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言い訳置き場

言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。

2025'01.19.Sun
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2008'06.07.Sat
「三上クン、ちょっと」



三上の肩に腕を回し、近藤が部屋の隅に連れて行ってこそこそと何か話している。どうせくだらないことなのだろう。そこに更に中西が加わり、いっそう怪しさが増す。笠井が顔をしかめたのを見て渋沢が苦笑した。

試合前の控え室、練習試合では部屋の雰囲気はまだ柔らかい。過去に勝ったことのあるチームが相手だからかもしれない。



「キャプテーン、今日あいつ来てるんすか?なんだっけ、カニだかタコだか」

「海老沢だろ、さっき見たよ」

「マジー!今日は抜く!」

「でも海老沢ってFWに転向したんじゃなかったっけ」

「えーっ!」

「あそこはFWの層が薄いからな」



部屋の隅の三上たちが妙な笑い声を上げた。嫌な予感しかしない。



先輩たちの姿を見て、笠井は溜息をついた。――来年だって、武蔵森の強さは揺るがないと自信がある。しかし黄金世代と言われる時代は終わるだろうという予感がする。まだ藤代も間宮も、そして自分もいるのに、拭えない不安がある。

例えば、以前戦った桜上水、あそこは2年ばかりだ。急成長したタレントがいる。彼が慕われている理由は、武蔵森を引っ張ってきた渋沢とは違う。



「落ち着いて」



あまり試合経験のない後輩の肩を叩き、渋沢は微笑む。彼の力が抜けたとき、このチームはどうなるのだろう。



「何辛気くせえ顔してんだよ!」

「わっ」



いつの間に寄ってきたのか、三上が無理やり肩を組んできた。振り払うとおーこわ、とわざとらしく手をあげる。



「どうしたの、ぶっさいくな顔して」

「あんたに言われたくないですよ、にやにやして」



ふん、と鼻で笑って三上は笠井の腕を引く。行くぞ、と言われて顔を上げた。もうすぐ試合が始まる。



芝生の上に立ち、誰ともなく集まって円陣を組む。11人以上の力を持つ輪の隣に三上がいた。



「藤代調子のんなよ」

「近藤先輩こそ、おいしいとこで転けないで下さいよ」

「うるせぇッ」

「あーもう、渋沢まとめろ」

「集中しろ、ボールを見ろ。それから、寮母さんからの伝言。負けたらエビフライのエビ抜きだ」

「げーっ!」



頭をつきあわせてみんなで笑う。肩を掴むお互いの手に力がこもった。



「行くぞ!」
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