言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2006'05.23.Tue
外国製の小娘が。
言葉を誉めると練習したのです、と笑った。外国で言われる天使とはきっとこのような表情で笑うのだろう、と思う、さっき誰かがそう言った。
言葉を誉めると練習したのです、と笑った。外国で言われる天使とはきっとこのような表情で笑うのだろう、と思う、さっき誰かがそう言った。
「ワタクシ街を見たいの」
「城下町をですか?」
「ええ。とても賑やかだと聞きました」
「そうですね。ただ…今は、」
そよは兄を振り返った。一国の主である彼はしっかりした表情で頷く。
「凶悪な事件が起きたばかりで、街の治安はよくないのです。出歩くには危険でしょう」
「そんな…あ、いえごめんなさい、楽しみにしていたもので…」
まるで準備していたかのような涙に思わず顔をしかめそうになった。天使の涙に場は揺らいでいる。
栗毛色のふわふわの髪、青く澄んだ瞳に白い肌。レースがどっさりあしらわれた白いドレスは羨ましい。指先まで陶器のような、美しい人形。
「…土方、数時間だけ、どうだろう」
そよははっとして土方を見る。相変わらずの仏頂面だが、何を考えているのかわからない。
「…明るい間に少しの時間でよろしいのでしたら、護衛いたしますが」
「おぉ、そうか」
「但し行き先はこちらで指定します。よろしいですか」
「ええ!嬉しいわ、ありがとう!」
感激に立ち上がった少女は土方の元へ駆け寄った。流石の土方も動揺し、どう扱っていいのか迷って手が泳いでいる。
「で、では…山崎、支度を」
「はっ」
そばについていた隊士が立ち上がり、土方も一緒に腰を上げる。手を少女に差し出し、彼女をそっと立たせた。少し触れただけでも壊れそうだ。
彼女は甘い匂いがする。さっき挨拶をしたときに。自分がどんなに好きな香を焚いたか忘れたほど。
「ありがとう」
「いいえ。山崎、お連れして。殿はどうなさいますか」
「人手を増やしては大変だろう。そよも残らせる」
「では」
山崎と一緒に異国の姫は部屋を出た。外国人の年はわからない。自分と同じ頃に見えるが、あれで年下らしい。
私も部屋へ戻ろう、兄は共を連れて部屋を出た。残ったのは、土方と。
「…美しい姫ですね」
「ええ、実に」
「……」
こんな子どもっぽい態度は取りたくないのに、可愛くないことばかりしてしまう。
土方が手を差し出し、それを取って立ち上がった。ちらりと見上げると彼は笑い、そよの髪を一房取って口付けをする。
「藤」
そよが目を丸くしたのを見ないふりをして、あんな乳臭ぇガキの子守なんざついてねぇ、切腹ものなことを呟く。
「さぁ部屋までお送りしましょう」
「…あなたは行かなくてよろしいの」
「あなたが先だ」
「城下町をですか?」
「ええ。とても賑やかだと聞きました」
「そうですね。ただ…今は、」
そよは兄を振り返った。一国の主である彼はしっかりした表情で頷く。
「凶悪な事件が起きたばかりで、街の治安はよくないのです。出歩くには危険でしょう」
「そんな…あ、いえごめんなさい、楽しみにしていたもので…」
まるで準備していたかのような涙に思わず顔をしかめそうになった。天使の涙に場は揺らいでいる。
栗毛色のふわふわの髪、青く澄んだ瞳に白い肌。レースがどっさりあしらわれた白いドレスは羨ましい。指先まで陶器のような、美しい人形。
「…土方、数時間だけ、どうだろう」
そよははっとして土方を見る。相変わらずの仏頂面だが、何を考えているのかわからない。
「…明るい間に少しの時間でよろしいのでしたら、護衛いたしますが」
「おぉ、そうか」
「但し行き先はこちらで指定します。よろしいですか」
「ええ!嬉しいわ、ありがとう!」
感激に立ち上がった少女は土方の元へ駆け寄った。流石の土方も動揺し、どう扱っていいのか迷って手が泳いでいる。
「で、では…山崎、支度を」
「はっ」
そばについていた隊士が立ち上がり、土方も一緒に腰を上げる。手を少女に差し出し、彼女をそっと立たせた。少し触れただけでも壊れそうだ。
彼女は甘い匂いがする。さっき挨拶をしたときに。自分がどんなに好きな香を焚いたか忘れたほど。
「ありがとう」
「いいえ。山崎、お連れして。殿はどうなさいますか」
「人手を増やしては大変だろう。そよも残らせる」
「では」
山崎と一緒に異国の姫は部屋を出た。外国人の年はわからない。自分と同じ頃に見えるが、あれで年下らしい。
私も部屋へ戻ろう、兄は共を連れて部屋を出た。残ったのは、土方と。
「…美しい姫ですね」
「ええ、実に」
「……」
こんな子どもっぽい態度は取りたくないのに、可愛くないことばかりしてしまう。
土方が手を差し出し、それを取って立ち上がった。ちらりと見上げると彼は笑い、そよの髪を一房取って口付けをする。
「藤」
そよが目を丸くしたのを見ないふりをして、あんな乳臭ぇガキの子守なんざついてねぇ、切腹ものなことを呟く。
「さぁ部屋までお送りしましょう」
「…あなたは行かなくてよろしいの」
「あなたが先だ」
PR
Post your Comment
カレンダー
カテゴリー
最新記事
ブログ内検索
アクセス解析
アクセス解析