言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2006'04.27.Thu
小さなケースに入れた秘密は地面に埋めて土へ還したつもりだった。
「あれ、どうした?」
「────捨てた」
彼はカメラマンだった。私はモデルだった。彼の指示で動くのは私の至上の幸せで、どんなにつらくても私はあなたから逃げたりはしなかった。
あの時まで。
彼は芸術家ぶっていたけど所詮自称だった。彼は芸術作品だと自称したが、彼の作品はエロ本にしか載らなかった。
芸術家がモデルの裸婦を襲う?びっくりするわ。私が芸術に偏見を持っているというなら別だけど。
「どうして」
「いらないから」
私────私の恋心は────そんなに、安くない。
だからあなたがくれた婚約指輪は、あなたが私に押し込んだフィルムケースに入れて捨てた。
パトローネ、呪文みたい。
ねぇさっさと出て行きなさいよ、あなたがなんと言おうと、私はあんたがお腹の子の父親だなんて言わないわ。
指輪と共に過去を捨てて、私は今日から海外へ行く。子どもが大きくなって、私の仕事が露見しないような頃になったら戻ってくるの、指輪を取りに。
あなたのお父さんがくれたのよって、そのとき初めて言ってやるわ。
パトローネがそのいつかまで、私を待っていてくれるなら。
「あれ、どうした?」
「────捨てた」
彼はカメラマンだった。私はモデルだった。彼の指示で動くのは私の至上の幸せで、どんなにつらくても私はあなたから逃げたりはしなかった。
あの時まで。
彼は芸術家ぶっていたけど所詮自称だった。彼は芸術作品だと自称したが、彼の作品はエロ本にしか載らなかった。
芸術家がモデルの裸婦を襲う?びっくりするわ。私が芸術に偏見を持っているというなら別だけど。
「どうして」
「いらないから」
私────私の恋心は────そんなに、安くない。
だからあなたがくれた婚約指輪は、あなたが私に押し込んだフィルムケースに入れて捨てた。
パトローネ、呪文みたい。
ねぇさっさと出て行きなさいよ、あなたがなんと言おうと、私はあんたがお腹の子の父親だなんて言わないわ。
指輪と共に過去を捨てて、私は今日から海外へ行く。子どもが大きくなって、私の仕事が露見しないような頃になったら戻ってくるの、指輪を取りに。
あなたのお父さんがくれたのよって、そのとき初めて言ってやるわ。
パトローネがそのいつかまで、私を待っていてくれるなら。
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2006'04.25.Tue
呆れたファンタジーだわ。
フランス娘は彼が好きだった。フランス生まれかどうかなんて私は知らない。見た目がそんな感じって言う、私の偏見。どうせみんなと同じ中国生まれなんだろうけど、それでもフランス娘は特別だった。私にとっても、彼にとっても、フランス娘にとっても。
彼は優しく笑いかける。フランス娘は嬉しそうに頬を染める。かたい手を取ってキスをする。おめでとう、私の祝福。
夜になって私は箱を抜け出した。甘い色をした髪を流して眠るフランス娘の側まで行く。
美しい。長いまつげまで、本当に羨ましい。
「何してるんだ」
彼がいた。信じられない。こんなに狭いのに、それでも側にいたいの?
「…あなたの隣には私がいると思ってた」
「…あんなの、遊びじゃないか」
私のことを捨てるのね。もうあなたは私を見ない。
「────もう遅い!」
私はフランス娘を壊しにきたのだから!
慌てて私を止めにくる彼も一緒に、私の手で壊してやる。
朝までには決着がついた。私たちの終幕を引く足音がする。
「あ!お母さ〜ん、舞のお人形めちゃくちゃになってるよ〜」
「え〜?」
「お姫様と、お兄ちゃんのレッドとピンクがバラバラ!」
「やだぁ、また猫かしら。昨日ちゃんと片付けた?」
「片付けたよぉ」
「どれ…あーあ、めちゃくちゃ」
「ねー、新しいの買ってー」
「ちゃんと片付けない子にはダメ!」
「片付けたよぉ!」
ざまあみろ、フランス娘。私と彼は、手足を繋げればいいだけよ。あなたの美しさはもう戻らない。
フランス娘は彼が好きだった。フランス生まれかどうかなんて私は知らない。見た目がそんな感じって言う、私の偏見。どうせみんなと同じ中国生まれなんだろうけど、それでもフランス娘は特別だった。私にとっても、彼にとっても、フランス娘にとっても。
彼は優しく笑いかける。フランス娘は嬉しそうに頬を染める。かたい手を取ってキスをする。おめでとう、私の祝福。
夜になって私は箱を抜け出した。甘い色をした髪を流して眠るフランス娘の側まで行く。
美しい。長いまつげまで、本当に羨ましい。
「何してるんだ」
彼がいた。信じられない。こんなに狭いのに、それでも側にいたいの?
「…あなたの隣には私がいると思ってた」
「…あんなの、遊びじゃないか」
私のことを捨てるのね。もうあなたは私を見ない。
「────もう遅い!」
私はフランス娘を壊しにきたのだから!
慌てて私を止めにくる彼も一緒に、私の手で壊してやる。
朝までには決着がついた。私たちの終幕を引く足音がする。
「あ!お母さ〜ん、舞のお人形めちゃくちゃになってるよ〜」
「え〜?」
「お姫様と、お兄ちゃんのレッドとピンクがバラバラ!」
「やだぁ、また猫かしら。昨日ちゃんと片付けた?」
「片付けたよぉ」
「どれ…あーあ、めちゃくちゃ」
「ねー、新しいの買ってー」
「ちゃんと片付けない子にはダメ!」
「片付けたよぉ!」
ざまあみろ、フランス娘。私と彼は、手足を繋げればいいだけよ。あなたの美しさはもう戻らない。
2006'04.15.Sat
あぁ無情、無常、無情。
家に帰ると玄関の水槽にピラニアがいた。前まで青とオレンジと黄色の熱帯魚がいたはずだけど、もしやこいつに食われたのだろうか。
靴も脱がずに鋭い歯を見つめていると父親がやってくる。もらったんだよ、ってあんた、困るよ。熱帯魚はどうしたのと聞くと鼻で笑って、3カ月前に最後の3匹が死んだだろう。因みにこのレディを貰い受けたのは3週間前だがまさか今気づいたのではなかろうね。まさにその通りだ。
レディって、メスかこれ。ヤクザな顔をしてても女は女────って、誰が言ってたんだっけ。あぁ岸谷だ。もう女なら誰でもいいなんて物騒なことを言っていた頃。
死んだ奴はどうしたのか聞くと、生ゴミに出すのも何だしこのレディのおやつにしたよ、結局食われてんじゃねぇか。ほんとに死んだのか怪しい。
あの熱帯魚は俺の熱帯魚だった。熱帯魚みたいに派手な女と付き合ってるときに、からかって飼い始めた。青とオレンジと黄色。あいつも知らないうちにいなくなって、気づいたらヤクザみたいな顔のと歩いていた。
ピラニアは数日後に死んだ。育て方なんか知らないし、親父がどう世話していたかも知らない。
ピラニアを生ゴミのバケツに落とし、父親はぽつりと呟く。お前にひとつ、嘘をついてた。お前の母さんは美人だったと言ったけど、実はピラニアそっくりだったよ。泣き出す親父に、俺が何を言えようか。
ふたりで熱帯魚を買いに行く。青でもオレンジでも黄色でもないやつで、ピラニアじゃないやつを求めて。
家に帰ると玄関の水槽にピラニアがいた。前まで青とオレンジと黄色の熱帯魚がいたはずだけど、もしやこいつに食われたのだろうか。
靴も脱がずに鋭い歯を見つめていると父親がやってくる。もらったんだよ、ってあんた、困るよ。熱帯魚はどうしたのと聞くと鼻で笑って、3カ月前に最後の3匹が死んだだろう。因みにこのレディを貰い受けたのは3週間前だがまさか今気づいたのではなかろうね。まさにその通りだ。
レディって、メスかこれ。ヤクザな顔をしてても女は女────って、誰が言ってたんだっけ。あぁ岸谷だ。もう女なら誰でもいいなんて物騒なことを言っていた頃。
死んだ奴はどうしたのか聞くと、生ゴミに出すのも何だしこのレディのおやつにしたよ、結局食われてんじゃねぇか。ほんとに死んだのか怪しい。
あの熱帯魚は俺の熱帯魚だった。熱帯魚みたいに派手な女と付き合ってるときに、からかって飼い始めた。青とオレンジと黄色。あいつも知らないうちにいなくなって、気づいたらヤクザみたいな顔のと歩いていた。
ピラニアは数日後に死んだ。育て方なんか知らないし、親父がどう世話していたかも知らない。
ピラニアを生ゴミのバケツに落とし、父親はぽつりと呟く。お前にひとつ、嘘をついてた。お前の母さんは美人だったと言ったけど、実はピラニアそっくりだったよ。泣き出す親父に、俺が何を言えようか。
ふたりで熱帯魚を買いに行く。青でもオレンジでも黄色でもないやつで、ピラニアじゃないやつを求めて。
2006'04.14.Fri
この恋は、命がけなの。
「「フェアリーテール……」」
ふたりでテキストをのぞき込み、あたし達は衝撃を受けた。思わず一緒に口にしたのは、一番下に書かれたその
材料。どうしよう、目を合わせてお互い首を傾げる。
「…持ってるっけ?」
「…持ってるっけ?」
ちらりと互いにの様子を探る。鏡のようなあたし達、今だけは少し笑えない。
「……サマーラビッドの涙を持ってきたのはあたし」
「……イシュタルの赤を持ってきたのはあたし」
「シリウスの春を持ってきたのもあたし、死にかけた」
「三色トカゲの卵を持ってきたのもあたし、死にかけた」
ふたり、黙り込んで見つめ合う。信じらんない、なんだってこんな材料見落としてたのかしら。
「時季外れよ」
「時季外れね」
「どうする?」
「どうする?」
あたし達が作っているのは、大事な大事な惚れ薬。大魔女に破局を言い渡されたカップルだって、生涯離れられ
ない超強力なやつ。困ったわ、諦めるわけにはいかないの。
「キラが探してきてよ」
「キラが探してきてよ」
「……ちょっと攻略本取ってくる」
「……ちょっと攻略サイト見てくる」
「でもどっかで見たはずなの!」
「でもどっかで手に入るはずなの!」
「全く、王子様も旅の勇者に惚れ薬持ってこいなんて無理なこと言うわよね!」
「全く、王子様も自分で材料集めればいいのよね!」
「大魔女に作らせればいいのに!」
「大魔女に魔法でもかけさせればいいのに!」
「「つーか自分で告ればいーじゃん!」」
それはそれはおとぎ話、人の命をかけて恋をしないで欲しいわ。一度死んだら所持金半分になっちゃうのよ。
「「フェアリーテール……」」
ふたりでテキストをのぞき込み、あたし達は衝撃を受けた。思わず一緒に口にしたのは、一番下に書かれたその
材料。どうしよう、目を合わせてお互い首を傾げる。
「…持ってるっけ?」
「…持ってるっけ?」
ちらりと互いにの様子を探る。鏡のようなあたし達、今だけは少し笑えない。
「……サマーラビッドの涙を持ってきたのはあたし」
「……イシュタルの赤を持ってきたのはあたし」
「シリウスの春を持ってきたのもあたし、死にかけた」
「三色トカゲの卵を持ってきたのもあたし、死にかけた」
ふたり、黙り込んで見つめ合う。信じらんない、なんだってこんな材料見落としてたのかしら。
「時季外れよ」
「時季外れね」
「どうする?」
「どうする?」
あたし達が作っているのは、大事な大事な惚れ薬。大魔女に破局を言い渡されたカップルだって、生涯離れられ
ない超強力なやつ。困ったわ、諦めるわけにはいかないの。
「キラが探してきてよ」
「キラが探してきてよ」
「……ちょっと攻略本取ってくる」
「……ちょっと攻略サイト見てくる」
「でもどっかで見たはずなの!」
「でもどっかで手に入るはずなの!」
「全く、王子様も旅の勇者に惚れ薬持ってこいなんて無理なこと言うわよね!」
「全く、王子様も自分で材料集めればいいのよね!」
「大魔女に作らせればいいのに!」
「大魔女に魔法でもかけさせればいいのに!」
「「つーか自分で告ればいーじゃん!」」
それはそれはおとぎ話、人の命をかけて恋をしないで欲しいわ。一度死んだら所持金半分になっちゃうのよ。
2006'04.13.Thu
美しい痛み。
彼女はきれいな紫のコートを着ていた、丈の長いスプリングコート。紫のコートの下には紫の痣がある。コートを脱がしてその下も全部脱がすと見える紫の痣を彼女は秘密にしている。
美しい紫のコートにはとても及ばない濁った紫の痣は緑で黄色い。憎らしくて力を込めて押すと彼女は密やかに美しい眉をひそめるので悲しかった、紫の力。
いいねあなたは何でも持ってる、欲しいものも要らないものも悲しいものも美しいものも
紫の感情が胸を渦巻く、暗く美しく高潔に恐怖で狂おしい感情。
目を閉じた彼女のまぶたはきれいな緑で飾られている、彼女は紫のコートを捨てるのだとつぶやき痣の消えた肌を撫でて笑って涙を流す、好きだったのだとつぶやき黄色い空を見上げる声を上げる手を伸ばす。
彼女はきれいな紫のコートを着ていた、丈の長いスプリングコート。紫のコートの下には紫の痣がある。コートを脱がしてその下も全部脱がすと見える紫の痣を彼女は秘密にしている。
美しい紫のコートにはとても及ばない濁った紫の痣は緑で黄色い。憎らしくて力を込めて押すと彼女は密やかに美しい眉をひそめるので悲しかった、紫の力。
いいねあなたは何でも持ってる、欲しいものも要らないものも悲しいものも美しいものも
紫の感情が胸を渦巻く、暗く美しく高潔に恐怖で狂おしい感情。
目を閉じた彼女のまぶたはきれいな緑で飾られている、彼女は紫のコートを捨てるのだとつぶやき痣の消えた肌を撫でて笑って涙を流す、好きだったのだとつぶやき黄色い空を見上げる声を上げる手を伸ばす。
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