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言い訳置き場

言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。

2025'01.11.Sat
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2009'10.12.Mon
ストックをするという脳はないです。

というわけでかけている連載分は全部打ちこんでしまったので、続きはもしかしたら時間かかるかもね。
あと今回のデートスポットはOVAで金ちゃんとリョーマが打ち合っていたあそこ。

ところでここまでで自由数えてみたら約3万字でした。卒論余裕で超えました。
……ニオブンの狐パラレルが確か3万字越えで……これ……どれだけ長くなるんだろう……?
とりあえずお誕生日へんで一区切りなんですが、が、今後どうなるのか……

あとこれあまりにもぶつ切りで起承転結があんまりないので、非常に読みにくくて申し訳ないですな。
まあ、もともとあんまり起承転結考えてないんですけどね。だからいつも読みにくいんだろうな。
でも流れで言うなら多分「承」ぐらいです。……先が見えない。










『おはようございますー』
「おはよう」
朝5時にかかってきた電話で起こされて、すっかり習慣づいてしまって寝起きもスムーズだ。財前の声を聞きながら体を起こして布団をはぐ。
『昨日の電話なんでした?寝とってすんません』
「寝とったん!?かけたん10時やで!?」
『昨日は9時に寝てました』
「早いな―、意外や」
『何か用でした?』
「や、会ってから言う」
『ほな学校で』
「何でやねん!出てこいや、どうせ戎橋やろ」
『戎橋行ったらええんすか?今から?』
「今からや」
『ふーん……わかりました。家出ます』
「おう」
あいかわらず財前の態度はそっけない。どうして毎日をなかったことにするのかはわからないが、どう聞けば答えが聞けるのかもわからなかった。
戎橋につくと謙也の方が早かった。今日はメアド聞こう、と考えながら、気分は妙に落ち着かず戎橋を端から端へと往復する。
「謙也先輩」
「ふあっ」
「……何つー声出すんですか。俺痴漢みたいやん」
「き、急に後ろから声かけんな!」
「いや、しばらく見とったんすけど、何往復しても止まらんし気づかんから」
「はよ止めて!」
「んで、何か用っすか?」
「うっ……」
改めて正面から財前を見ると緊張する。今日は謙也が呼び出した形になるのか。そう思うと自分がものすごく財前に会いたかったようで、どうしてそうなのかと戸惑った。財前は眠そうな目をこすり、謙也を見て首をかしげる。緩く笑うと幼く見えて、財前ってこんな顔してたっけ、
「き……昨日、誕生日だったんやな」
「そうです」
「だから、その……昨日言えんかったから、おめでとう」
「ありがとうございます」
「なっ、なんか欲しいもんあるか?プレゼント!」
「え、いいですよそんなん」
「ええから!俺がなんかしたいだけやねん!」
「……ほんなら、手ェ貸して下さい」
「ん」
言われたままに何も考えず手を差し出した。その手に財前の手が合わさり、ぎょっとして肩を跳ね上げる。体温を感じる前に指が絡んできて、いわゆる恋人つなぎの状態だ。ぬるい体温と柔らかい皮膚に意識が集中する。
「え……?」
「ちょっとだけ、手ェつないどって下さい」
「そっ……そんなんで、ええの」
「はい」
「……え……えと……散歩でもする?」
「はい」
謙也を見上げて笑う財前に胸がときめいた、気がする。同意はしたものの財前に歩きだす気配はなく、謙也も体がかたくなって動けない。どこへ行こう、考える思考は空回り、思いつく場所は最近行ったところばかりだ。謙也の動揺が伝わって、財前が少し困った顔をする。俺は今、死んだ。そんな言葉が頭を埋めた。
「ほな、ちょっと下降りません?」
「あ、うん」
財前が歩きだすと手が引っ張られ、途端に行為を意識する。手をつないで歩く、だなんて。謙也を襲う恥ずかしさを財前は感じていないようで、ためらいもなく橋の下へ降りていく。道頓堀川は静かで、以前何げなく夜の川沿いを歩いた時、カップルが寄り添っているのを見かけたことがあったのを思い出して妙に落ち着かない。緩くつながれた手が軽く振られて力がこもり、はっとして財前を見た。ああクソ、なんやこれ。眼科行こかな、かわいくてしゃーないんやけど何コレ。
「朝の散歩てどきどきしません?」
「で、でももう慣れたもんやろ」
「そんなことないですよ。毎朝、新鮮や」
「……せや、な」
川の両脇に並ぶビルの明かりが消えているとそこはぱっくり切り取られた空間のように思えて、他に人もいないことが更に謙也をあおる。何か得体の知れない感情に襲われて、恐る恐るつなぐ手に力を込めた。それに応えるように握り返された気がして、背中を汗が伝う。財前は川を見ながら、ひとりで歩いているかのような態度なのに、体温はしっかりとつながっている。相合橋が近くなって何となく焦り、財前を引きとめた。なんすか、軽くこぼれた声が謙也をダメにする。もう意味がわからない。
「ご――ごめん」
「何が?」
「なんか、その、誕生日も知らんかったし」
「ああ、別に。あの人ら特別でしょ、普通後輩の誕生日なんかいちいち覚えてませんって」
「いや、でも」
「あの先輩らとは他の人より親しくしとるだけやし特別やろ、謙也先輩が知らんで当然や」
俺とは親しくないんか、と聞ければ楽なのに、何かがそれを押さえつける。謙也にとって、財前は――いつ、特別になったのだろう。
「……あとマクドで置いてったり、なんやしょーもないことばっかやけど……」
「……ほんなら、これでチャラや」
「へ?」
顔を上げると財前はつないだ手を持ち上げて見せる。
「ほんまはここで帰ろうと思ったんスけど、わがまま聞いて下さい。もうちょっとだけ、歩きましょ」
「……そ、そんなんで、ええの?」
「はい」
「つーか、……なんでここで帰るなんて言うん。いっつも1時間ぐらい歩くやん、まだ20分も経ってへんで」
「だっていつまでも嫌いな後輩の手ェつないどくなんて嫌やろ?」
「は?」
「すんません、なんか顔も見たないぐらい嫌いやのにつき合わせてしもて。川の向こう側回って、戎橋まで戻って終わりにしましょか」
ぐいと手を引かれ、無意識に足を動かす。何を言われたのかなかなか頭に伝わらない。
「……えー!?」
「なんすか、うるさい」
「もー勘弁して!ほんまごめん!顔も見たないとかほんま勢いで言うただけやし、俺お前のこと嫌いとか思ってへんし!」
「……ほんまですか?」
「ほんまや!ほんまに嫌いやったらお前と会ったりせぇへん!」
「ほんま?」
「ほんまっ」
「……謙也先輩は優しいですねえ」
ふっと笑う財前を前にどうしていいかわからなくなる。今日はあかん、今日の俺はどっかおかしい。耳まで熱いのがわかる。
「財前、俺」
謙也の言葉は着信音によって遮られた。財前がポケットから携帯を引き抜き、眉を寄せてそれを見ている。
「……出ていーすか?」
「あ、うん、ええよ」
電話に出た財前から目を離し、肩の力を抜く。この短時間でものすごく疲れた。いつもの散歩と何が違うのかと言われたら手をつないでいるだけ、なのに。
「あーもう……じいちゃんうるさい。だから、いつも通りやって。先輩と一緒。ほなね」
どきりと心臓が跳ねる。いつも通り、やって。何大嘘言ってんねん。ぎゅっと手の中の体温を意識した後、そうじゃないことに気付く。いつも通り先輩と一緒、ってことか。手が震えそうでこらえると手を強く握ってしまって、財前が謙也を見る。
「あ、すんません。もう終わったんで」
「いや……」
携帯をしまって、何も変わらずに歩く財前を見る。こんなにどきどきしとるの俺だけなん?いつも通ってちゃんと思っとるんやな?身内にどうやって俺の話すんの?疑問符ばかりが頭に浮かぶのに、ひとことも言葉にできない。戎橋のふもとに戻ってきてしまって、上がる前に財前の手を引く。
「謙也先輩?」
「ほっ……ほんまにプレゼント、何もいらんの」
そんなことを聞きたいわけじゃないのに。うるさい心臓は言うことを聞かないし、口もうまく回らない。これが一体何なのか、財前が知っていそうなのが怖かった。
「ええですって。先輩に会えただけで、十分っすわ」
こんなにかわいい後輩がいるだろうか。気が遠くなるような気がしてぼんやりしていたら、気づいたときには財前の手は離れていた。

 


 

「おはよー!」
「……っす」
「……?」
軽い会釈だけで目の前を通り過ぎて行った財前にぽかんとする。確かに今朝挨拶をしたから、またおはようという挨拶も妙だったかもしれない。それにしても、寝起きを思わせる目つきで謙也を睨むようにしていかなくてもいいんじゃないだろうか。えっ夢?思わず自分の頬をつねってみるが確かに痛い。
「え?」
今の、何。
一気に不安に襲われて、慌てて財前を追って部室に向かった。部室の前では参加の確認をしている白石がいて、謙也を見つけて手を上げる。
「おはよう謙也」
「し、しらいし、ざいぜん、見んかった?」
「何?キモい」
「キモくていい!財前!」
「今入ってったけど」
何なん?訝しがる白石を無視して中に入ろうとしたとき、ドアが開いて財前が出てくる。いつものスローペースはどうしたのか、すでに着替え終えて、謙也を一切見ずに白石に声をかけた。
「外走ってきますわ」
「おー。健次郎が試合やりたい言うとったで」
「ほな戻ったら」
まるで謙也が見えていないかのように、謙也の隣を抜けて財前は外周に向かった。立ち尽くす謙也に白石が溜息をつく。
「どないしたん?」
「……あれ?朝が夢……?」
「何や知らんけどはよ起きや」
 

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