言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2012'02.10.Fri
「これはなんですか?」
――正直に言うなら、油断していた。大学に上がった鉢屋を待ち受けていたのはかわいい恋人との逢瀬が減るという現実であった。受験期間を乗り越え、散々連れ回して遊んだ春休みも終わり。ひとり暮らしの生活は予想以上にもの悲しく、しかしまだ中学生の彼の門限は7時。距離の都合で塾への送り迎えもままならない今、鉢屋には楽しみが何もなかった。合い鍵は渡していたけれど使う機会は一向に訪れず、彼が真面目そうに見えていたずらもやってみせる性格だと忘れてしまっていた。まさか突然来るなんて。
――いや、何を言ってもだめだ。
山積みにされたAVを前に正座して、鉢屋は黙ったまま冷や汗をかく。どう説明をしたところで半端な嘘は彼にばれてしまうだろう。それは怒りをあおるだけだ。
鉢屋のかわいいお気に入り――黒木庄左ヱ門。目に入れても痛くないとばかりに可愛がる様子を知人はおじいちゃんと孫、と称した。実は正真正銘の恋人同士であることを知るものはほとんどいない。
「もう一度聞きますね。これはなんですか?」
それはもう、極上の笑みであった。彼の凛々しさも知的さもその笑みひとつがすべてを物語る。
「……文句あるならヤらせろよぉぉぉ!」
「開き直らないで下さい」
「君には悪いが私はもう18だ、現役バリバリ性少年だ、溜まるもんは溜まるし抜かないと夢見が悪い!」
「だからってこれはないでしょう!人妻!ナース!レイプ!野外!熟女!巨乳!女王様!JK!複数!レズ!」
「やめろぉぉぉ」
一枚ずつ広げていく庄左ヱ門に頭を抱える。きっと鉢屋が戻るまでにきちんと改めたのだ。下手すると何枚か再生しているかもしれない。いや、生真面目な彼のことだから、18禁の表示は守っているだろうか。
「一体どれがお好みなんですか」
「どれでもない!私の話を聞いてくれ」
「……一応聞きましょう」
「君がいい」
「……」
「君の手の感触を思い出して抜いた後の罪悪感はもう嫌だ」
「それは聞きたくなかったです」
「君が嫌だというのなら二度としない」
「……」
まっすぐ見つめると庄左ヱ門は溜息をついた。鉢屋がびくりと肩を揺らすと苦笑する。
「すみません。かっとなりました。ぼくはまだわかりませんが、男には必要だとわかっています」
「へ?」
「鉢屋先輩がちゃんとぼくのことを大切にしてくれていることは知っています。少しだけ妬きました」
恥ずかしそうに笑う庄左ヱ門をぽかんと見た。さっさとAVを片づけながら、庄左ヱ門は言葉を続ける。
「先輩が先に行っているのが悔しくて。もう少しだけ、ぼくが大人になるのを待っててくれませんか」
「ッ……」
じわり、と顔が熱くなる。一枚も二枚も上手なのは、自分を子どもだと言う君の方なのに。
――正直に言うなら、油断していた。大学に上がった鉢屋を待ち受けていたのはかわいい恋人との逢瀬が減るという現実であった。受験期間を乗り越え、散々連れ回して遊んだ春休みも終わり。ひとり暮らしの生活は予想以上にもの悲しく、しかしまだ中学生の彼の門限は7時。距離の都合で塾への送り迎えもままならない今、鉢屋には楽しみが何もなかった。合い鍵は渡していたけれど使う機会は一向に訪れず、彼が真面目そうに見えていたずらもやってみせる性格だと忘れてしまっていた。まさか突然来るなんて。
――いや、何を言ってもだめだ。
山積みにされたAVを前に正座して、鉢屋は黙ったまま冷や汗をかく。どう説明をしたところで半端な嘘は彼にばれてしまうだろう。それは怒りをあおるだけだ。
鉢屋のかわいいお気に入り――黒木庄左ヱ門。目に入れても痛くないとばかりに可愛がる様子を知人はおじいちゃんと孫、と称した。実は正真正銘の恋人同士であることを知るものはほとんどいない。
「もう一度聞きますね。これはなんですか?」
それはもう、極上の笑みであった。彼の凛々しさも知的さもその笑みひとつがすべてを物語る。
「……文句あるならヤらせろよぉぉぉ!」
「開き直らないで下さい」
「君には悪いが私はもう18だ、現役バリバリ性少年だ、溜まるもんは溜まるし抜かないと夢見が悪い!」
「だからってこれはないでしょう!人妻!ナース!レイプ!野外!熟女!巨乳!女王様!JK!複数!レズ!」
「やめろぉぉぉ」
一枚ずつ広げていく庄左ヱ門に頭を抱える。きっと鉢屋が戻るまでにきちんと改めたのだ。下手すると何枚か再生しているかもしれない。いや、生真面目な彼のことだから、18禁の表示は守っているだろうか。
「一体どれがお好みなんですか」
「どれでもない!私の話を聞いてくれ」
「……一応聞きましょう」
「君がいい」
「……」
「君の手の感触を思い出して抜いた後の罪悪感はもう嫌だ」
「それは聞きたくなかったです」
「君が嫌だというのなら二度としない」
「……」
まっすぐ見つめると庄左ヱ門は溜息をついた。鉢屋がびくりと肩を揺らすと苦笑する。
「すみません。かっとなりました。ぼくはまだわかりませんが、男には必要だとわかっています」
「へ?」
「鉢屋先輩がちゃんとぼくのことを大切にしてくれていることは知っています。少しだけ妬きました」
恥ずかしそうに笑う庄左ヱ門をぽかんと見た。さっさとAVを片づけながら、庄左ヱ門は言葉を続ける。
「先輩が先に行っているのが悔しくて。もう少しだけ、ぼくが大人になるのを待っててくれませんか」
「ッ……」
じわり、と顔が熱くなる。一枚も二枚も上手なのは、自分を子どもだと言う君の方なのに。
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