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言い訳置き場

言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。

2025'01.19.Sun
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2012'04.09.Mon
「ロージーはいい子だね」

「あの骨太ですか?」

「そこがいいんじゃないか」

エントランスで聞こえた声に足を止めた。蓼食う虫も好きずきという奴ですな、と明け透けに言うコバーケンの言葉に客は笑う。もうここで働き始めて何年も経つというのに、未だに他の誰かが彼女をロージーと呼ぶたびに嫉妬に狂いそうになる。僕だけのローズマリーだった。それをぶち壊したのは自分自身だと、痛いほどわかっているのに。

「骨太で筋肉質だが、かわいいだろう」

「そうですかねぇ」

「執事の君には褥の中の彼女がどんなに愛らしいかわかるまい。従順で、いつでも処女のような初さがいい。知っているかい?彼女はどんなに乱れた夜も、必ず客より先に起きているんだ」

「はぁ」

「『ここにいるときは、あなたは私の旦那様ですから』なんて、かわいいことを言うんだよ」

「そりゃ演技ですよ、演技。娼婦なんてみんな女優です」

「それでもいいさ。ここは夢を見る場所だろう?また来るよ」

「ありがとうございました。またのお越しを」

ああ、ローズマリー。心の中で、何度となく愛しい名を呼ぶ。ローズマリー、彼女は素直で不器用で、とても演技なんてできやしない。彼女はその愛し方しか知らないのだ。必ず先に起きて身なりを整え、心地よく送り出してくれる。あの姿を他の誰かも知っているというだけで、身が裂かれる思いがした。そんなことは止めろと言えたらどんなにいいだろう。昔のローズマリーなら、きっとカールが言うなら、とわがままを聞いてくれたに違いない。自業自得、身から出た錆だ。かすれた声でカールと呼ぶ、彼女の涙もまだ覚えているのに。

「カール!」

「――お呼びですか、ローズマリー様」

くだらない演技をしているのは、愛に溺れた愚かな男だけだった。
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