言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2009'10.24.Sat
どっちかの教室のそばを相手が通りかかる、というシチュエーションがとても好きです。声をかけてもいいし横目で見るだけでもいい。
けんひかです。光はわざと謙也の教室の前を通るんだけど謙也は気づかないんだよね。
けんひかです。光はわざと謙也の教室の前を通るんだけど謙也は気づかないんだよね。
呼ばれた気がして謙也が顔を上げると、廊下の窓から財前が手招きしていた。勝ち目のなさそうな手元のカードを机に叩きつけて、すぐさまそっちへ向かう。謙也を引き留めるクラスメイトの声も聞こえない。
「光っどうしたん?」
「通りかかっただけっすわ」
財前はいつもと変わらないだるそうな顔で、音楽の教科書を持ち上げてみせる。財前くん久しぶり、謙也を押しやるように友人が邪魔に入り、謙也は隣をにらみつけた。
「軽音の方にもちゃんと顔出しぃや」
「譜面は出してますやん」
「せめてCDぐらいつけろ」
「贅沢やなぁ先輩」
「しっしっ、俺の光にちょっかい出さんといて!光は俺に会いに来たんや!」
「謙也も俺も変わらんやん」
「大違いや!俺の方がイケメンやし俺の方が光のこと好きやもん!」
「俺の方がイケメンやし誰も財前くんが好きやとは言ってへんし」
「こんなにかわいい光が嫌いなん!?」
「謙也ほんまうざい。テニス部うざい」
「ひとまとめにせんといてくれますか、迷惑っすわ」
しれっと冷たいことを言った財前も気にせず、謙也は財前の手をぺたぺたと触っている。先ほどまでしていたカードゲームのことなどすでに頭にないのだろう。
「謙也先輩」
「なに?」
「ちゅーします?」
「ッ……なにそれ!?する!!!」
窓から身を乗り出す謙也を緩く押し返し、財前は笑った。悪い顔、だ。謙也の焦りをからかうように財前の人差し指が唇に触れる。
「いつする?どこでする?どんなんする?」
「ッ……」
「謙也先輩とキスしたいけどぉ、えっろい顔する謙也先輩他のやつに見せたないしなぁ」
「そんなん俺もや!」
「ほんならあとで、やなぁ?」
「あ……」
「ほな、あ・と・で」
「~~~~!」
今すぐここで抱きしめてしまいたいのに、財前が作るわずかな距離に逆らえない。ね?と首を傾げる様に、俺死んだ、とその場にしゃがみ込む。あきれた友人が財前を見た。何すか、と先輩を向く財前にさっきのぶりっこは一切ない。
「……財前、謙也のどこが好きなん?」
「俺のこと大っ好きなところ」
「ああ……そら逃げられへんわ」
「逃げへんもん」
「いや、俺が言うたんは逆なんやけど、もうええわ」
「羨ましい?」
「ありえへん」
テニス部ほんまそんなネタばっかやな、ゲラゲラ笑っている他のクラスメイトを一瞥し、謙也のつむじをつつく。謙也の友人で財前と謙也のこのやり取りが本気だと知っているのは半々だ。顔を上げた謙也の頬を撫でて、財前は廊下を歩いていった。もう無理!膝をついて頭を抱える謙也に友人が溜息をつく。
「あのさぁ、謙也ってドMやんな」
「何でやねん」
「……いや、ビビること言わんといて。真剣に引くわ」
せめていじめられてる自覚持てや。もうつっこむのも面倒で、謙也を立たせて机まで引っ張る。
「さ、謙也に負けてもらおか」
「あっ……」
「ご丁寧に手札ばらまいてくれたからなぁ?」
「ドロー2」
「ドロー2」
「ドロー2を2枚」
「ドロー4、2枚。はい、謙也16枚取りや」
「さいっあくや……」
「あとで財前くんにちゅーしてもらうんやろ。UNOぐらい素直に負けとけ」
「カード16枚とったからって光が16回ちゅーしてくれるかどうかわからんやん!」
「キモい。テニス部キモい」
「キモいのは白石だけやし」
「それは白石がかわいそうやわ」
「……自分ら俺への扱いひどない?」
「リア充は少しぐらい不幸になったらええねん」
「え~?幸せでごめん」
「にやにやすんな。ぜんっぜん羨ましくないわ」
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