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言い訳置き場

言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。

2025'03.14.Fri
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2006'03.15.Wed
星のシャワーに聞き耳を立てる。



びっくりする満天の空、全開の晴れ。

漆黒に星をばら撒いて列車は空を横切る。

闇に溶けた線路を音もなく走って。だって真夜中、騒音は迷惑だから。人に優しく走ります。



こんな夜じゃなかったら、最上級に素敵な夜。夢にまで見た憧れの、、快適快速・夜行列車。

まさかこんなことで乗ることになるなんて。

全く予想してなかった。嘆き嘆きの夜行列車。



列車が昇れば昇るほど空は暗く澄み渡る。

窓を開けるとひんやりとした風が流れ込んできて、星明かりが部屋をきらきらと満たした。



綺麗な夜。

列車は綺麗な夜にしか走らない。確かにどんなものより超高速で目的地に着きはするけど、あくまで交通機関ではなく娯楽のものだから。



ああ、憂鬱。

こんな綺麗な夜、こんな重い気持ちを抱えて飛びたくない。

夜行列車はそして無情。
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2006'03.10.Fri
さらば俺のバカンス!



今日も今日とて海で特訓。

学校の補習をサボって行った近所の海、海水浴場には汚すぎるその海で出会った人魚は、オレンジのビキニが眩しかった。あとで聞けばそれは友達からプレゼントされたものらしく、それもそうだろ、カナヅチが率先して水着なんてさ。そして水泳の練習にオレンジのビキニは大変向かない。だから俺はいつもポロリのハプニングを期待していたわけです、正直。



かんかん照りの最悪の太陽の下、日焼けした白い肌をむき出しに、彼女は今日も今日とて海で溺れる。

どうして泳げないのに海で練習しちゃうかなぁこの人、そう思うけれど彼女はどうしても海で泳がなければならないらしい、何故か。

俺的クリティカル美人でもう手取り足取り腰取り特訓しまっせと下心丸出しの申し出に彼女が乗ってしまったのは、ほんとうに泳ぎたかったからだった。泳げないから練習してるの、なんて、俺はてっきり下手なナンパだと思ってたよ。



今日も今日とて海は夏、気分は最低。焼けた砂と燃える空気に苛立ちも絶頂、もうこんな珍妙な水泳の授業なんて俺が来なければいいだけの話だけどどうしても来てしまうのは、やっぱり溺れた彼女を助けたときに肌と肌が触れ合うからだったのです。どれだけ頑張ってもあなたはどうしても溺れるから、だから俺はほんとにわざとなんじゃねーのこの女、俺とやりたいなら言えばいいじゃんとか思っていたわけです、調子乗っててごめんなさい。



だからまさか惚れるなんて思ってなかった。

今日も今日とて夏、それでも夏は終わりに近付く。



「…ね、いつまでやんの?」

「…さぁ」



さっきまでむせ返っていた人は、体を砂だらけにしてオレンジのビキニをつけた体を横たえ、胡乱な目で海を見ている。この人は泳ぎたいくせに海を恨んでいた。

彼女が泳げないのは海に嫌われているからだそうです。変な言い訳。頭の可笑しい女だろうなと思ったこともあったけど彼女はいたって正常で、可笑しかったのは俺の方で。



そう可笑しかったのは俺の方で、彼女が夏が終わったら終わりかな、というので、俺は思わずそのオレンジの眩しいビキニに手を伸ばしたわけなんです。



海の中、彼女は日で火照った体を冷やしながらぽつりと。

君高校生でしょう、じゃあ夏休みが終わったら終わりだね。



肩の紐がずれて日焼けの後が目に飛び込んで、俺は次の瞬間穏やかだった波に飲み込まれた。
2006'02.27.Mon
そうやって油断してるといいわ。



あなたが寝ている間に爪を研ぐ。無防備な笑顔を見せちゃって、私がいつ寝首をかくとも知らず。

あんまり間抜けな寝顔だから、いつでも殺せるあなたを今はまだ、殺さない。



お馬鹿さん。傍へ擦り寄って頬にキスを。

そんなにいい女じゃないでしょう、私は。育ちの悪さは知ってるくせに。



「ん…ハニー、おいでよ」



長い腕が伸びてくる。

あたしはそれにしたがって布団へもぐりこんだ。今はまだ、ね。

にゃあんと鳴いてあなたの胸に抱かれてあげる。
2006'02.22.Wed
出来ることから始めましょう、だって。笑っちゃう。



私に出来ることは既に始まっているものばかりで、今から始められることなんて何もない。

瞬きをすること、その音を聞くこと、ゆっくり息を吐くこと、唇を舐めること、爪を切ること、靴を履くこと。



帰ってきた模試の結果はものすごいもので、なんだかいっそ笑ってしまった。

出来ることから始めましょう、じゃあその出来ることを教えて欲しいって言ってるの。

そんなこともわからないくせに、偉そうに。



受験のシステムというのは単純明快、ここからここまでだったら大丈夫よ。

もう少し頑張りなさいと先生は言う。

でもどうして信じてもいない教師の言うことを信じてあたしは頑張るのだろう(それは受験戦争という枠から外れないため)(馬鹿みたい)。

先生も通ってきた道だ、なんて。真顔でよくそんなこと。自分のことを先生と呼ぶのは可笑しいというのにあたしは受験勉強中に気がついたけど、あんたは気付かなかったのね。



先生は、敬称です。

尊敬に値する対象であるべき、存在。



先生と教師の間に越えられないラインがある。信じられないぐらい細い線で、越えられないくせに時々向こう側へ渡れるのだ。

そして招待した先生が、突然向こうへ追い払う。



あと2点でランクB。

2点もおまけ出来ないあんたなんかにとやかく言われたくないわ。



とりあえず『出来ること』から始めようか。

気合を入れて腕をまくり、夜食を作るべく部屋を出る。
2006'02.13.Mon
しまった、と男は唇を噛んだ。



しまった。ふっと煙草が吸いたい、と気を抜いた隙に、背中に押し当てられた拳銃。

そろそろ世界は暗くなる。昼も夜も拒絶するこのわずかな時間が、男ののわずかな活動時間だった。

それなのに気を抜くなんてどうかしている。男は舌打ちをして、銃の先の気配を探った。



昼の賑やかな世界には溶け込めなかった。あんなに笑えなかったし、あんなに叫べなかった。

夜の穏やかな世界には溶け込めなかった。あんなに泣けなかったし、あんなに黙れなかった。



だから昼も夜も必要としないこのわずかな時間にだけ、男は存在を認めていた。

起き上がって、煙草を吸い、笑いながら仕事を請け、黙って仕事をする。泣きながら片付け、叫びながら寝床へ戻る。



「お前か、ここ最近俺をつけてるのは」



拳銃は見当違いなことを言った。男はこの時間にしかいないのに。

他の誰かがしていたのだろう。煙草を吸っていいかと聞くと、別にあるらしい拳銃が足元のコンクリートを削った。



しまった。洗濯物を取り込んでくるのを忘れた。

もう何日も干しっぱなしにしているのだ。昼も夜も男は知らないから、その間に雨が降っていてもわからない。



まもなく昼が終わって夜になる。

さぁそれまでに、終わらせよう。
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