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言い訳置き場

言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。

2025'01.19.Sun
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2006'08.27.Sun
あっと気付いた瞬間には地面に叩きつけられていた。教訓、高いところで昼寝はするな。



(……やべぇ、足首イった)



だっせぇの。足首を押さえ、地面に転がったまま沖田は溜息を吐く。疲れが溜まるとどこでも寝てしまうから厄介だ。子どものようで、自分のこの性質は好きじゃない。



「たいちょーう、何してんスかぁ?凄い音しましたけど」

「落ちたァ」

「またそんな……大丈夫ですか?」



縁側から山崎が降りてくる。隠そうとしたのをめざとく見つけ、山崎が足首を掴んだ。



「セクハラ」

「何やってんですか」

「木から落ちた」

「なっ…それで頭がすっからかんに!」

「お前一生半殺しな」

「何スかその拷問」



問答無用で沖田を抱き上げ、そのまま部屋へ向かう。お前ナチュラルに姫だっこすんのやめてくんない?今更言っても遅いので、沖田はタイを弄ぶ。



「急速に恋に落ちるとき、人は笑うと思う?」

「……ほんとに頭打ちました?」

「だって絶叫マシン乗ってる奴って笑うじゃねぇか」

「ああ、そうですねぇ……俺も昔、笑ったなぁ」

「恋に落ちたとき?」

「木から落ちたとき」
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2006'08.25.Fri
「くたばれ猿女!」

「こんないい女捕まえて猿とは失礼ネ!」



傘を刀に見立てて沖田の得物と交差させる。競り合って睨み合って、相手が引くのを待った。



「ぴょんぴょん逃げやがって、猿みたいじゃねぇか」

「オマエこそ、近寄ったら逃げる雀みたいヨ」

「うるせぇなッ」



力で押し勝って、沖田が刀を振り下ろす。跳んで逃げた神楽は壁を蹴り、すぐさま沖田に傘を突きつける。沖田とて百戦錬磨の剣士、そこは切っ先だけで抑えて笑った。

真剣勝負ではあるものの、お互い本気の殺意があるわけではない。それもあってか、ふたりの周りには大道芸か何かのように人だかりができ、時折拍手さえ起こる。



近寄ったら飛んで逃げる、この男に惹かれている自覚はあった。だからこうして真剣に相手をする。越えられないものがあるのを知っているから。



ちょっかいを出すと跳んで逃げる、この女に惹かれている自覚はあった。だからこうして真剣に刀を向ける。乗り越えたいものがあるから。



「総悟、何やってんだ」

「────チャイナ、預けた」



試合を放棄して沖田は刀をしまった。声の主はさっさと歩き出していて、沖田はそのあとを追う。



(すぐ飛んでいく)



ニコチン野郎、いつもうまく邪魔しやがって。
2006'08.23.Wed
「早くしろよ」

「……」



裏門を前に妙は立ち止まった。土方は簡単に向こう側へ飛び降りる。



「そんなに高くねぇだろ」

「まぁ…無理じゃないんだけど」



パンツが見えるんじゃないかしら。今日はいている下着を思い出そうとするが浮かんでこない。



こっそりふたりで教室を抜け出した。約束も目的も、ついでに言えば金もない。何がしたいのかなんてお互いわからず、馬鹿なことをしていることは承知の上だ。



「…あっち向いててくれる?」



ようやくわかったらしい土方は大人しく妙に背を向けた。弟とも違う背中を見ながら、門に足をかけて上へ上がる。パンツは白だった。ついでに下着が揃いでないことを思い出す。



「…どこへ行くの?」

「…いいから降りて来いよ」



不意をついて手を伸ばし、捕まえた土方に乗るように門を降りる。土方が呻き、しかしどうにか持ちこたえる。



「私遊園地に行きたい。真っ逆様に落ちる奴に乗るの」

「ふざけんな」
2006'08.21.Mon
絶対怒られる。



予定より遅れた戻りに急かされて帰れば、門前には腕を組み、難しい表情をした近藤が待ちかまえていた。あんな姿は見たことがない。やはり自分のしくじりはひどい痛手だったのだろう。



「局長……」

「……ひどい怪我だな」

「……すいません」

「報告の前に手当していけ」

「はい」
2006'08.19.Sat
「退!早く!」

「はいはい」



小さな手に引っ張られ、山崎はかがんだ状態でついていく。道場では手合わせの最中で、まだ幼いながらも総悟も参加することになっている。買い物へ行くのに着いてきていたので遅れてしまったが、他人の試合に興味のない総悟には問題ないらしい。



「終わりやしたか」

「おせぇ」

「へい、遅れやした。とっととやりやしょうや、土方さん倒して俺ァ退とおやつの時間だ」

「クソ生意気な……」



一通りの手合いは済んでいるようだ。なめてんのか、木刀を肩に、土方が仁王立ちで総悟を睨んだ。そう言う土方とて似たようなものだ。他の人間は袴をはいているのに対して着流し一枚、それも裾を帯に挟んでからげている。



さっさと終わらせてくらァ、幼い手を離し、かがんだ山崎の肩を叩いた。笑って木刀を差し出す。



「行ってらっしゃい」

「…行ってくらァ」



立ち上がりかけた山崎の着物を掴み、総悟が引き止める。そうかと思えば少年は背伸びをし、ほんの一瞬、彼の唇が山崎の頬に触れた。一瞬だったのは思ったより遠かったせいらしく、不本意な表情で総悟は土方の前へと歩いていく。



「……テメェ、何の真似だ……」

「おまじないでさぁ」

(……だからほら……見つかるって言ったじゃん)



先日の戯れを見ていたのだろう。子どもは神出鬼没だ。

怒りをたぎらせる土方と違って山崎は冷静に試合を待った。



その結果はと言えば辛うじての土方の勝利。思えば心理操作的には負けていたのだろう。

子どもらしい切り替えで、既に試合結果を気にしていない総悟は山崎が切り分ける羊羹に意識が集中している。俺それ!そのでかいの!はしゃく総悟に土方は顔をしかめる。



「はいどうぞ。近藤先生にも持っていくので先に食べてて下さい」



山崎と一緒に土方は部屋を出る。いります?と仕草で示すが首を振られた。



「なんで拗ねてんですか」

「別に」

「……」



土方の裾を引いて引き止めて、彼が振り返った瞬間に唇を寄せる。しかし触れないまま山崎のかかとは床へ戻った。



「……失敗」

「……バカか」



かがんで唇を合わせた。総悟の視線にはふたりとも気づかない。
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