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言い訳置き場

言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。

2025'01.19.Sun
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2013'11.22.Fri
命拾いをした、とはまさにこのことだろう。

もはや何が起きたのか、誰も正確につなぎあわせることはできていないかもしれない。ひどく時間のかかった悪夢だった。

「ジャン、どこ行くの?まだ怪我が」

「墓参りだ」

端的なジャンのいらえにアルミンは黙り込んだ。身支度を整えて立ち上がり、ジャンはアルミンを振り返る。

「一緒に行くか?」



女型の巨人が暴れた後の街は悲観に暮れていた。制服を着ていなくともジャンたちは兵士に見えるらしく、ときおり避難めいた視線が向けられる。今背を曲げずに歩けるようなやつは頭がおかしいのかもしれない。

封筒の差出人の住所を見ながら、ジャンはそこに向かっていく。アルミンは黙ってついてきていた。

町の外れは被害もなかったようで、辛気くささはあるものの、町自体に損害はないようだった。スラムとまではいかないが、決して裕福とは言えない辺りだ。見つけ出した小さな家のドアを叩く。少し待って、鮮やかなドレスの女性が顔を出した。家の質素さとは不釣り合いなほど美しいが、ひと目で商売女とわかるそれだった。

なんと名乗るべきか迷ううちに彼女がジャンの手にした封筒に気づき、みるみるうちに涙を浮かべてジャンを抱きしめる。いつか抱いたような女の柔らかさを受け止めて、ジャンもむきだしのその背を撫でた。

「よかった。色々なことがあったから、あんたも壁の外に行ったのかと」

「行きました。でも帰りました」

「そう、喜ぶわ」

女は墓を教えてくれた。それは身内がない者の共同墓地だ。ひとり分の墓ぐらい作ってやれたかもしれない、と思うが、こんな女がいったいどれほどいるのだろう。きりのない話だ。

これから仕事なのだという女と別れ、ジャンは墓地に向かう。

「……誰のお墓?」

「女。お前も見たろ、馬小屋の前で」

アたとルミンが息を飲んだのがわかった。少し考え、慌てて振り返る。

「作戦は関係ない。病気だ」

「……親しかった人、なの」

「ま、墓参りに行ってもいい程度にはな」

「……手ぶらで行く気?」

アルミンに言われて始めて気づいた。野暮な男だと女が笑ったような気がする。途中で花を買いに寄ってから墓地に向かった。急に用意した花束はたかがしれていて、これなら女が笑った方がよほど美しかった。

それは質素なものだった。形ばかりの墓の周りを、どこかで雇われたらしい老婆が掃除している。ジャンたちを見ると愛想笑いもせず姿を消した。



どこの誰ともしれない者と共に眠る女は、どんな夢を見ているのだろう。

柄にもなくそんなことを思うのは、アルミンが長い間手を合わせていたからかもしれなかった。膝をついて、祈るような姿をした横顔を、ジャンはずっと見ていた。まるで壁を守る女神のようだった。疲れのせいか少しくまがある。色づいた唇はかたく閉じられ、まつげだけがかすかに震えた。日に焼けたな、などと、なんと平和なことだろう。

「商売女だ」

ジャンの言葉にアルミンはゆっくりとまぶたを上げた。ジャンを見つめる瞳はいつだって美しい色をたたえ、いつだって心の中を見せなかった。

「でも、幸せになるはずだった女だ。男は調査兵団で、壁の外で死んだらしい。あんなにきれいな体だったのに、知らないままだったんだと」

「抱いたの」

「ああ」

「悲しい?」

「……さあ、どうだろうな」

顔を覆って深く息を吐く。悲しみがこみ上げるほど、あの女のことを知らない。ただ、親友を亡くしたときの絶望を思い出す。あの女がひとりで死んだのかどうか、聞いてみればよかっただろうかと思ったが、それを知ろうとするのはただのジャンのエゴだ。

周りに死が満ちている。もはや何がなんなのか、ジャンには整理ができない。ずっと仲間だと思っていた相手は敵で、そうなると誰を疑ってもきりがない。

もう一度深く息を吐き、アルミンを見る。

「オレは」

その青い瞳はいつも正解を探している。だからつい委ねそうになるのかもしれない。

「お前が調査兵団で、俺も調査兵団でよかった」

「……どうして?」

「死に目にあえる可能性が高くなるだろ」

「馬鹿」

「もう、知らないところで死なれるのはこりごりだ」

「……死にかけたのは、君の方だ」



女は壁の外で死にたかったのだろうか。死期を悟った上で見た景色には、何が見えたのだろう。

「ぼくは」

アルミンは墓を睨んだ。

「また死んだ人に嫉妬している」

小さく名を呼ぶと声はかすれていた。アルミンは黙ってジャンを見る。涼しげに見えて、その青は強い意志でできている。

「ジャン」

その先を、聞く勇気がない。

男が女を抱かなかったのは、きっと
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