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言い訳置き場

言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。

2025'01.19.Sun
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2006'08.17.Thu
すかーんと晴れ渡った空は落ちてきそうだ。なんかもう、どうにでもなれ。まぶしさに目を閉じて溜息を吐く。じりじりと肌が焼け付く感触。俺にふさわしいのはクーラーのかかった図書室よりも、むせかえる熱気のコンクリートジャングルだ。



学校の屋上ど真ん中、大の字に体をのばして目一杯日差しを浴びる。仰向けに寝るとまぶたを透かしても夏の太陽は浸食してきた。鞄から手探りでプレイヤーを引っ張り出して、グランドから聞こえる部活のかけ声を大音量で遮る。



ふっと顔の上を影がよぎった。風があるから雲が流れてきたのだろうか。日差しが遮られただけでも随分温度が変わる気がする。



次の瞬間、何かが唇に触れて目を開けた。なんだ起きてやがった、声は聞こえないが口元だけで読み取れる。ぼんやりしながらヘッドホンを外した。



「……総悟、今何したの」

「ちゅー」



もう一回、言おうとした山崎の先手を取って、沖田は隣に横になった。同じように仰向けに寝て、まぶしさに目を細めている。雲の影がふたりを舐めていった。



「…ちゅー」

「したきゃしやがれ」



されたいんじゃないか。それでも山崎は体を起こした。
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2006'08.15.Tue
お疲れさまです、墓の前で敬礼。



入隊した頃はまだ治安も悪く、緊急出動なんてしょっちゅうで、血を見ない日なんて数えるほどだった。だからあの頃と比べると、時代は着実に平和へ向かっている。例え見かけだけだとしても。



それでも事件は起こる。人も死ぬ。仲間だったり敵だったり。



「俺はいつ死ぬんでしょうか」

「…お前が死んでねぇのは不思議だな」

「それは俺も思います」



暗い空を仰ぎ見る。これからまた、ひと仕事だ。



「山崎、行くぞ」

「──はいよ」
2006'08.13.Sun
「ヤらせて下さいッ」

「死ね」



土下座した男の顔を蹴り上げ、沖田はふんと鼻で笑った。顔を押さえて悶絶する後頭部を更に踏みつける。



「誰に向かってオネガイしてんだ?まぁだ頭が高ぇんじゃねぇか?あぁん?」

「す、すんませ」

「もっと下げられるだろ、ほらほらほら」

「お前…それ以上は死ぬぞ」



頭蓋骨の軋む音がした。土方によって救出された彼は後にそう語る。

つまんねぇの、と沖田は口をとがらせた。土方は溜息を吐くしかない。



「なに?お前らできてるんじゃなかったのかよ」

「土方さんバカですねィ」

「やるかコラ」

「俺が山崎のこと本気で好きだとでも思ってんですかィ」

「……」



おもちゃか…まだダメージから回復しない山崎を同情の視線で見ると、彼当人は理解せずに首を傾げた。



「というわけだ山崎、顔洗って出直しな」

「はいっ!」



山崎の敬礼を受けて沖田は颯爽と去っていく。見かねた土方が山崎にティッシュを差し出した。鼻血ぐらい拭いてくれ、というよりも、どうしてこうまでされて平気なのだろう。



「お前そのうちマジで死ぬぞ」

「大丈夫です、沖田さんは照れ屋なだけですから」

「…ポジティブだなお前…」

「土方さんにはわかんなくていいですよ」



鼻血を止めながら山崎は笑う。土方が理解出来たのは、山崎がマゾだということだけだ。
2006'08.11.Fri
「山崎、ちょっとそこに膝をつけ」

「俺をひざまづかせて楽しいですか」

「……いまいちだった」



沖田は深く溜息を吐く。溜息を吐きたいのはこっちだ。山崎は立ち上がって、学校机でふんぞり返る沖田を見た。後ろの足だけで椅子のバランスをとっている。学ランを王様風のガウンに見せるのは沖田ぐらいだろう。



「…やっぱり土方じゃねぇと…」

「あんた何をそんなに土方さんに恨みがあるんですか」

「さぁ、なんか未来まで許せねぇ」

「理由もなくそんなに!?」

「きっと過去からの因縁なんでさぁ…俺が殿様で、土方は謀反を企てた家臣」

「どっちかっつーとあんたのが部下っぽいですよ」

「……山崎はどうせ下っ端だよなぁ」

「何その失礼な物言い!」



椅子を正しい位置に戻し、沖田は土方の方を見る。ちょうど女子に代わって黒板を消すという少女漫画的なシーンで、露骨に顔をしかめたのを山崎が笑う。



「徳川さんこそ前世はお姫様って感じ?土方さんが膝ついて、忠誠誓うの」

「……様になりすぎてムカつく」

「はは」

「山崎以外で誰か俺にひざまずかねぇかなー」

「危険思想だなぁ」
2006'08.09.Wed
片や正座、片やあぐら…座り方ひとつで上下関係がはっきりするのは、畳文化ならではじゃないかと山崎はぼんやり考える。目の前の男は不機嫌で、それと言うのも自分の勝手な行動が原因ではあるのだけども。



「…副長」

「わかってんのか」

「自分のミスぐらいわかってます」

「その割には態度がでけぇじゃねぇか」

「お言葉ですが、あのときはあれがベストだと思いました。実際被害は最小限に留めてます」

「そういう問題じゃねぇだろうが!」

「…」

「一般人守るのは当然だ、仕事のうちだからよ。でもテメェが今日守ったのはうちの下っ端で、おまけにそのせいで主犯逃がしてるじゃねぇか!」

「ならば見捨てろとおっしゃるのですか!」

「おうその通りだ!自分さえ守れねぇような奴ここにはいらん!くたばったならくたばったで、真選組にふさわしくなかったってことだろうが!」

「それはあんまりです!」

「お前が文句言える立場か!くっだらねぇ怪我しやがって!」

「……」



思わず睨みつけると、土方も同様に返してくる。わかり合っているつもりでも、どうしても相容れない一瞬があるのは仕方がないのかもしれない。



「…とにかくお前は謹慎だ」

「副長!」

「いいから休んでろっつってんだ!また怪我の治らねえうちにふらふらしてたら承知しねぇからな!」

「……失礼します!」



正座からすっと立ち上がり、一瞬よろけた山崎は傷をかばうように部屋を出る。いつもよりゆっくりとした足音が遠ざかってから、土方はあぐらを解いて廊下を覗いた。そこにはもう影もない。

畜生、ずるずるとその場にしゃがみこみ、誰へとも知れず毒づいた。



何よりお前を失うのが一番怖いなど、どうして口にできようか。
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