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言い訳置き場

言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。

2025'01.19.Sun
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2006'10.26.Thu
睨まれている。睨まれるようなことは……したけど。



無言のまま射るようなその視線、もう何度感じただろう。これからもその視線とつき合っていくのだという確信があった。



「悪かったって」

「いいえー別に謝ってくれなくていいですよー。ぼーっとしてた俺が悪いんですからねー」

「拗ねんなよ」

「誰が?」



一際鋭い視線。この場合はこの裏側に照れが隠れているからまだ可愛い。



「大丈夫か?」

「大丈夫です!」

「拗ねた」

「違う」



たまりかねて笑い出す俺を一旦は睨みつけたが、そのうち諦めたように表情を緩めて溜息をつく。そうかと思えば次の瞬間には笑っていて、その衝撃に三上はしばらく言葉を失った。笠井か不審がってくる。



ストレートに胸を撃たれた。傷が癒えるのはいつの日か。



「あー痛かった……」

「痛いのは俺ですよ!人の頭にボールぶつけといて…」
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2006'10.02.Mon
力いっぱい蹴り飛ばす。鍛えた足はボールを飛ばし、思いを込められたボールはゴールネットへ向かっていく。そしてネットを揺らし、────というほど簡単ではないからおもしろいのだけど。



昔から確かに読書は好きだったが、それ一本だったわけではない。学校が終わればランドセルを置いて外に飛び出し、日が落ちるまで走り回った。



やっぱりサッカーが一番面白かった。思うように操れるまで練習し続け、地元のチームでもFWだった。



前へ 前へ。

地を蹴り風を蹴り魂を蹴り、そうしてただ前へ。



武蔵森へ進学してからはそれこそサッカー一色で、練習、なんてものではなかった。努力────今まで感じたことがなかった苦しさだった。藤代なんて厄介な後輩に翻弄され、更に厄介な感情に振り回され。



────どこで間違えたのかはわからない。サッカーだけに打ち込むはずだったのだ。



隣で寝入る、その厄介な感情を蹴り落とした。うなって床で悶えるのを黙って見ていると、そのうちこっちを睨んでくる。



「……すまん」

「殺意を感じる……」

「そんなものあればとっくに殺してる」



この足で、蹴り殺せればどんなにいいか。離せない思いを抱えて今日も起き出す。
2006'08.28.Mon
自分の陰を追ってくるくる回る。尻尾の先も捕まらないのに。



「久しぶりだなぁ猫〜!」

「三上先輩素直に気持ち悪い」

「お前はかわいくねぇ」

「ありがたい感想どうも」



ふたりのやり取りを、水野は呆れて眺めている。

中等部の後輩が遊びに来て、その際に寮で飼っていた三上の猫を連れてきたらしい。名目上は寮母が自宅で飼っているということになっていたが、実際拾ってきたのは三上であり、卒業するまでの餌代や、今日使ったキャリーなどの購入費用も三上から出ている。



「ねぇ水野、気持ち悪いよね」

「……ノーコメント」

「思ってるね」



三上の部屋では中西がごにょごにょしている、だとかで、猫は笠井の部屋に連れてこられていた。言葉通りの猫可愛がり、正直に言えば気持ち悪い。



三上はおみやげ、と藤代がぶっちぎってきた猫じゃらしで遊んでいる。あの人、気の毒だよね、誰も遊んでくれないから猫が遊んであげてるんだよ。賢い猫。堂々とした陰口を三上は無視している。



猫じゃらしをくるくる回している間に猫はヒートアップする。反射スピードが早くなるのと同時に、なんだかわからなくなってしまったらしい。自分の尻尾にじゃれ始め、それを追って回り出す。



「…バカな奴」

「…猫なんてこんなもんだよ」

「俺の猫はバカじゃねぇだろ」

「あ、すいませんバカは三上先輩でした」

「はいはいバカで結構」



部屋を出ていくタイミングを失ったな。水野は後悔する。しかしこの部屋にふたりを残すのは嫌だった。何をしているのか考えたくもない。



「俺は…昔はもっと、自信があったのに」

「…自信持ったお前なんか、怖いだけだ」



猫が尻尾を捕まえた。
2006'08.27.Sun
夜空を見上げて、あ然。何気取りだ。



「よう、久しぶり」

「ジュリエット気取りですか」

「すぐ降りる」



見上げた先、寮の2階から顔を覗かせている三上に溜息を吐く。裏手で待ってろと言ったのは自分の癖に。

そう思っていると、三上はおもむろに窓枠を乗り越えた。笠井が目を丸くする間に、三上は1階にわずかに出ているひさしを使って目の前に着地する。



「……訂正、ピーターパン気取りのバカ」

「そう言うなよ、練習したんだからよ」

「更に馬鹿」
2006'08.24.Thu
「……笠井…首…」

「行っちゃうから嫌です…」

「ぐ……」



死ぬかも。子どもとは言え立派な男子中学生、ぶら下がれると重い。首に回された手は殺意を持っているのだろうか。



「かさ……」

「行かない?」



身長差は武器だと思い知る。屈めばいいのだと思い当たり、笠井の足が地面に達するまで腰を曲げた。不満げに笠井が鼻を鳴らしたが、首に回した手は離れない。



「笠井」

「…いつまでもキャプテンにぶら下がってるだけじゃ駄目だって、わかってるんです」

「笠井」

「でも嫌だ……」



笠井の頭を抱きしめる。一瞬その体が硬直した。



「俺はぶら下がってもらうために大きくなったのかもしれないなぁ」

「……キャプテン、それあんまりうまくない」
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