言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2006'02.20.Mon
死ぬことは怖くなかったの。
傷口を吸って血を吐き出した。多分薬は塗られていないだろうとは思うけど念のため。
あぁ、しくじったわ。こんなミスをしたのは久しぶり。あそこで眼鏡を落としたのがまずかった。
とりあえず追っ手は撒いた。帰るルートは大丈夫だろうか。念のため遠回りして帰ろうかしら…いや、この出血は少しまずい。危険でも近道で帰ろう。
あー…しまった。今日はあの子がいるんだった。
よりにもよって今日じゃなくてもいいのに。やっちゃったなぁ。
傷口を吸って血を吐き出した。多分薬は塗られていないだろうとは思うけど念のため。
あぁ、しくじったわ。こんなミスをしたのは久しぶり。あそこで眼鏡を落としたのがまずかった。
とりあえず追っ手は撒いた。帰るルートは大丈夫だろうか。念のため遠回りして帰ろうかしら…いや、この出血は少しまずい。危険でも近道で帰ろう。
あー…しまった。今日はあの子がいるんだった。
よりにもよって今日じゃなくてもいいのに。やっちゃったなぁ。
「せっ……先輩ィィ!なんスかそれェッ」
「声が大きい」
「あいっ…」
「治療箱持ってきて。お湯と手ぬぐい」
「ッ、はいッ」
小さな体が飛び出した。あぁもう、足音がする。
…顔真っ青だったわ。悪いことした。
まだ若い後輩は現場に慣れていない。大きな怪我もしたことがないのだろう。
「先輩〜〜」
「足音」
「ぅ、あい」
お湯と手ぬぐいを置いて、彼はまたかけていく。…懲りない子ね、いつまで経っても落ち着かない子。足音消すの苦手だったかしら?
着物を裂いて傷口を拭う。歯を食いしばって痛みにも耐える。そうひどい傷じゃなくてよかった。
戻ってきた後輩は手前でこけて、しこたま顔面をぶつけた。薬瓶が転がってくる。あーもう…どうしてこんな子、忍なのかしら。と言うかどうして私に押し付けられたのかしら。
「いてて…あっ、うわっ」
「…こっち来て、治療してちょうだい」
「あ…」
「怪我にも慣れなきゃいけないからいい機会よ」
「……は…はい」
こけた拍子に箱から散らばったものをかき集めて、彼は近付いてくる。一瞬足を止めたのには目を閉じよう。私の傍に膝をつき、自分の首に巻いていた布を外す。何かと思えば私の体にかけた。思わず呆れてしまう。
「変な子」
「だ、駄目ですよ、女性がそうやって無防備にしちゃ」
「……」
お馬鹿さん。やっぱりあなたは忍に向いてない。くノ一が何をするか、知らないわけじゃないだろうに。
おぼつかない手付きで、それでも流石に治療の仕方はわかるらしい。消毒液に彼の方が顔をしかめながら治療をどうにか終える。
…憎めないなぁ。どうしよう、可愛い。
この世界に入ったのはいつか忘れた。もう過去のことは捨てたから。
彼が入ってきたのはいつだったかしら?そんなに最近でもないような、結構前のような。あぁおかしいな、時間の感覚がなくなってる。
…彼といると調子が可笑しくなる。本当に変な子だ。
愛しい人よ、なんて言っちゃっていいのかな。
一生懸命、誠実で堅実。可愛いんだわ。弟ってこんなもんかしら。
「…先輩痛くないんですか?」
「痛いわよ」
「あ、ごめんなさい…」
「…怒ってないから。言っとくけど今日はたまたまよ、普段は怪我なんかしないんだから」
「はい。先輩は俺達の自慢ですから」
「……」
思わず頭を撫でてやる。クエスチョンマークを浮かべて彼は笑った。
「ね」
「はい」
「この世界抜けたかったら言って」
「……」
「向いてないのわかってるでしょ」
「あっ…足手まといはわかってます!でもッ」
「やりたくないことしなくてもいいの」
「……」
「あと…そうね。2年待ちなさい。時代が変わるから」
愛しい人。
幸せになりなさいって言ってるのよ。
お馬鹿さんは首を傾げただけだった。
「声が大きい」
「あいっ…」
「治療箱持ってきて。お湯と手ぬぐい」
「ッ、はいッ」
小さな体が飛び出した。あぁもう、足音がする。
…顔真っ青だったわ。悪いことした。
まだ若い後輩は現場に慣れていない。大きな怪我もしたことがないのだろう。
「先輩〜〜」
「足音」
「ぅ、あい」
お湯と手ぬぐいを置いて、彼はまたかけていく。…懲りない子ね、いつまで経っても落ち着かない子。足音消すの苦手だったかしら?
着物を裂いて傷口を拭う。歯を食いしばって痛みにも耐える。そうひどい傷じゃなくてよかった。
戻ってきた後輩は手前でこけて、しこたま顔面をぶつけた。薬瓶が転がってくる。あーもう…どうしてこんな子、忍なのかしら。と言うかどうして私に押し付けられたのかしら。
「いてて…あっ、うわっ」
「…こっち来て、治療してちょうだい」
「あ…」
「怪我にも慣れなきゃいけないからいい機会よ」
「……は…はい」
こけた拍子に箱から散らばったものをかき集めて、彼は近付いてくる。一瞬足を止めたのには目を閉じよう。私の傍に膝をつき、自分の首に巻いていた布を外す。何かと思えば私の体にかけた。思わず呆れてしまう。
「変な子」
「だ、駄目ですよ、女性がそうやって無防備にしちゃ」
「……」
お馬鹿さん。やっぱりあなたは忍に向いてない。くノ一が何をするか、知らないわけじゃないだろうに。
おぼつかない手付きで、それでも流石に治療の仕方はわかるらしい。消毒液に彼の方が顔をしかめながら治療をどうにか終える。
…憎めないなぁ。どうしよう、可愛い。
この世界に入ったのはいつか忘れた。もう過去のことは捨てたから。
彼が入ってきたのはいつだったかしら?そんなに最近でもないような、結構前のような。あぁおかしいな、時間の感覚がなくなってる。
…彼といると調子が可笑しくなる。本当に変な子だ。
愛しい人よ、なんて言っちゃっていいのかな。
一生懸命、誠実で堅実。可愛いんだわ。弟ってこんなもんかしら。
「…先輩痛くないんですか?」
「痛いわよ」
「あ、ごめんなさい…」
「…怒ってないから。言っとくけど今日はたまたまよ、普段は怪我なんかしないんだから」
「はい。先輩は俺達の自慢ですから」
「……」
思わず頭を撫でてやる。クエスチョンマークを浮かべて彼は笑った。
「ね」
「はい」
「この世界抜けたかったら言って」
「……」
「向いてないのわかってるでしょ」
「あっ…足手まといはわかってます!でもッ」
「やりたくないことしなくてもいいの」
「……」
「あと…そうね。2年待ちなさい。時代が変わるから」
愛しい人。
幸せになりなさいって言ってるのよ。
お馬鹿さんは首を傾げただけだった。
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