦しい。全身が汗で濡れている気がする。電話の向こうはどんな気候なのか、連絡を取らない間にわからなくなっていた。



「笠井、電話越しでいいからセックスしない?」

『帰るのやめようかな…』
2006'08.19.Sat
「退!早く!」

「はいはい」



小さな手に引っ張られ、山崎はかがんだ状態でついていく。道場では手合わせの最中で、まだ幼いながらも総悟も参加することになっている。買い物へ行くのに着いてきていたので遅れてしまったが、他人の試合に興味のない総悟には問題ないらしい。



「終わりやしたか」

「おせぇ」

「へい、遅れやした。とっととやりやしょうや、土方さん倒して俺ァ退とおやつの時間だ」

「クソ生意気な……」



一通りの手合いは済んでいるようだ。なめてんのか、木刀を肩に、土方が仁王立ちで総悟を睨んだ。そう言う土方とて似たようなものだ。他の人間は袴をはいているのに対して着流し一枚、それも裾を帯に挟んでからげている。



さっさと終わらせてくらァ、幼い手を離し、かがんだ山崎の肩を叩いた。笑って木刀を差し出す。



「行ってらっしゃい」

「…行ってくらァ」



立ち上がりかけた山崎の着物を掴み、総悟が引き止める。そうかと思えば少年は背伸びをし、ほんの一瞬、彼の唇が山崎の頬に触れた。一瞬だったのは思ったより遠かったせいらしく、不本意な表情で総悟は土方の前へと歩いていく。



「……テメェ、何の真似だ……」

「おまじないでさぁ」

(……だからほら……見つかるって言ったじゃん)



先日の戯れを見ていたのだろう。子どもは神出鬼没だ。

怒りをたぎらせる土方と違って山崎は冷静に試合を待った。



その結果はと言えば辛うじての土方の勝利。思えば心理操作的には負けていたのだろう。

子どもらしい切り替えで、既に試合結果を気にしていない総悟は山崎が切り分ける羊羹に意識が集中している。俺それ!そのでかいの!はしゃく総悟に土方は顔をしかめる。



「はいどうぞ。近藤先生にも持っていくので先に食べてて下さい」



山崎と一緒に土方は部屋を出る。いります?と仕草で示すが首を振られた。



「なんで拗ねてんですか」

「別に」

「……」



土方の裾を引いて引き止めて、彼が振り返った瞬間に唇を寄せる。しかし触れないまま山崎のかかとは床へ戻った。



「……失敗」

「……バカか」



かがんで唇を合わせた。総悟の視線にはふたりとも気づかない。
2006'08.18.Fri
(なんで俺の部屋に来るかな)



帰って来るなり人のベッドに倒れ込み、そうかと思えばそのまま寝てしまった。ただいまぐらい言えばいいのに。それでも叩き起こさないのは、選抜合宿での結果を聞いていたせいだ。



普通って難しい。思わず溜息を吐く。変に気を使わないよう、普通に接しようと思っていたはずなのに、やはりどこか甘さが出る。少なくとも三上が望んでいるものではないのが確かだ。



うつ伏せで三上は熟睡している。よっぽど疲れていたのだろう。規則正しい寝息は聞こえるが、ぴくりとも身動きをしない。試しにくすぐってみたが、わずかに体を動かしただけだった。



すぐ隣に座り、眠る背中に体重をかける。熱い背中に顔を伏せた。



(……汗臭い)



「重いんですけど」

「……汗臭いんですけど」

「もうちょっと慰めるとかしろよ」

「どうしたらいいんですか」

「脱ぐとか」

「……殺人計画たてたくなった」



うつ伏せの頭を布団に押しつけると三上が暴れ出した。ひとの気も知らないで。────それで気がすむのなら、いくらでもからかえばいい。
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