言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2014'06.07.Sat
マルコ、甘い声が鼻孔をくすぐり、力が抜ける自分の体を叱咤してマルコはジャンを押し返した。それでもこんな弱い力ではマルコが本気で嫌がっていないことなど、きっとジャンには見抜かれてしまっている。少しだけアルコールの力を借りたジャンの熱い手がマルコの手の甲を滑り、カッターシャツの袖から指先を侵入させる。手首の骨をなぞられて、背筋を震わせた。
「マルコ」
力のないマルコの抵抗など物ともせず、ジャンは顔を寄せる。出会った頃よりも年を経て肉を落とした頬は男らしく、少し鋭い目は今は甘えるようにマルコだけを見つめている。マルコ、とただ呼ぶ声は、切羽詰まったものだった。
見ていたDVDはもう本編を終了し、メニュー画面のBGMをただ流している。これがもっと激しい曲であれば誤魔化したのに、別れのシーンに使われた曲は切なくもムード作りの役にしかたたなかった。
ジャンの体温を、拒めない自分がいる。
「マルコ、マルコ」
「ジャン、駄目だ」
「マルコ」
ほとんど伸し掛かるように、マルコはソファーに押しつけられる。額同士が触れて息を飲んだ。
「マルコ」
「駄目だ、ジャン、君にはアルミンがいて、僕にも」
「なんで駄目なんだよ。オレはまだ、マルコのことが好きだ。アルミンのことだって傷つけたいわけじゃない、それでも、どうしてお前もオレを好きなのに、触れちゃいけないんだ」
「ジャン、僕は」
「好きだろ、オレのこと」
「やめてくれ」
「マルコ」
言葉と共に熱い息がかかる。それと同時に泣きたくなる。それはもう何度も、自分に聞いて、答えを出してきたことだ。もうきちんと消化したはずなのに、ジャンの言葉ひとつ、仕草ひとつで呼び起されてしまう。
「マルコ」
「ジャン、駄目だ」
それでも、もう彼の目を拒めない。
震える唇が重なる。たった一瞬の熱でも焼けるように体が熱くなり、すぐにジャンを引き離そうとした手は先手を取ってジャンに捕まれる。さっきまでのじれったさが嘘のように、噛みつくようなキスは決定的で、もうふたりは自分を止めることができなかった。
お互いを強く抱きしめ、唇を合わせる。熱い息に溺れるように貪って、濡れた舌を絡ませあい、性急な手つきがもどかしく服を脱がしていく。その間も惜しむようにキスを深め、その合間にお互いの名前を呼び続けた。
あぁ、と深く、甘い声を上げる。
ジャンの唇が触れる場所から溶けていくように、マルコは劣情に溺れていった。
始めに拒んだのはマルコだった。ジャンが好きだという思いは、一生誰にも言わないつもりでいた。マルコには結婚を約束した彼女がいて、ジャンにも今はパートナーがいる。
それでも、理性では抑えられないほど、マルコはジャンを求めていたのだった。
「っていうジャンマル下さい」
「アルミン、正座」
マルコの言葉に何で、と不満を露わにしたアルミンをとにかくソファーに正座させた。隣で笑っていたジャンにも正座、と言い渡し、やはり不満そうなジャンにも同様に姿勢を正させる。マルコは深く溜息をつき、アルミンの「作品」をプリントアウトしたコピー用紙をテーブルに叩きつける。
「あのね、アルミン!」
「マルコはマルジャンがよかった?」
「オレどっちでもいいけど」
「ジャンは黙ってて」
自体はややこしく面倒くさい。マルコは感情任せに怒鳴りそうなのを押さえつけ、深く溜息をつく。
ジャンとの付き合いは長い。その間に、彼に告白をされたということは事実であった。ゲイであるジャンからの告白を、ただ男同士であるという理由で断ったわけではない。マルコにはジャンよりも長い付き合いの彼女がいて、結婚の約束をしていることも事実だった。そしてジャンの今のパートナーがアルミンであることも事実だ。
「あのね、どうしてこういうことになるの!」
「だって萌えたんだもん……」
かわいらしく拗ねてみせるアルミンに、マルコは何度目かわからない溜息をついた。アルミンは決して悪い人ではない。悪意があってこんなことをしているわけではなく、ましてやジャンやマルコを傷つけようとしているわけではないこともわかっている。しかし。
――腐男子って、やっぱりよくわからない。
「……とにかく、もう二度とこういうのは書かないでくれ」
「えー、オレも読みてえのに」
「ジャン!」
「マルジャンでもいいぜ?」
「もう君たちとの会話疲れる……」
マルコは頭を抱えて溜息をついた。ソファーで膨れっ面をしているアルミンが、自分の知らぬところで彼女と知り合って意気投合していることはまだ知らずにいるのだった。
「マルコ」
力のないマルコの抵抗など物ともせず、ジャンは顔を寄せる。出会った頃よりも年を経て肉を落とした頬は男らしく、少し鋭い目は今は甘えるようにマルコだけを見つめている。マルコ、とただ呼ぶ声は、切羽詰まったものだった。
見ていたDVDはもう本編を終了し、メニュー画面のBGMをただ流している。これがもっと激しい曲であれば誤魔化したのに、別れのシーンに使われた曲は切なくもムード作りの役にしかたたなかった。
ジャンの体温を、拒めない自分がいる。
「マルコ、マルコ」
「ジャン、駄目だ」
「マルコ」
ほとんど伸し掛かるように、マルコはソファーに押しつけられる。額同士が触れて息を飲んだ。
「マルコ」
「駄目だ、ジャン、君にはアルミンがいて、僕にも」
「なんで駄目なんだよ。オレはまだ、マルコのことが好きだ。アルミンのことだって傷つけたいわけじゃない、それでも、どうしてお前もオレを好きなのに、触れちゃいけないんだ」
「ジャン、僕は」
「好きだろ、オレのこと」
「やめてくれ」
「マルコ」
言葉と共に熱い息がかかる。それと同時に泣きたくなる。それはもう何度も、自分に聞いて、答えを出してきたことだ。もうきちんと消化したはずなのに、ジャンの言葉ひとつ、仕草ひとつで呼び起されてしまう。
「マルコ」
「ジャン、駄目だ」
それでも、もう彼の目を拒めない。
震える唇が重なる。たった一瞬の熱でも焼けるように体が熱くなり、すぐにジャンを引き離そうとした手は先手を取ってジャンに捕まれる。さっきまでのじれったさが嘘のように、噛みつくようなキスは決定的で、もうふたりは自分を止めることができなかった。
お互いを強く抱きしめ、唇を合わせる。熱い息に溺れるように貪って、濡れた舌を絡ませあい、性急な手つきがもどかしく服を脱がしていく。その間も惜しむようにキスを深め、その合間にお互いの名前を呼び続けた。
あぁ、と深く、甘い声を上げる。
ジャンの唇が触れる場所から溶けていくように、マルコは劣情に溺れていった。
始めに拒んだのはマルコだった。ジャンが好きだという思いは、一生誰にも言わないつもりでいた。マルコには結婚を約束した彼女がいて、ジャンにも今はパートナーがいる。
それでも、理性では抑えられないほど、マルコはジャンを求めていたのだった。
「っていうジャンマル下さい」
「アルミン、正座」
マルコの言葉に何で、と不満を露わにしたアルミンをとにかくソファーに正座させた。隣で笑っていたジャンにも正座、と言い渡し、やはり不満そうなジャンにも同様に姿勢を正させる。マルコは深く溜息をつき、アルミンの「作品」をプリントアウトしたコピー用紙をテーブルに叩きつける。
「あのね、アルミン!」
「マルコはマルジャンがよかった?」
「オレどっちでもいいけど」
「ジャンは黙ってて」
自体はややこしく面倒くさい。マルコは感情任せに怒鳴りそうなのを押さえつけ、深く溜息をつく。
ジャンとの付き合いは長い。その間に、彼に告白をされたということは事実であった。ゲイであるジャンからの告白を、ただ男同士であるという理由で断ったわけではない。マルコにはジャンよりも長い付き合いの彼女がいて、結婚の約束をしていることも事実だった。そしてジャンの今のパートナーがアルミンであることも事実だ。
「あのね、どうしてこういうことになるの!」
「だって萌えたんだもん……」
かわいらしく拗ねてみせるアルミンに、マルコは何度目かわからない溜息をついた。アルミンは決して悪い人ではない。悪意があってこんなことをしているわけではなく、ましてやジャンやマルコを傷つけようとしているわけではないこともわかっている。しかし。
――腐男子って、やっぱりよくわからない。
「……とにかく、もう二度とこういうのは書かないでくれ」
「えー、オレも読みてえのに」
「ジャン!」
「マルジャンでもいいぜ?」
「もう君たちとの会話疲れる……」
マルコは頭を抱えて溜息をついた。ソファーで膨れっ面をしているアルミンが、自分の知らぬところで彼女と知り合って意気投合していることはまだ知らずにいるのだった。
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