言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2014'07.13.Sun
「お帰りなさい」
「ただいま」
アルミンが出迎えると、ジャンはいつもと変わらない様子で顔を上げた。目を細めて口角を少し上げる、それが様になることを知っている。それでもアルミンは眉を下げて、ジャンの荷物を受け取った。ジャンはそのまま寝室へ向かっていったが、またすぐに様子を見に行かねばならないだろう。
荷物を置いて夕食を温めようか迷い、アルミンは先にジャンの様子を見に行くことにした。案の定ジャンは着替えることもせず、ベッドに突っ伏して脱力している。ジャン、と呼べばかすかに呻き声がして、ジャンは顔を上げてその正面を見た。
規則正しく、小さな寝息を繰り返す愛娘。そのふっくらとした手のひらに指先を握らせ、ジャンは深く息を吐く。
「お父さんお疲れ様」
ベッドに腰掛けて肩を抱く。少し酒の匂いがする。宴会の場は嫌いではないだろうが、ここしばらく仕事も忙しくしていたようなので流石に疲れていたのだろう。小さな体の温もりにまぶたの下がっていく様子を笑い、肩を叩いた。
「もうご飯いいね、着替えて寝ちゃいなよ」
「ん……風呂行く」
「え?」
「なんかいろんなにおいがする」
「……じゃあほら、沸いてるから」
ジャンを促して背を撫でればのそりと顔を上げる。体を起こし、縋るようにアルミンに顔を寄せてくる。確かに酒と香水、いろんな匂いがしてつい笑ってしまった。ジャンの頬を撫でて額を寄せる。
「こんなおっきい子どもお風呂に入れられないから。ちゃんと自分で立ってくれる?」
「ん」
一度力を抜き切ってしまったせいか、余計に体が重くなったようだ。そのまま寝てしまえば楽だったのだが、ジャンは立ち上がって浴室へ向かっていく。アルミンは娘にタオルケットをかけ直し、ジャンの着替えを持って追いかける。脱ぎ散らかされたスーツを拾って、ふと物音がしないことに気がついた。浴室のドアの向こうに肌色の影は見えるが、そのまま動かない。溜息をつき、アルミンはスーツだけハンガーにかけて再び浴室へと戻る。
アルミンが服を脱いでドアを開ける間もジャンはびくともせず、ドアを開けて始めてはっとして顔を上げた。
「あのねぇ、水場で寝ないでよ。怖いなぁ」
「……何これ、サービス?」
「はいはい、今回だけのサービスですよ」
汗と匂いだけ流してやれば十分だろう。椅子に座ったまま、眠い目をこするジャンの頭を越えてシャワーをひねる。手で温度を確かめてジャンの頭からシャワーをかけた。唸り声がするが気にせず髪を濡らし、適当に髪をかきまぜる。
「おい、オレ犬じゃねえんだけど」
「似たようなもんでしょ。目覚めた?」
「あー、自分でやる、悪い」
アルミンの手からシャワーを取って、ジャンは笑ってアルミンを見上げた。先ほどよりも覚醒した目に、わざと大きく溜息をついて見せる。
「おっきい赤ちゃんだこと」
「悪かったって」
「もういい?」
「なんだよ、折角脱いだんだから一緒に入ろうぜ」
「僕もう入ったの」
「いいじゃねえか。……つーか、できれば、見張ってて」
「……僕もまだ片づけ残ってるんだからねー」
「すぐ済ませる」
しぶしぶアルミンは浴槽に入り、体を洗い始めたジャンを見た。すぐに手が泊止まりそうになるので話しかけて、今日の飲み会で聞いた話や友人の話などを聞き出してどうにか睡魔を追い払う。
「そんなに眠いなら、もうお風呂諦めて寝ちゃえばいいのに」
「かわいい娘に臭いって言われたくねえだろー」
「……ああ、そう」
誰かの香水の匂いに嫉妬できない女でごめんなさいね。思わずぼやくとジャンは驚いた顔をして、すぐに肩を揺らして笑い飛ばした。
「何?」
「信用されてて何よりです」
「わかってていただいて何よりです」
「ただいま」
アルミンが出迎えると、ジャンはいつもと変わらない様子で顔を上げた。目を細めて口角を少し上げる、それが様になることを知っている。それでもアルミンは眉を下げて、ジャンの荷物を受け取った。ジャンはそのまま寝室へ向かっていったが、またすぐに様子を見に行かねばならないだろう。
荷物を置いて夕食を温めようか迷い、アルミンは先にジャンの様子を見に行くことにした。案の定ジャンは着替えることもせず、ベッドに突っ伏して脱力している。ジャン、と呼べばかすかに呻き声がして、ジャンは顔を上げてその正面を見た。
規則正しく、小さな寝息を繰り返す愛娘。そのふっくらとした手のひらに指先を握らせ、ジャンは深く息を吐く。
「お父さんお疲れ様」
ベッドに腰掛けて肩を抱く。少し酒の匂いがする。宴会の場は嫌いではないだろうが、ここしばらく仕事も忙しくしていたようなので流石に疲れていたのだろう。小さな体の温もりにまぶたの下がっていく様子を笑い、肩を叩いた。
「もうご飯いいね、着替えて寝ちゃいなよ」
「ん……風呂行く」
「え?」
「なんかいろんなにおいがする」
「……じゃあほら、沸いてるから」
ジャンを促して背を撫でればのそりと顔を上げる。体を起こし、縋るようにアルミンに顔を寄せてくる。確かに酒と香水、いろんな匂いがしてつい笑ってしまった。ジャンの頬を撫でて額を寄せる。
「こんなおっきい子どもお風呂に入れられないから。ちゃんと自分で立ってくれる?」
「ん」
一度力を抜き切ってしまったせいか、余計に体が重くなったようだ。そのまま寝てしまえば楽だったのだが、ジャンは立ち上がって浴室へ向かっていく。アルミンは娘にタオルケットをかけ直し、ジャンの着替えを持って追いかける。脱ぎ散らかされたスーツを拾って、ふと物音がしないことに気がついた。浴室のドアの向こうに肌色の影は見えるが、そのまま動かない。溜息をつき、アルミンはスーツだけハンガーにかけて再び浴室へと戻る。
アルミンが服を脱いでドアを開ける間もジャンはびくともせず、ドアを開けて始めてはっとして顔を上げた。
「あのねぇ、水場で寝ないでよ。怖いなぁ」
「……何これ、サービス?」
「はいはい、今回だけのサービスですよ」
汗と匂いだけ流してやれば十分だろう。椅子に座ったまま、眠い目をこするジャンの頭を越えてシャワーをひねる。手で温度を確かめてジャンの頭からシャワーをかけた。唸り声がするが気にせず髪を濡らし、適当に髪をかきまぜる。
「おい、オレ犬じゃねえんだけど」
「似たようなもんでしょ。目覚めた?」
「あー、自分でやる、悪い」
アルミンの手からシャワーを取って、ジャンは笑ってアルミンを見上げた。先ほどよりも覚醒した目に、わざと大きく溜息をついて見せる。
「おっきい赤ちゃんだこと」
「悪かったって」
「もういい?」
「なんだよ、折角脱いだんだから一緒に入ろうぜ」
「僕もう入ったの」
「いいじゃねえか。……つーか、できれば、見張ってて」
「……僕もまだ片づけ残ってるんだからねー」
「すぐ済ませる」
しぶしぶアルミンは浴槽に入り、体を洗い始めたジャンを見た。すぐに手が泊止まりそうになるので話しかけて、今日の飲み会で聞いた話や友人の話などを聞き出してどうにか睡魔を追い払う。
「そんなに眠いなら、もうお風呂諦めて寝ちゃえばいいのに」
「かわいい娘に臭いって言われたくねえだろー」
「……ああ、そう」
誰かの香水の匂いに嫉妬できない女でごめんなさいね。思わずぼやくとジャンは驚いた顔をして、すぐに肩を揺らして笑い飛ばした。
「何?」
「信用されてて何よりです」
「わかってていただいて何よりです」
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