言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2009'09.11.Fri
あかんあかん無理無理。ねむいもん。
そんなわけでユウくんの誕生日おめでとう~でも祝えてない~ほんまごめん~。
私の中でユウコハの高校はバラバラです。白石・小春・謙也・財前はおんなじ。でもユウジくんはそこまで賢くないような気がするので。あ、あれです。謙也は毎日光様を送り迎えするために四天に一番近い高校を選んだら偏差値の高い高校だった、とりあえず理由はそれでいいです。中学受験して落ちた高校でリベンジさせられた節もあるけど前振りが長いので割愛。厳密にはこれは友達のネタだしな。
「今日ね、ユウジ先輩の誕生日やないっスか」
「……せやね」
まさかこの後輩の口からそれが出てくるとは。平常心を保ち、小春はそのまま帰り支度を始める。もたもたとシャツのボタンをかけながら、財前はちらりとこちらを見た。掛け違えてる、指摘してやると舌打ちをする。
「光がユウくんの誕生日覚えてるなんて意外やわ」
「や、うるさかったんで」
「ユウくんそんなにさわいどったっけ?誕生日は謙也が一番うるさいと思うんやけど」
「うるさかったっスよ、小春の誕生日は11月9日やねんミラーやねん運命的やろって」
「……あ、そう」
「そんで、俺ユウジ先輩に誕生日プレゼント贈るって約束したんスわ」
「何で買収されたんや?」
「ま、それは言えませんわ」
「せやろなあ」
「そんなわけで、」
するり、と腕に絡んでくるのは、後輩の手。肘の裏側に滑り込んだ手のひらは添えられているだけなのに、振り払うことを許さない。財前を見下ろすとめったに見せない人懐っこい笑顔を作って見せてくる。
「小春先輩何食べたい?」
「……光ちゃんは何食べたいの?」
*
「ごっそーさん!ほな!」
「あっ、ちょッ、待ちや!」
「これ以上謙也さん待たせたらかわいそうやろ?」
待たせとったんかい!ユウジの突っ込みも待たずに財前は店を出ていく。スピードスターと付き合いだしてもマイペースを保っていると思っていたが、やはり似るものなのだろうか。こぶしを握ったまま財前が出て行ったドアをにらみ、ユウジは溜息をつく。そんなユウジを見て小春が溜息をついた。
別々の高校へ進学してから、会う機会はとんと減った。それでも他の友人に比べれば多い方だが、毎日顔を見ていたあの頃と比べれば大違いだ。去年1年で背が伸びたユウジはずいぶん見た目も落ち着き、さぞかしもてるのだろう、なんて思う。ケーキをつついてもうええから、と言えばユウジは力を抜いて小春を見た。
「ご……ごめんな?用事とかなかったか?」
「大丈夫やって。こっちこそ、メールも入れてあげられんでごめんな」
この間中学を卒業したと思えば、高校生活もあっという間に半分終わってしまった。その時間はスキンシップができなくなるのに十分な時間で、ふたりでお笑いのネタを考えていた頃にはできていた些細な触れ合いが今はためらわれる。相変わらずユウジが小春のことを好いてくれているのだとわかりはするが、それをどう受け止めていいのかわからない。
「最近、忙しいん?」
「そうねえ、生徒会の引き継ぎやらもあったから。でもユウくんの誕生日を忘れとったわけじゃないんやで。プレゼントも用意できんくて申し訳ないけど」
「あ、ええねん別に。俺今年も誕生日に小春に会えて嬉しいんや」
「ほんまは」
「え?」
「ユウくんが誘ってくれたら嬉しかったんやけど」
「え……あ……う、うん……なんか、ビビってもて……」
もじもじと小さくなるユウジの姿に後悔する。どうしてこんな言い方しかできないのだろう。誘うべきだったのは自分の方で、たった一通のメールも送れなかったのに。あの自分勝手な後輩はきっとそんなことはお見通しだったのだろう。人の動かし方を知っている、末恐ろしい子だ。
「あー……あのさ、今度の学祭、俺ライブ出んねん。よかったら来てや」
「ほんま?行く行く」
「時間あったらでええで」
「何ゆうてんの、時間ぐらい作るやん。あたしを誰やと思ってんの」
「誰って……小春は小春や」
「ちゃう。あたしはユウくんの一番のファンやで」
「……ははっ、ありがとぉ」
一足先に進学高校が決まった時、おめでとうと言ったユウジを思い出す。もうコンビは組まれへんけど、の言葉の意味をどうとらえたのか、まだ気になっているが聞くこともできない。
(……あたしは何年、プレゼントをため込む気なのかしら)
かばんの中の存在感を、財前に見られなかったのは果たして救いだったのだろうか。他力を借りなければできない恋愛は、財前に言わせれば意味がないのかもしれない。あれだけひとりに執着する人間をそばで見ているのに、自分は歩み寄る勇気が持てないのはどういうことだろう。臆病にもほどがある。
「お誕生日おめでとう」
*
「ユウジ先輩パンツどんなでした?」
「……は?」
朝からきつい冗談だ。小春のリアクションに、財前は駄目だったか、と溜息をつく。
「勝負パンツはきやってアドバイスしたったんですけどねえ」
「……あんた、なんでもかんでもカラダに結びつけるのやめや」
他の部員もいる部室だ。小春が声をひそめるのに対して財前は鼻で笑う。生意気な後輩は何年経っても変わらない。
「見張ってない間に、誰かに取られても知りませんよ」
「……大きなお世話よ」
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