言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2013'11.21.Thu
「メアリー出るぞー」
「はぁい」
浴室からの声に片づけの手を止めて、アルミンは立ち上がった。アルミンが向かうより早くびしょ濡れのまま飛び出してきた娘に、慌ててバスタオルを広げて元気な体を捕まえる。じっとしていられない小さな娘はけらけら笑い声をあげて、アルミンの手から抜け出そうと身をよじらせた。
しかしアルミンも逃がしてやるわけにはいかなかった。濡れた足で走り出した彼女が、滑ってころんでたんこぶをこさえたことはまだ記憶に新しい。
「待って、メアリー。また頭ごっちんするよ」
「やぁー」
「もう、ちょっと!」
翻弄される母親の様子に、浴室から笑い声がする。笑い事じゃないんですけど、とドアを見るが、加工されたガラスの向こうをいくら睨んでも仕方ない。
「あっ!」
油断した隙に娘が裸のまま走り出した。足の裏は拭いたが、テンションの上がった彼女を自由にさせるわけにはいかない。すぐに追いかけ、柔らかい体を抱き上げる。どうにか服を着せてるうちにジャンも風呂から上がってきたようだ。
「お先!」
「はーい、ありがとう。メアリー!もうちょっと待って!」
逃げ出した娘にオムツは履かせたがズボンがまだだ。ジャンが笑いながら捕まえて、その間にアルミンがじたばたしている足を押さえて無事にパジャマを着せた。
アルミンと違ってジャンは風呂の間もよく遊んでくれるので、ジャンが入れたときはいつもこうなる。パジャマを着てもなお暴れているメアリーをくすぐっているジャンもまだ上半身は裸のままだ。
「風邪ひくよ」
「遊んでたらのぼせた」
「ちょっと、せっかくお風呂入ったのに汗かいちゃう」
「ママはうるさいなー」
「何それ」
いちゃいちゃしてる父子に呆れ、アルミンはテーブルの片づけに戻った。メアリーの食事のあとは壮絶だ。
泣くことが仕事だった頃から考えると、メアリーは随分人らしくなった。自分の手足で動き回れるようになってからはそれが顕著に現れ、好き嫌いも見せるようになっている。
「あーあ、いつまで一緒に風呂なんか入れんのかな」
「あっという間かもね、女の子だし」
「やだなー」
「気が早いよ」
「わかんねぇよ、幼稚園なんか行くようになったらすぐに好きな子ができてさぁ、紹介されたらオレ泣く自信あるわ」
「早いって。……まあ、誰かさんみたいな意地悪な子にいじめられることはあるかもしれないけどね?」
「メアリーは誰かさんみたいな泣き虫でもないし鈍くさくもないから大丈夫だ」
「もう!」
アルミンが怒ってみせるとジャンは笑い、一緒にメアリーもけらけらわらった。
ジャンとアルミンは幼稚園からのつき合いだ。とはいえアルミンにはジャンにいじめられていた記憶が何よりも濃く、どうして彼を好きになったのか、結婚した今でもわからなくなることがある。ジャンの方はといえば、成人してしばらく経つまでアルミンを女として見ていなかった。
「アルミンも行ってこいよ」
「うん」
ジャンが見てくれている間にアルミンもお風呂に向かう。ゆっくり湯船につかり、深く息を吐いた。メアリーと一緒だと忙しなく、なかなかじっくり湯に浸かることができないのだ。
部屋からメアリーの声が聞こえなくなった。はしゃぎ疲れたのだろう。
子どもは日に日に成長する。ジャンではないが、きっとあっという間に大きくなるのだろう。
「アルミン」
「何?」
ガラスがノックされたかと思えば、すぐにドアが開けられた。アルミンがぎょっとしたのはそれだけではなく、ドアを開けたジャンが裸だったからだ。
「ちょっと!」
「しっ!寝たから!ちょっとだけ!」
「何がちょっと!?」
アルミンの制止も聞かずに浴室に入ってきたジャンは、アルミンの背を押してそそくさとバスタブに侵入する。逃げようとしたアルミンはすぐに長い腕に絡めとられ、結局ジャンの足の間に座らされた。背中側から抱き締めてくるジャンの唇がうなじに触れ、太股をつねって抵抗する。
「いいだろたまには」
「あのねぇ……」
「何のための広い風呂なをだよ」
「体を伸ばすためだよ」
そっけなく答えるがジャンは気にした様子もなく、アルミンの膝を撫でた。
「……何もしないからね」
「わかってるよ」
言いながら胸をまさぐってくるジャンの手を引きはがす。ただのいたずらとばかりに無邪気に笑うジャンを睨むがあまり効果はなさそうだ。わざと大きく溜息をつく。
どきどきしていることを悟られぬよう、アルミンは精一杯振る舞っていた。
「はぁい」
浴室からの声に片づけの手を止めて、アルミンは立ち上がった。アルミンが向かうより早くびしょ濡れのまま飛び出してきた娘に、慌ててバスタオルを広げて元気な体を捕まえる。じっとしていられない小さな娘はけらけら笑い声をあげて、アルミンの手から抜け出そうと身をよじらせた。
しかしアルミンも逃がしてやるわけにはいかなかった。濡れた足で走り出した彼女が、滑ってころんでたんこぶをこさえたことはまだ記憶に新しい。
「待って、メアリー。また頭ごっちんするよ」
「やぁー」
「もう、ちょっと!」
翻弄される母親の様子に、浴室から笑い声がする。笑い事じゃないんですけど、とドアを見るが、加工されたガラスの向こうをいくら睨んでも仕方ない。
「あっ!」
油断した隙に娘が裸のまま走り出した。足の裏は拭いたが、テンションの上がった彼女を自由にさせるわけにはいかない。すぐに追いかけ、柔らかい体を抱き上げる。どうにか服を着せてるうちにジャンも風呂から上がってきたようだ。
「お先!」
「はーい、ありがとう。メアリー!もうちょっと待って!」
逃げ出した娘にオムツは履かせたがズボンがまだだ。ジャンが笑いながら捕まえて、その間にアルミンがじたばたしている足を押さえて無事にパジャマを着せた。
アルミンと違ってジャンは風呂の間もよく遊んでくれるので、ジャンが入れたときはいつもこうなる。パジャマを着てもなお暴れているメアリーをくすぐっているジャンもまだ上半身は裸のままだ。
「風邪ひくよ」
「遊んでたらのぼせた」
「ちょっと、せっかくお風呂入ったのに汗かいちゃう」
「ママはうるさいなー」
「何それ」
いちゃいちゃしてる父子に呆れ、アルミンはテーブルの片づけに戻った。メアリーの食事のあとは壮絶だ。
泣くことが仕事だった頃から考えると、メアリーは随分人らしくなった。自分の手足で動き回れるようになってからはそれが顕著に現れ、好き嫌いも見せるようになっている。
「あーあ、いつまで一緒に風呂なんか入れんのかな」
「あっという間かもね、女の子だし」
「やだなー」
「気が早いよ」
「わかんねぇよ、幼稚園なんか行くようになったらすぐに好きな子ができてさぁ、紹介されたらオレ泣く自信あるわ」
「早いって。……まあ、誰かさんみたいな意地悪な子にいじめられることはあるかもしれないけどね?」
「メアリーは誰かさんみたいな泣き虫でもないし鈍くさくもないから大丈夫だ」
「もう!」
アルミンが怒ってみせるとジャンは笑い、一緒にメアリーもけらけらわらった。
ジャンとアルミンは幼稚園からのつき合いだ。とはいえアルミンにはジャンにいじめられていた記憶が何よりも濃く、どうして彼を好きになったのか、結婚した今でもわからなくなることがある。ジャンの方はといえば、成人してしばらく経つまでアルミンを女として見ていなかった。
「アルミンも行ってこいよ」
「うん」
ジャンが見てくれている間にアルミンもお風呂に向かう。ゆっくり湯船につかり、深く息を吐いた。メアリーと一緒だと忙しなく、なかなかじっくり湯に浸かることができないのだ。
部屋からメアリーの声が聞こえなくなった。はしゃぎ疲れたのだろう。
子どもは日に日に成長する。ジャンではないが、きっとあっという間に大きくなるのだろう。
「アルミン」
「何?」
ガラスがノックされたかと思えば、すぐにドアが開けられた。アルミンがぎょっとしたのはそれだけではなく、ドアを開けたジャンが裸だったからだ。
「ちょっと!」
「しっ!寝たから!ちょっとだけ!」
「何がちょっと!?」
アルミンの制止も聞かずに浴室に入ってきたジャンは、アルミンの背を押してそそくさとバスタブに侵入する。逃げようとしたアルミンはすぐに長い腕に絡めとられ、結局ジャンの足の間に座らされた。背中側から抱き締めてくるジャンの唇がうなじに触れ、太股をつねって抵抗する。
「いいだろたまには」
「あのねぇ……」
「何のための広い風呂なをだよ」
「体を伸ばすためだよ」
そっけなく答えるがジャンは気にした様子もなく、アルミンの膝を撫でた。
「……何もしないからね」
「わかってるよ」
言いながら胸をまさぐってくるジャンの手を引きはがす。ただのいたずらとばかりに無邪気に笑うジャンを睨むがあまり効果はなさそうだ。わざと大きく溜息をつく。
どきどきしていることを悟られぬよう、アルミンは精一杯振る舞っていた。
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