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言い訳置き場

言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。

2025'01.19.Sun
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2006'03.11.Sat
自分が人である瞬間をその時思い出して。



戦場から逃げ出して、たどり着いた場所が墓場だった。俺は墓場で死んでもいいんだろうか。汗と埃でベタベタの頭をかいて視線をめぐらす。

綺麗に掃除された墓の並ぶその場所は、静かに死を眠るにはふさわしく思えた。ただ俺がこんな場所に混ざってはいけないような気がして、早く離れなければならないと思った。だけど本当に、俺はこんな場所で死にたいと思ってしまって。



人の気配がして反射的に隠れる。馬鹿だな、こんなところにまで俺の敵がいるはずがないのに。安全だとわかったから鎧も刀も売り払ったのだから。

着物の裾。質のいいものだと一目で知れる。俺が隠れた墓の前で足を止めて、線香の匂いがしてきた。



話かける気はなかったのに、食べ物に釣られて声を出した自分が情けない。

食べる気があるということは、俺はまだ死ぬ気なんてさらさらないということだ。



あれから何年経ったのか。



「ババァー、米貸して、米!」

「…家賃払うなら貸してやる」

「家賃返せるならパフェ食いに行きます」

「胸を張るな!」



何だかんだで米を3合借りる。上で大騒ぎをしていたのが聞こえていたんだろう、既に準備してあった。

煙草をふかしながら水は出してくれる。面倒くさそうにしながら、昼間の夜の蝶は当たり障りのない会話をする。



結局この生命観溢れるババァに生かされた。

あーあ、もうちょっと若けりゃな。考えてることがもれたのか、机から米が姿を消した。
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