言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2006'08.02.Wed
三上先輩は前を歩く。斜め後ろを俺が。ふたりででかけたときは大体こんな歩き方になる。どっちが何を言うわけじゃないけど、多分無意識に…怯えてるから。
別に男ふたりで映画行くなんてよく見る姿だと思うのに、どこか罪悪感みたいなものを感じる。
「…真っ直ぐ帰ります?」
「どうする?なんかあるか?」
「俺は別に」
「ツタヤ寄っていい?カード貸して」
「あ、ウン」
少し振り返った先輩はすぐ前を向く。変な緊張をして落ち着かない。
先輩はレンタルカードを持ってない。いつも誰かにくっついて行って用を済ます。学生証が行方不明らしい。
誰かのついで、じゃなく行きたいときは大体俺か近藤先輩を無理やり連れて行く。カードを借りていくこともあるけど、大抵返し忘れるから、近藤先輩は律儀についていくらしい。
近藤先輩は隣を歩く。
「…映画、微妙でしたね」
「だな。見れるのCGだけじゃねぇか」
「原作読んだんでしたっけ」
「すんげぇダイレクトに端折られてる。設定変わってるしなぁー」
それから何か続けたけど、風に飛ばされて聞こえなかった。もう慣れたことだから聞こえたふりをして相槌を打つ。
隣を歩けば、あなたの声は聞こえるだろうか。…声を聞きたいなら、歩かなければいいんだけど。
駅から寮までは、寂れた方へ向かえばいい。学校前までバスもあるけど、お金がない中学生は大抵歩きだ。バス代出すなら食料を買う。
人の姿を見かけなくなった辺り、先輩が不意に振り返った。何かと思う間もなく手を取られ、引っ張るように歩き続ける。
「先輩」
「誰もいねぇよ!」
違う、そんなんじゃなくて。俺が言いたいのは、あんたが気持ち悪いってことだ…馬鹿みたい。
隣を歩くのはまだ怖い。手を引かれながら、心なしか足を早めた先輩の背中を見る。
照れるぐらいならやらなきゃいいのに。首筋に光る汗が、早く歩くせいだけじゃないと思いたい俺も大概気持ち悪い。
後ろに中西先輩を見つけたけど、あんたの反応が見たいから、俺はついて歩くことにする。
別に男ふたりで映画行くなんてよく見る姿だと思うのに、どこか罪悪感みたいなものを感じる。
「…真っ直ぐ帰ります?」
「どうする?なんかあるか?」
「俺は別に」
「ツタヤ寄っていい?カード貸して」
「あ、ウン」
少し振り返った先輩はすぐ前を向く。変な緊張をして落ち着かない。
先輩はレンタルカードを持ってない。いつも誰かにくっついて行って用を済ます。学生証が行方不明らしい。
誰かのついで、じゃなく行きたいときは大体俺か近藤先輩を無理やり連れて行く。カードを借りていくこともあるけど、大抵返し忘れるから、近藤先輩は律儀についていくらしい。
近藤先輩は隣を歩く。
「…映画、微妙でしたね」
「だな。見れるのCGだけじゃねぇか」
「原作読んだんでしたっけ」
「すんげぇダイレクトに端折られてる。設定変わってるしなぁー」
それから何か続けたけど、風に飛ばされて聞こえなかった。もう慣れたことだから聞こえたふりをして相槌を打つ。
隣を歩けば、あなたの声は聞こえるだろうか。…声を聞きたいなら、歩かなければいいんだけど。
駅から寮までは、寂れた方へ向かえばいい。学校前までバスもあるけど、お金がない中学生は大抵歩きだ。バス代出すなら食料を買う。
人の姿を見かけなくなった辺り、先輩が不意に振り返った。何かと思う間もなく手を取られ、引っ張るように歩き続ける。
「先輩」
「誰もいねぇよ!」
違う、そんなんじゃなくて。俺が言いたいのは、あんたが気持ち悪いってことだ…馬鹿みたい。
隣を歩くのはまだ怖い。手を引かれながら、心なしか足を早めた先輩の背中を見る。
照れるぐらいならやらなきゃいいのに。首筋に光る汗が、早く歩くせいだけじゃないと思いたい俺も大概気持ち悪い。
後ろに中西先輩を見つけたけど、あんたの反応が見たいから、俺はついて歩くことにする。
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2006'08.01.Tue
座っていても定規を通したように真っ直ぐ伸びた背筋は、それだけでその人間性を表していた。それを思い出して鏡の前で意識してはみるものの、自分はどうも猫背だった。
(…卑屈)
明日から夏休みだ。とは言え山崎は補習で学校へ来ることになっているので、気分まで夏休みとは言い難い。型通りの夏休みルールを、既に生徒以上に浮かれている銀八に代わって土方が解説している。
斜め前、長い髪が肩にかかっている。自分も惰性で髪は伸びているが、あのようにはいかない。
(あ、また)
見た。教壇で銀八とやかましく口論する土方を、彼女は目で追い時々笑う。山崎には備わっていない、柔らかい笑顔だ。
(美人…)
「もういいっしょ、終わり!くれぐれも俺の手を煩わすことだけはしないように!合コンのメンバーが足りないときは呼ぶように!解散ッ!」
最低だとブーイングをしつつも、休みに浮かれる生徒はぞろぞろと帰っていく。
じっと見つめてしまっていた後ろ姿がすっと立ち上がり、山崎は何故だか椅子から転げ落ちた。派手な音が教室中に響き、大丈夫ですか、一番近くの彼女が一番早かった。機敏な動きで山崎のそばにしゃがみこみ、しこたまぶつけた後頭部をさするのを心配そうに見つめてくる。
「おいおい山崎くん、少ないんだから脳みそこぼさないように気をつけなさい」
「脳まで糖が達してる人に言われたくねースよ…あ、あの、大丈夫だから」
「そうですか?」
「おい、そんなんほったらかして帰るぞ」
「!」
山崎へ伸ばされかけていた手が引っ込み、彼女がすっと立ち上がる。ああ…綺麗だな。姿勢の美しい彼女は、既にメロメロに人のものだ。
「じゃあ山崎さん、新学期に。補習頑張ってね」
「…うん、徳川さんも、アレ」
アレ、を指さすと彼女は顔を真っ赤にした。再度土方に呼ばれ、彼女は手を振って教室を出ていく。
(…立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花…)
(…卑屈)
明日から夏休みだ。とは言え山崎は補習で学校へ来ることになっているので、気分まで夏休みとは言い難い。型通りの夏休みルールを、既に生徒以上に浮かれている銀八に代わって土方が解説している。
斜め前、長い髪が肩にかかっている。自分も惰性で髪は伸びているが、あのようにはいかない。
(あ、また)
見た。教壇で銀八とやかましく口論する土方を、彼女は目で追い時々笑う。山崎には備わっていない、柔らかい笑顔だ。
(美人…)
「もういいっしょ、終わり!くれぐれも俺の手を煩わすことだけはしないように!合コンのメンバーが足りないときは呼ぶように!解散ッ!」
最低だとブーイングをしつつも、休みに浮かれる生徒はぞろぞろと帰っていく。
じっと見つめてしまっていた後ろ姿がすっと立ち上がり、山崎は何故だか椅子から転げ落ちた。派手な音が教室中に響き、大丈夫ですか、一番近くの彼女が一番早かった。機敏な動きで山崎のそばにしゃがみこみ、しこたまぶつけた後頭部をさするのを心配そうに見つめてくる。
「おいおい山崎くん、少ないんだから脳みそこぼさないように気をつけなさい」
「脳まで糖が達してる人に言われたくねースよ…あ、あの、大丈夫だから」
「そうですか?」
「おい、そんなんほったらかして帰るぞ」
「!」
山崎へ伸ばされかけていた手が引っ込み、彼女がすっと立ち上がる。ああ…綺麗だな。姿勢の美しい彼女は、既にメロメロに人のものだ。
「じゃあ山崎さん、新学期に。補習頑張ってね」
「…うん、徳川さんも、アレ」
アレ、を指さすと彼女は顔を真っ赤にした。再度土方に呼ばれ、彼女は手を振って教室を出ていく。
(…立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花…)
2006'07.31.Mon
1. 立つ
2. 歩く
3. 走る
4. 転ぶ
5. つまずく
6. すべる
7. しりもちをつく
8. 頭を抱える
9. 正座/あぐら
10. しゃがむ
11. ひざをつく/ひざまずく
12. ひざを抱える
13. 土下座(謝罪)
14. おじぎ
15. 敬礼
16. 仰ぎ見る
17. 仰向け
18. うつ伏せ
19. 背伸び
20. 大の字
21. 腕組み
22. 登る
23. 降りる
24. ぶら下がる
25. 跳ぶ/飛ぶ
26. 着地
27. 落下
28. 回る
29. 泳ぐ
30. 踊る
31. 殴る
32. 蹴る
33. 打つ
34. 撃つ/射る
35. 押す
36. 引っ張る
37. 抱える
38. 背負う
39. 投げる
40. 受け止める
41. 構える
42. 舞う
43. とびかかる
44. ふんぞり返る
45. 逆立ち
46. 四つんばい
47. でんぐり返し
48. 宙返り
49. ぎりぎり避ける
50. ラジオ体操
51. 膝枕
52. 抱っこ
53. おんぶ
54. 肩車
55. 馬とび
56. 二人でダンス
57. 背負い投げ(取っ組み合い)
58. 肩を組む
59. 抱擁
60. 「人」という字
60のポーズでお題
2. 歩く
3. 走る
4. 転ぶ
5. つまずく
6. すべる
7. しりもちをつく
8. 頭を抱える
9. 正座/あぐら
10. しゃがむ
11. ひざをつく/ひざまずく
12. ひざを抱える
13. 土下座(謝罪)
14. おじぎ
15. 敬礼
16. 仰ぎ見る
17. 仰向け
18. うつ伏せ
19. 背伸び
20. 大の字
21. 腕組み
22. 登る
23. 降りる
24. ぶら下がる
25. 跳ぶ/飛ぶ
26. 着地
27. 落下
28. 回る
29. 泳ぐ
30. 踊る
31. 殴る
32. 蹴る
33. 打つ
34. 撃つ/射る
35. 押す
36. 引っ張る
37. 抱える
38. 背負う
39. 投げる
40. 受け止める
41. 構える
42. 舞う
43. とびかかる
44. ふんぞり返る
45. 逆立ち
46. 四つんばい
47. でんぐり返し
48. 宙返り
49. ぎりぎり避ける
50. ラジオ体操
51. 膝枕
52. 抱っこ
53. おんぶ
54. 肩車
55. 馬とび
56. 二人でダンス
57. 背負い投げ(取っ組み合い)
58. 肩を組む
59. 抱擁
60. 「人」という字
60のポーズでお題
2006'07.12.Wed
生まれて初めて神へ跪いた。
今確かに、この手でひとりの人間を奪った。人生を、過去を、未来、命、心、
震える両手をかたく握り締めた。痛みを感じない。赤い両手。
熱かった血はすぐ冷えた。体の芯まで狂いそうに冷たい。
「ごくろーさん」
「……隊長」
「恨む相手はテメェの真上だ」
今日は非番だったはずの沖田が手ぬぐいを差し出す。うまく呼吸が出来ない。
真上、土方。そう、こんな話は聞いてない。
「バカだねィ、さっさと覚悟決めねぇから」
「……やるときは出来る子でしょ」
「よく言うぜ」
吐きそうだ。
空は見事な夕焼けだった。赤い銀河が俺を睨む。
今確かに、この手でひとりの人間を奪った。人生を、過去を、未来、命、心、
震える両手をかたく握り締めた。痛みを感じない。赤い両手。
熱かった血はすぐ冷えた。体の芯まで狂いそうに冷たい。
「ごくろーさん」
「……隊長」
「恨む相手はテメェの真上だ」
今日は非番だったはずの沖田が手ぬぐいを差し出す。うまく呼吸が出来ない。
真上、土方。そう、こんな話は聞いてない。
「バカだねィ、さっさと覚悟決めねぇから」
「……やるときは出来る子でしょ」
「よく言うぜ」
吐きそうだ。
空は見事な夕焼けだった。赤い銀河が俺を睨む。
2006'07.08.Sat
あなたを待つ一夜は千夜に等しい。
まだだ、と一言だけ土方が言い、沖田は頷いて部屋へ戻る。馬鹿げた関係を知っているものはいないが、もしかしたら土方は察しているのかもしれない。
山崎が潜入捜査へ出たのは1週間前だった。予定は3日。ただ仕事が遅れているだけではない。連絡さえ入っていないのだ。沖田でなくとも心配する。
通常潜入捜査は機密であるため、沖田は行き先までは知らない。知るのは土方と監察の人間ぐらいだろう。
子どもの賑やかな声に顔を上げると、塀の向こうを笹が歩いていった。親子らしい声の会話で、流しに行くのだと知る。
七夕が過ぎた。どうして気づかなかったのだろうと考えて、いつも山崎が準備していたからだと思いつく。呆れるほどマメな男だ。
ふらりと山崎の部屋に足を向ける。平隊士扱いではあるが存在としては幹部並の男は一応自室を持っている。しかしほとんど監察部屋となっている状態で、昼間は本人が不在でも人が出入りするような部屋だ。
今夜は人気がない。鍵もない部屋に踏み込めば、いつものように散らかった部屋。長い潜入であるから布団は上げてある。見慣れた様子の中に鮮やかな色彩────短冊だ。
誘われるようにそれを手に取り、転がっていたペンを拾う。
────土方が死にますように
────駄菓子屋のババァが呆けますように
────チャイナが消えますように
────夜が終わりますように
まだだ、と一言だけ土方が言い、沖田は頷いて部屋へ戻る。馬鹿げた関係を知っているものはいないが、もしかしたら土方は察しているのかもしれない。
山崎が潜入捜査へ出たのは1週間前だった。予定は3日。ただ仕事が遅れているだけではない。連絡さえ入っていないのだ。沖田でなくとも心配する。
通常潜入捜査は機密であるため、沖田は行き先までは知らない。知るのは土方と監察の人間ぐらいだろう。
子どもの賑やかな声に顔を上げると、塀の向こうを笹が歩いていった。親子らしい声の会話で、流しに行くのだと知る。
七夕が過ぎた。どうして気づかなかったのだろうと考えて、いつも山崎が準備していたからだと思いつく。呆れるほどマメな男だ。
ふらりと山崎の部屋に足を向ける。平隊士扱いではあるが存在としては幹部並の男は一応自室を持っている。しかしほとんど監察部屋となっている状態で、昼間は本人が不在でも人が出入りするような部屋だ。
今夜は人気がない。鍵もない部屋に踏み込めば、いつものように散らかった部屋。長い潜入であるから布団は上げてある。見慣れた様子の中に鮮やかな色彩────短冊だ。
誘われるようにそれを手に取り、転がっていたペンを拾う。
────土方が死にますように
────駄菓子屋のババァが呆けますように
────チャイナが消えますように
────夜が終わりますように
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