言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2013'09.25.Wed
男か女かわかんない感じだけどおっぱいの話もするよ。
「メアリー!ちゃんとおっちんして」
「やー」
「やーじゃないの」
すぐに机から離れて行ってしまう娘に溜息をつき、アルミンは立ち上がって迎えに行く。抱き上げるとはしゃいだ声を上げる娘に毒気はなくて、つい許してしまいそうになるがそれとこれとは別の話だ。
机に戻って膝の上に座らせて、食事のトレイを引き寄せる。
「遊ぶのはご飯食べてからね。メアリーの好きなお魚さんだよー」
口元にスプーンを持って行けば口は開く。しかしメアリーの視線はあちこちといろんなものに注がれていて、職に興味を持つのはまださきだなぁ、と苦笑した。
「うー」
「これ?スプーン。おもちゃじゃないよー」
「あー」
「ああ」
スプーンを取られてしまい、諦めて皿を確認する。これだけ食べていればもう十分か、と思うことにして、スプーンを舐めているメアリーを見た。
「スプーン、おいしい?お母さんはご飯を食べてほしいんだけどなぁ」
新しいおもちゃをメアリーは気に入ったようで、あまり喉の奥に入れないようにだけ気をつけて見ながら好きにさせた。すぐに飽きてしまうことはもうよくわかっている。
「ただいま!」
「あ、メアリー、パパが帰ってきたよ」
玄関の音に、スプーンをくわえたままメアリーはそちらを見る。仕事を終えたジャンが帰ってきた。もうそんな時間なのか、と少し焦った。ジャンの夕食はまだ完成していない。
「ただいま」
「おかえりなさい」
「いい子にしてたか?」
荷物を置くのももどかしく、ジャンは可愛い娘の額を撫でる。隣のアルミンにも額を寄せて、そんな些細なことに日々の幸せを確認できる自分は簡単なのかもしれない。
「ごめん、お鍋火をつけてくれる?もうちょっと煮込めばできるから」
「わかった」
台所にジャンが向かい、アルミンも机を片づけ始めた。子どもの食事は気をつけていても散らかってしまう。
「メアリー、スプーンちょうだい。ちょーだい」
手のひらを向けるとメアリーは空いてる手でそれを叩いた。これではお手だ。笑って彼女の手からスプーンを取ると顔をしかめて泣きそうになる。とはいえ彼女は最近泣くふりを覚えたので、かわいらしい唸り声がするだけだ。
「メアリー」
ぷわん、と気の抜けた音がする。振り返るとジャンが黄色の鮮やかな小さなラッパを手にしていた。彼の大きな手とは不釣り合いなそれを彼が吹くと、メアリーは目を輝かせてアルミンの膝を降りていく。おしめで膨らんだお尻を揺らし、ぽたぽたと父親の元に向かっていく姿に思わず顔を緩めた。
「ジャン、もうおもちゃ増やすのやめてよ」
「小さいのだからいいだろ」
ジャンがメアリーにそれを渡すと、はしゃいだ彼女はラッパを吹かずに振り回した。使い方が違う、と笑うジャンにもっと厳しく言いたいところだが、結局ほだされてしまいいつもアルミンの言葉は力を持たない。娘がかわいいのはアルミンも同じことで、何よりもジャンが娘に向けるあの優しいまなざしが好きだった。
この間に食事の用意をしようとトレイを持って立ち上がる。メアリーの残した食事はそのまま食べてしまい、食器を置いて鍋をかき交ぜた。味見をして火を止める。ジャンがメアリーと遊んでいる間に食事をテーブルに並べ、用意ができてから交代しにそばへ寄った。
「ジャン、ご飯食べて」
「お前は?」
「メアリーと一緒に食べたよ。メアリー、お風呂いこっか」
「えー、オレ行きたい」
「じゃあご飯食べちゃって」
「はいよ」
ひょいとジャンは立ち上がって机に向かった。それを笑って、メアリーがすでに飽きて手放しているラッパを取る。滑らかな子ども向けのおもちゃはそれだけでかわいらしいが、きっとそう思うのは大人だけだ。
「メアリーいいねえ、ラッパだよー。吹いてご覧」
「うぶ」
「うーん、どうやら取っ手の方が美味しいみたい」
「ははっ」
抱き上げてジャンの向かいに一緒に座る。メアリーが皿に手を伸ばそうとするのでジャンが慌てて引き寄せた。
「あー!」
「怒ったー」
「あー、これやる、これ」
ジャンがすぐに小鉢を平らげて、メアリーに渡す。厚めの焼き物だから大丈夫だろうと思ったが、振り上げてテーブルに叩きつけようとするので慌ててアルミンが取り上げた。
「やー!」
途端に顔をくしゃくしゃにして泣き出すメアリーに、ジャンも悲しい顔をした。それにアルミンは笑ってしまう。もう一度ラッパを渡してみるが、すぐに床に投げてしまった。
「駄目だって。お風呂行くね」
「クソ、行ってらっしゃい」
「メアリーお風呂行こう!あひるさんと遊ぼうねー」
メアリーの手を取り、ジャンに向けて振ると悔しそうな顔をする。仕事の都合ですれ違いの多いジャンだが、それでも子どもができてから随分と努力して早く帰ってきてくれるようになった。その気持ちだけで十分だ。
アルミンが笑っているとどう思ったのか、ジャンは不機嫌そうに何だよ、と聞いてくる。
「好きだなぁと思って」
「ばっ……馬鹿じゃねえの、早くいけよ!」
「はーい」
可愛い旦那様に手を振って、アルミンはメアリーと浴室に向かった。
*
珍しくメアリーが夜泣きをした。生まれたばかりの頃でもほとんど夜泣きをしなかったメアリーだが、今日は何がどう違うのか、一度起きてしまってからずっとぐずっている。火がついたような大泣きではないが、子どもの高い声に心配している間にジャンも起きてしまった。泣きじゃくるメアリーを抱いて、アルミンはベッドを降りる。
「ごめん、ジャンは寝てて」
「ん……大丈夫か?」
「うん、多分おっぱいあげたら落ち着くから」
寝ぼけ眼のジャンの額にキスを残して、アルミンはそっと寝室を出た。もうほとんど乳離れは済んだのであまり出ないが、こういう時には落ち着いてくれるのでありがたい。
リビングのソファーでパジャマを寛げ、乳首をくわえさせるとやはり落ち着いてくれる。昼寝もいつも通りしたのになぁ、と考えていると、ジャンが起きてきて隣に座った。
「寝てていいのに」
「目が覚めた」
「ごめん」
「メアリーだって泣きたい夜ぐらいあるよな」
「何言ってんの」
娘の頬をつつくジャンに思わず笑ってしまう。眠そうに欠伸を噛み殺しながら、何を言っているのだろう。
娘の滑らかな肌を撫でていた指先が、不意にアルミンの胸に触れて飛び上がる。
「ちょっと!」
「短かったなーおっぱいのある生活……」
「……悪かったね」
ジャンの手を払いのけて睨んでやるが、少し覚醒したらしいジャンは意地悪だ。アルミンの腿をするりと撫でて、首元に顔を寄せてくる。
「ふたり目ができりゃ、また堪能できんのかな」
「馬鹿!」
「メアリー!ちゃんとおっちんして」
「やー」
「やーじゃないの」
すぐに机から離れて行ってしまう娘に溜息をつき、アルミンは立ち上がって迎えに行く。抱き上げるとはしゃいだ声を上げる娘に毒気はなくて、つい許してしまいそうになるがそれとこれとは別の話だ。
机に戻って膝の上に座らせて、食事のトレイを引き寄せる。
「遊ぶのはご飯食べてからね。メアリーの好きなお魚さんだよー」
口元にスプーンを持って行けば口は開く。しかしメアリーの視線はあちこちといろんなものに注がれていて、職に興味を持つのはまださきだなぁ、と苦笑した。
「うー」
「これ?スプーン。おもちゃじゃないよー」
「あー」
「ああ」
スプーンを取られてしまい、諦めて皿を確認する。これだけ食べていればもう十分か、と思うことにして、スプーンを舐めているメアリーを見た。
「スプーン、おいしい?お母さんはご飯を食べてほしいんだけどなぁ」
新しいおもちゃをメアリーは気に入ったようで、あまり喉の奥に入れないようにだけ気をつけて見ながら好きにさせた。すぐに飽きてしまうことはもうよくわかっている。
「ただいま!」
「あ、メアリー、パパが帰ってきたよ」
玄関の音に、スプーンをくわえたままメアリーはそちらを見る。仕事を終えたジャンが帰ってきた。もうそんな時間なのか、と少し焦った。ジャンの夕食はまだ完成していない。
「ただいま」
「おかえりなさい」
「いい子にしてたか?」
荷物を置くのももどかしく、ジャンは可愛い娘の額を撫でる。隣のアルミンにも額を寄せて、そんな些細なことに日々の幸せを確認できる自分は簡単なのかもしれない。
「ごめん、お鍋火をつけてくれる?もうちょっと煮込めばできるから」
「わかった」
台所にジャンが向かい、アルミンも机を片づけ始めた。子どもの食事は気をつけていても散らかってしまう。
「メアリー、スプーンちょうだい。ちょーだい」
手のひらを向けるとメアリーは空いてる手でそれを叩いた。これではお手だ。笑って彼女の手からスプーンを取ると顔をしかめて泣きそうになる。とはいえ彼女は最近泣くふりを覚えたので、かわいらしい唸り声がするだけだ。
「メアリー」
ぷわん、と気の抜けた音がする。振り返るとジャンが黄色の鮮やかな小さなラッパを手にしていた。彼の大きな手とは不釣り合いなそれを彼が吹くと、メアリーは目を輝かせてアルミンの膝を降りていく。おしめで膨らんだお尻を揺らし、ぽたぽたと父親の元に向かっていく姿に思わず顔を緩めた。
「ジャン、もうおもちゃ増やすのやめてよ」
「小さいのだからいいだろ」
ジャンがメアリーにそれを渡すと、はしゃいだ彼女はラッパを吹かずに振り回した。使い方が違う、と笑うジャンにもっと厳しく言いたいところだが、結局ほだされてしまいいつもアルミンの言葉は力を持たない。娘がかわいいのはアルミンも同じことで、何よりもジャンが娘に向けるあの優しいまなざしが好きだった。
この間に食事の用意をしようとトレイを持って立ち上がる。メアリーの残した食事はそのまま食べてしまい、食器を置いて鍋をかき交ぜた。味見をして火を止める。ジャンがメアリーと遊んでいる間に食事をテーブルに並べ、用意ができてから交代しにそばへ寄った。
「ジャン、ご飯食べて」
「お前は?」
「メアリーと一緒に食べたよ。メアリー、お風呂いこっか」
「えー、オレ行きたい」
「じゃあご飯食べちゃって」
「はいよ」
ひょいとジャンは立ち上がって机に向かった。それを笑って、メアリーがすでに飽きて手放しているラッパを取る。滑らかな子ども向けのおもちゃはそれだけでかわいらしいが、きっとそう思うのは大人だけだ。
「メアリーいいねえ、ラッパだよー。吹いてご覧」
「うぶ」
「うーん、どうやら取っ手の方が美味しいみたい」
「ははっ」
抱き上げてジャンの向かいに一緒に座る。メアリーが皿に手を伸ばそうとするのでジャンが慌てて引き寄せた。
「あー!」
「怒ったー」
「あー、これやる、これ」
ジャンがすぐに小鉢を平らげて、メアリーに渡す。厚めの焼き物だから大丈夫だろうと思ったが、振り上げてテーブルに叩きつけようとするので慌ててアルミンが取り上げた。
「やー!」
途端に顔をくしゃくしゃにして泣き出すメアリーに、ジャンも悲しい顔をした。それにアルミンは笑ってしまう。もう一度ラッパを渡してみるが、すぐに床に投げてしまった。
「駄目だって。お風呂行くね」
「クソ、行ってらっしゃい」
「メアリーお風呂行こう!あひるさんと遊ぼうねー」
メアリーの手を取り、ジャンに向けて振ると悔しそうな顔をする。仕事の都合ですれ違いの多いジャンだが、それでも子どもができてから随分と努力して早く帰ってきてくれるようになった。その気持ちだけで十分だ。
アルミンが笑っているとどう思ったのか、ジャンは不機嫌そうに何だよ、と聞いてくる。
「好きだなぁと思って」
「ばっ……馬鹿じゃねえの、早くいけよ!」
「はーい」
可愛い旦那様に手を振って、アルミンはメアリーと浴室に向かった。
*
珍しくメアリーが夜泣きをした。生まれたばかりの頃でもほとんど夜泣きをしなかったメアリーだが、今日は何がどう違うのか、一度起きてしまってからずっとぐずっている。火がついたような大泣きではないが、子どもの高い声に心配している間にジャンも起きてしまった。泣きじゃくるメアリーを抱いて、アルミンはベッドを降りる。
「ごめん、ジャンは寝てて」
「ん……大丈夫か?」
「うん、多分おっぱいあげたら落ち着くから」
寝ぼけ眼のジャンの額にキスを残して、アルミンはそっと寝室を出た。もうほとんど乳離れは済んだのであまり出ないが、こういう時には落ち着いてくれるのでありがたい。
リビングのソファーでパジャマを寛げ、乳首をくわえさせるとやはり落ち着いてくれる。昼寝もいつも通りしたのになぁ、と考えていると、ジャンが起きてきて隣に座った。
「寝てていいのに」
「目が覚めた」
「ごめん」
「メアリーだって泣きたい夜ぐらいあるよな」
「何言ってんの」
娘の頬をつつくジャンに思わず笑ってしまう。眠そうに欠伸を噛み殺しながら、何を言っているのだろう。
娘の滑らかな肌を撫でていた指先が、不意にアルミンの胸に触れて飛び上がる。
「ちょっと!」
「短かったなーおっぱいのある生活……」
「……悪かったね」
ジャンの手を払いのけて睨んでやるが、少し覚醒したらしいジャンは意地悪だ。アルミンの腿をするりと撫でて、首元に顔を寄せてくる。
「ふたり目ができりゃ、また堪能できんのかな」
「馬鹿!」
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