言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2006'08.19.Sat
「退!早く!」
「はいはい」
小さな手に引っ張られ、山崎はかがんだ状態でついていく。道場では手合わせの最中で、まだ幼いながらも総悟も参加することになっている。買い物へ行くのに着いてきていたので遅れてしまったが、他人の試合に興味のない総悟には問題ないらしい。
「終わりやしたか」
「おせぇ」
「へい、遅れやした。とっととやりやしょうや、土方さん倒して俺ァ退とおやつの時間だ」
「クソ生意気な……」
一通りの手合いは済んでいるようだ。なめてんのか、木刀を肩に、土方が仁王立ちで総悟を睨んだ。そう言う土方とて似たようなものだ。他の人間は袴をはいているのに対して着流し一枚、それも裾を帯に挟んでからげている。
さっさと終わらせてくらァ、幼い手を離し、かがんだ山崎の肩を叩いた。笑って木刀を差し出す。
「行ってらっしゃい」
「…行ってくらァ」
立ち上がりかけた山崎の着物を掴み、総悟が引き止める。そうかと思えば少年は背伸びをし、ほんの一瞬、彼の唇が山崎の頬に触れた。一瞬だったのは思ったより遠かったせいらしく、不本意な表情で総悟は土方の前へと歩いていく。
「……テメェ、何の真似だ……」
「おまじないでさぁ」
(……だからほら……見つかるって言ったじゃん)
先日の戯れを見ていたのだろう。子どもは神出鬼没だ。
怒りをたぎらせる土方と違って山崎は冷静に試合を待った。
その結果はと言えば辛うじての土方の勝利。思えば心理操作的には負けていたのだろう。
子どもらしい切り替えで、既に試合結果を気にしていない総悟は山崎が切り分ける羊羹に意識が集中している。俺それ!そのでかいの!はしゃく総悟に土方は顔をしかめる。
「はいどうぞ。近藤先生にも持っていくので先に食べてて下さい」
山崎と一緒に土方は部屋を出る。いります?と仕草で示すが首を振られた。
「なんで拗ねてんですか」
「別に」
「……」
土方の裾を引いて引き止めて、彼が振り返った瞬間に唇を寄せる。しかし触れないまま山崎のかかとは床へ戻った。
「……失敗」
「……バカか」
かがんで唇を合わせた。総悟の視線にはふたりとも気づかない。
「はいはい」
小さな手に引っ張られ、山崎はかがんだ状態でついていく。道場では手合わせの最中で、まだ幼いながらも総悟も参加することになっている。買い物へ行くのに着いてきていたので遅れてしまったが、他人の試合に興味のない総悟には問題ないらしい。
「終わりやしたか」
「おせぇ」
「へい、遅れやした。とっととやりやしょうや、土方さん倒して俺ァ退とおやつの時間だ」
「クソ生意気な……」
一通りの手合いは済んでいるようだ。なめてんのか、木刀を肩に、土方が仁王立ちで総悟を睨んだ。そう言う土方とて似たようなものだ。他の人間は袴をはいているのに対して着流し一枚、それも裾を帯に挟んでからげている。
さっさと終わらせてくらァ、幼い手を離し、かがんだ山崎の肩を叩いた。笑って木刀を差し出す。
「行ってらっしゃい」
「…行ってくらァ」
立ち上がりかけた山崎の着物を掴み、総悟が引き止める。そうかと思えば少年は背伸びをし、ほんの一瞬、彼の唇が山崎の頬に触れた。一瞬だったのは思ったより遠かったせいらしく、不本意な表情で総悟は土方の前へと歩いていく。
「……テメェ、何の真似だ……」
「おまじないでさぁ」
(……だからほら……見つかるって言ったじゃん)
先日の戯れを見ていたのだろう。子どもは神出鬼没だ。
怒りをたぎらせる土方と違って山崎は冷静に試合を待った。
その結果はと言えば辛うじての土方の勝利。思えば心理操作的には負けていたのだろう。
子どもらしい切り替えで、既に試合結果を気にしていない総悟は山崎が切り分ける羊羹に意識が集中している。俺それ!そのでかいの!はしゃく総悟に土方は顔をしかめる。
「はいどうぞ。近藤先生にも持っていくので先に食べてて下さい」
山崎と一緒に土方は部屋を出る。いります?と仕草で示すが首を振られた。
「なんで拗ねてんですか」
「別に」
「……」
土方の裾を引いて引き止めて、彼が振り返った瞬間に唇を寄せる。しかし触れないまま山崎のかかとは床へ戻った。
「……失敗」
「……バカか」
かがんで唇を合わせた。総悟の視線にはふたりとも気づかない。
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