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言い訳置き場

言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。

2025'01.19.Sun
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2008'04.24.Thu
「あれっ、杉くん学校で見るの久しぶり!」

「……俺ァ一応高校生なんだよ」



山崎がそうだっけ、とへらへら笑い、次の瞬間その頭を殴りつけた。脳の揺れた感覚に山崎はその場にしゃがみ込む。



「久しぶりに出てきたかと思えば校内暴力か」



教室から顔を出した土方に顔をしかめる。うるさいのが出てきた。



これでもそう言うほど不真面目ではないと自分では思っている。学校へ来て教室に入るのはその半分ほどだが、来ていないイメージが強いだけで出席日数はクリアしている。要は高杉に構いたいだけなのだ。山崎はじゃれているだけ、土方は高杉が気に食わないだけで。



「なんだ高杉、来ていたのか」

「……今度はヅラか」



うっとうしい長髪を引っ張ってやる。イジメはいけないアルヨ、いまいち正体の掴めない留学生が頬をいっぱいにして弁当を咀嚼していた。妙に腹が立って鼻フックをしかけると後ろで拍手が起こった。振り返ると沖田だ。



「あんたとの試合預けたままなんでィ。今日は放課後までいろよ」

「ちゃんばらごっこにつき合ってる暇はねえよ」

「じゃあ今ここで」



振り降ろされた竹刀を腕で受け、おろおろしている山崎を横目に払い落とす。臨戦態勢に入ったふたりに土方が溜息をついた。



「あっら〜高杉くんじゃない、いい加減真面目に学校いらっしゃいな」

「邪魔だ!」



背後から肩を叩いてきた人間を掴み、それをそのまま引っ張った。凶器にしようと沖田へ向けての背負い投げに、彼は口笛を吹く。身軽に避けた沖田の目の前を足が踊り、ひとりの人間が廊下に叩きつけられた。



「あ……」



廊下にのびたのは担任教師だった。飛んできた便所スリッパを受け止めた沖田と目を合わせ、高杉は銀八を越えて走り出す。沖田もスリッパを土方に投げつけて一緒に逃げ出し、ふたりの後を山崎が慌てて追いかけた。スリッパをぶつけられた土方もすかさず沖田を追う。

後に残った神楽がそばにしゃがみ込み、銀八の頬をフォークでつついた。



「銀ちゃん大丈夫?」

「な……何事……?」

「ちょっとした家庭内暴力ネ」

「……俺……あんなでかいガキいらねえ……」
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2007'12.12.Wed
「……何してんのあんたァァァ!」



叫んだ瞬間に山崎は沖田をひっつかんだ。そのまま一目散に場から逃げ出す。世にもおぞましい女装メイドも見目麗しい浴衣美人も素人メイキャップのドラキュラも突き飛ばし、こんなお祭り騒ぎの日でも――だからこそと言うべきか――一応立ち入り禁止とされている屋上まで、一気に走り抜けた。



人いきれから抜け出して、掴んだままの沖田を振り返る。さすがに髪を乱してはいるが涼しい顔だ。――確かに、沖田だ。山崎は改めて叫ぶ。



「何してんすか!」

「いやーこんな騒ぎだったらバレねえかなと」

「だったら仮装でもしたらどうですか!」

「ああ!」

「……あーもう……疲れた……」



体の力が抜けてフェンスに体を預けた。模擬店のテントと人間でひしめき合っているグランドを見下ろす。

――今日は文化祭。ひと月の準備期間を経て開催となった当日は、今のところ問題もなく過ぎている。いや、今まではと言うべきか……山崎は沖田を見た。一昨日だ、彼が自宅謹慎を食らったのは。会う機会がなかったので詳しい話は聞いていないが、前日準備に費やした昨日を含め、バッチリ文化祭期間、外出禁止のはずである。



「何しに来たんすか〜」

「んー、……なんつーか、最後だし」

「……最後の文化祭前に問題起こしたのは誰ですか」

「俺」

「まったく……」

「あーあ!ダンス練習したのに!」



沖田が見ている先は後夜祭のためのスペースで、昼間は解放されていたが夕方になってからは人払いされている。各クラス・部活・有志の練習と同時進行で、体育などを活用して練習していたフォークダンス。夜にはあの場所で自由参加でフォークダンスが行われる。会場整備をしているのは土方だろうか。



「……誰か踊りたい人でもいたんですか」

「別に。堂々と女触れりゃ上等でィ」

「うっわ!あんた最低、謹慎して正解」

「何人かに誘われてたんだけどなー」



溜息をつく沖田を見て山崎も溜息をつく。黙っていれば男に惚れられてもおかしくないぐらいきれいな顔をしているくせに、腹の中は真っ黒だ。一体どんな悪さをしたのか聞きたくはない。



「俺と、踊りますか」

「は?」

「ここで」

「うっわ、最低な思い出じゃねえか」



山崎を見た沖田は露骨に嫌そうな顔をした。今更そんなことでは傷つかない。



「俺どうせ女役にされてましたから、いいですよ」

「なんでぇ、あ、お前生徒会にこき使われてたもんな」



男子指導として女子サイドも覚えさせられた。今日も参加人数次第で強制的に入れられるだろう。



「せっかく練習したらな、気分だけでも。んで、見つからないうちにさっさと帰って下さい」



手を取って自分の腰に運び、もう一方をつないで持ち上げる。表情を伺って笑いかけると諦めたように溜息をついた。リズムをとって足を動かすと、思いがけず沖田も合わせて動く。口だけではなかったらしくエスコートもしっかりしていた。何を考えているのかわからない沖田を見ながら、足だけは機械的ともいえるほど正確にステップを踏む。



調子に乗って鼻歌さえ歌い出した頃、不意に沖田が口を開く。山崎、名前を呼ばれた拍子に足が絡まり、よろけたのを沖田が支えた。まるで決めポーズのような体勢で、沖田がのぞき込んでくる。



「沖田さん?」



顔が近い、思った瞬間には唇が触れている。ぎょっと目を見開き、フリーズした山崎を手放して沖田が屋上を飛び出していく。



「……やられた!」
2007'07.27.Fri
「帰って来ねーと思ったら……!」

「はは……まあ、何もなくてよかったってことで」

「ったく……銀さんだって暇じゃねーのよ」



眼下で眠る神楽を前に、銀時は盛大な溜息を吐く。人の気も知らずにいい気なものだ。



いつまで経っても神楽が帰ってこない、と新八が言い出したのは1時間ほど前だ。昼にも帰ってないらしく、お腹が空いたら帰ってくるの法則から外れたことは今まで滅多になかったからさすがに心配になって探しに出た。

どうやらこの嫁入り前の娘さんは、昼からずっとここで寝ていたらしい。どこの誰が作ったのか知らないが、公園の奥まったところにハンモックが張ってある。



「神楽ちゃん、起きなよ。なんでこんなとこで寝てんの?」

「ん〜……あれ、新八お早う」

「お早うじゃないよ、帰ってこないから心配したじゃん」

「ったく、面倒な小娘だな」

「だって靴がないアル」

「靴?」

「真選組のワンちゃんに持って行かれたヨ。警察のくせに泥棒ネ!訴えてやる!」



またあいつとか。立派な社会人のくせにいつまで神楽に構うつもりなのだろう。いや、あの若さであんな仕事をしているからこそ神楽ぐらいしか付き合える相手がいないのだろうが、構い方が子どもすぎる。



「銀ちゃんおんぶ」

「はあ?」

「だって靴がないヨ」



膨れっ面の神楽に溜息を吐く。昼間はアスファルトが熱くて裸足では帰れなかったらしい。どうやら沖田との一戦は納得のいかないものだったらしく、寝起きではあるがそれ以上に膨れっ面だ。



「……しゃーねえなあ……新八は先に定春連れて帰ってろ、俺こいつつれて真選組行ってくるわ」

「怪我しないで下さいよ」

「喧嘩前提みたいな言い方やめてくんない」



神楽が飛びついてきて一瞬首が締まった。意識が飛びかけてついさっきの発言を後悔する。上機嫌の神楽を背中に乗せて、新八と別れて真選組の屯所へ向かう。



「わーい!おんぶ!」

「暴れるな!叩き落とすぞ、クソ……グラマーなお姉ちゃんならともかくこんなぺったん、イテッ、神楽ちゃんやめなさい!ハゲる!」

「レディーに対して失礼ヨ!」

「レディーは公務員と喧嘩しません!」



捨てていきたくなりながら、一度言い出したことなので神楽に引く気配がない。仕方なく背負ったまま屯所の前についた。



「はい神楽ちゃん、ご指名」

「出てこい童貞ー!」



最低の誘い文句を大音量で叫ぶと、すぐに土方が飛び出してくる。お前童貞なの!?にわかに喜んだ銀時に土方が思わず手を挙げる。



「人んちの前で何叫んでんだ!しょっぴくぞ!」

「お前んちの童貞が私の靴盗んだアル!今すぐ返したら酢昆布1ヶ月分で許してやるヨ」

「……総悟かあ?あいつァ何してんだ」



一緒に出てきた山崎に呼んでくるように伝え、土方は呆れた様子で煙草に火をつけた。それから神楽と銀時をうさんくさそうに見比べる。



「そうしてると親子だな」

「俺は失敗したことはありません。お前なんかホラ水子霊いっぱいついてそうだけど」

「まあそれぐらいモテはするが俺はお前みたいにお気楽な立場じゃないんでなあ」

「やっぱり童貞!?」

「ちげえ!」

「呼びましたか童貞」

「たたっ斬るぞ……」



ようやく出てきた身内の敵を睨みつける。靴返せヨ、神楽の抗議に沖田は顔をしかめた。胡散臭そうに銀時と神楽を見比べる。



「何ですかィそれ」

「テメーのせいだよ。結構重いんだから早く靴ちょうだい」

「んなもん捨てて来やした」

「ちょっ……」



銀時の抗議より早く神楽の蹴りが飛ぶ。庭で騒ぎだしたふたりを見て溜息を吐いた。軽くなった肩を回す。しばらくしたいままにさせておき、途中で土方の手首を掴んで時間を見る。



「神楽ーぁ、そろそろ帰るぞー」

「はーいっ!」

「何しに来たんだお前ら」
2007'07.10.Tue
「誰だ山崎酔わせた奴ァ!」

「だらしない顔がいっそう緩んでますぜィ」



山崎の膝に頭を預けた土方も大概酔っているのだろう、にやにやしながら山崎の手を握っている。気持ちの悪いおっさんだな、途中参加でまだ余裕の沖田は冷ややかな目で土方を見た。



それにしても、山崎が酔うのは珍しい。ほろ酔いで足がふらつく程度のことは今までにもあったが、──横目で山崎を見ると目が合って、ばっちんとウインクを飛ばされる。初めは驚いたが、何か意図があるわけではなく無差別らしい。あちこちから山崎を呼ぶ声がして、そのたびに律儀にウインクで応えているようだ。



「あっ、沖田たいちょうも膝枕してあげましょうか!」

「いらねえ」

「いいからこっち来て下さいよお」



うとうとしていた土方を膝から転がり落とし、山崎は沖田を引っ張る。男の膝枕なんざ嬉しくねえ、沖田の抵抗に大丈夫ですからと返されまるで会話にならない。結局無理やり引き倒され、膝に頭を載せられる。



「お前、タチの悪い酔い方すんのな……」

「何ですかあ?」



子守でもしているつもりなのか、沖田の口にするめを差し込む山崎の顔は緩みまくっている。所詮こいつも人の子か。筋肉のついた膝はかたい。ちっとも嬉しくないが、髪をすいて額を撫でる山崎の熱い手が妙に心地よかった。



起き上がった土方が恨めしそうに沖田を見ていたが、そのうち山崎の隣に座ってべたりと体を預けていた。今事件があったら面白いのに、テロリストに教えてやりたい。



「たいちょおはいい子ですねー」

「当然だろィ、どっかの変態と一緒にすんな」

「よしよし。はいあーん」

「……」



口に放り込まれたピーナッツを噛み砕く。どうしてだか無性に泣きたくなったのは、山崎が妙に女々しくて気持ち悪いからだということにしておこう。







妹の酔い方は膝枕の強要+無差別ウインクらしい。
2007'04.20.Fri
「ハトも宙返りするらしいです」

「は?」

「昔スキナーって人がハトに宙返りさせたことがあるんですって」

「それが?」

「ご褒美って言うものはすごいと思いません?ハトに宙返りさせちゃうんですから」



山崎の笑顔に土方はしばらく考える。回りくどい言い方は怒っている証拠だ。



「…しょうがねえなあ、今度の仕事が終わったらラブホにでも連れてったらぁ」

「休み寄越せっつってんです」

「却下」

「俺ひと月も休みなしで働かされてんですよ!?出るとこ出たら勝てますよこれ!」

「稼げていいじゃねえか」

「あんたと違って俺は薄給なんです」



めんどくせえな、と顔に出してみても山崎は引かない。機嫌が悪いのでこっそり勤務表を確認してみるが、確かにずっと休みがないようだ。あっても夜勤の次の日の午前中だけだとかで、丸一日の休みと言うのは大抵潰れている。山崎が一番使い勝手がいいので思わず呼んでしまうのだ。



下手に働きすぎで倒れられても困る。それでも素直に山崎の言うことを聞いてやるのは癪だ。自分が「使える=便利な」人間だと自覚してからは特に生意気になってきている。



「そんなに餌が欲しきゃサーカスにでも行って宙返りしてろ。可愛がってくれるだろ」

「……」



黙って立ち上がった山崎は、やはり黙って部屋を出る。障子を開けたまま庭へ降りたのを目で追えば、土方が見ているのを確認し、そして軽く体を伸ばす。



何を、口を開きかけた瞬間、山崎が飛んだ。猫のようにしなやかな体が宙を舞い、弧を描く。砂埃もあげぬ着地をした後、山崎は再び笑顔を向けた。



「サーカス団にでも転職します。あとで辞表もってくるんで、よおっく考えといて下さいね」



満面の笑みを残し、山崎はその場を去っていく。



(……おっかねえ〜……)
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