57.やさしい記憶（木田上）

それしか、残ってない。



あれが恋だったかどうかを問われれば、多分違った。尊敬とか思慕とか、そういうの。

あの頃はどうしてだか、好きと言う感情より尊敬の方が恥ずかしかった。だから意識下で置き換えて。



だからそんな遊びのような関係、自然と終わった。

犬か猫みたいにまとわりついてたけど、木田は迷惑じゃなかったのかな。今からでも、謝るよ。