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言い訳置き場

言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。

2025'03.14.Fri
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2006'06.15.Thu
天の川に憧れて 花を一輪耳に差し 陰の向こうの鹿の影 丸く光った虹に見る 駒を塗り塗り朝くれば 空を手にして傘回し 愛を殺してその墓を めだか探して冬になる そこにあなたが歯を見せりゃ 私薄日で鳥を飼おう



花よ私を追うがいい あなた手に取り 朝を待ち 川に花咲き 空歌う 虹に魚が泳ぐ世に 笑い殺して眠る夜に
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2006'06.10.Sat
美しく響け足音よ!



──お前さ、ハイヒール止めねえ?

──なんでよぉ、ハイヒールを履いた足が一番綺麗なの。あんただってスキでしょ?

──人をマゾみたいに言うなよ…

──ヒールは私のアイデンティティ。やめるわけにはいかないわ。さ、行きましょ

──……足音うるせー



そしてふたりは泥棒をしに。

誇り高き怪盗は、今宵も足音高らかに、夜の街を駆けていく。
2006'05.24.Wed
どれぐらい好きかって聞かれたら、この水色のプールぐらい。



100メートルぐらいなら余裕で泳げる、髪を拭きながら彼は答える。ふぅん、とわざと気がなさそうに応えると、濡れたタオルが飛んできた。



しなやかな体が水を操る様をさっきまで見ていた。惚れ惚れする水の流れ。水色の学校プールは始まったばかりでまだ水は綺麗だ。虫も少ない。



黙ってスポーツドリンクを差し出すと、相手も黙って受け取った。かたいボトルキャップが外されたところで手を出し、ペットボトルを返してもらう。



プール際を水が打つ。先日彼が仲間たちと大騒ぎしながら洗ったプール。気持ちよさそう、呟いた前をアメンボがよぎった。



「私の全てはこの水色だった」



一度も入らなかったくせによく言うな、隣からの低い声。男の人の声。口を湿らせた後、隣を少し見る。



「一回だけ入った」



あんたに突き落とされて。そんなことをした記憶はございません、なんて



「あんたにふられた後、死ぬつもりで入った。見よう見まねの25メートル。水着もないから制服のまま、乾くまで帰れなくて怒られた」



私泳いでも死ななかった。プールで死ぬなよ、後味悪いから。馬鹿ねそれを狙ったのよ。



でも泳いでも死ななかった。ならば私はどうして、ずっと我慢していたのだろう。



「…夏が始まったら、私はどこかへ行くんだって」

「…どこに」

「知らない。こんな田舎よりも更に空気のきれいなところ」



少なくとも、あなたも水色のプールもないところ。さよなら、足の着かない永遠



清々するな、とひどい声。
2006'05.18.Thu
ばかめ、ワタシは筋がね入りの庶民なのだ。



読めない言葉で綴られた値段のないメニューを出す店に食事に連れて行かれた。なんたらと言うワインをいちゃもんつけて飲み、なんとかと言う大層な料理を講釈しながら食べる。

うまいもんを食わせてくれると言うから来たのに、こんな腹の足しにもならないちろっとしたもん食ってどうすんだ。こんな少量じゃ味もわからん。



ワインの出来た年から始まり、話題は誰々社長夫人の話にまで飛躍した。生憎私は誰々社長夫人とはどなたが存じ上げないもので、兄の結婚式の時に叩き込まれたテーブルマナーで妙なソースのかかった葉っぱを食む。

ワタシはキリスト様の血よりも焼酎がいい。変な色のソースをかけるぐらいなら塩がいい。



「…ラーメン食いてぇな」

「へ?」

「一杯600円替え玉あり、キムチメンマ取り放題」



とんこつスープがワタシを呼ぶ。

こんなに窮屈なのだから、本音ぐらい漏れたりするさ。器のちいせぇ男。ワタシだって二度とあんたに誘われたくない。



なんでお前がもてるのよ、友人のヒガミに答えるならば、魔法の粉のせいだ。オレンジのチーク、ブルーのシャドウ、きらきら光るファンデーション。兄上の操る魔法の粉が、ワタシの顔を変える。暇な上にマメな男だ。にーちゃんは暇じゃないぞと抗議が聞こえる。



巷で噂の魔法使いのタネは簡単、妹をさっさと嫁にやりたい。



「にーちゃん、ラーメン食いに行こう」

「……デートはどうした、高級フルコース」

「腹が減った」

「……せっかく人が美しくしてやってんのに…」



誰のせいでにーちゃんはメイクアップアーティストなんかになってしまったと思ってるんだ、とまた拗ねる。ワタシはそんなことひとっ言も頼んじゃいない。



男なんてみんな勝手だ。勝手に魔法にかかっておいて、女のせいにするんだから。
2006'05.15.Mon
深く深く炒ることが私の仕事なのですよ。



口ひげの男は鍋の中身をかき回しながら言った。魔女が魔法の薬を作るような大鍋を。ぱちぱちと爆ぜる音がするけれど、鍋の中身は知れない。



シルクハットに燕尾服、鍋をかき回していたステッキで鍋を叩くとカスタネットの音がした。

部屋の色彩ははっきりしない。瞬きのたびに燕尾服は色を変える。鍋の底で色が変わるせいだろう。



口ひげを撫でながら鍋底を見て、まだですねぇと溜息。

いえね、本当はこれぐらいがちょうどいいのです。だけど私はもっと炒らなくてはならないのですよ。



私は鍋の底が見たくなった。そして静かに近づくと、男はシルクハットをちょいとあげて私を見る。丸い眼鏡のレンズが私を見た。

見たいですか、脅すような声。



これ以上深入りすると戻れませんけどいいですか。
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