言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2012'04.01.Sun
「好きなんだ」
「……えーと」
――素面で来るのは、ずるいだろ。
閉店した立ち飲み屋。竹谷が水周りを片づけていると、いつものように七松がやってきた。いつもと違うのはTシャツにデニムというラフな格好であるというところだ。上の階で友人たちと営んでいる七松はいつも仕事の休憩中に現れるので、のりのきいたシャツで現れる。その性格から考えれば今の姿の方が自然なのだろうが、すっかり見慣れた姿の方がなじんでいた。
七松が店に来るたびに話をしていたら気に入ってもらえたらしく、竹谷がいないと帰ることもあるそうだ。――それを知っていて、先の言葉の意味がわからないはずがない。
「竹谷が好きだ」
真摯な瞳は竹谷からそらされることがなく、まるで射抜かれたように竹谷も立ち尽くすことしかできなかった。
「あ〜……ずるいなぁ……」
困って頭をかく竹谷に七松はわずかに不安を見せたが、すぐに胸を張った。カウンター越しに竹谷の手を取り、捕まえる。熱い手だ。
「本当に好きなんだ」
「わかりましたって」
思わず苦笑すると七松は手を離し、力なく肩を落として椅子に座る。眉尻を下げた表情に思わずにやついてしまうのは、きっと自分のせいじゃない。かわいくみえてしまうのは、今日客に飲まされた酒のせいだ。
「あのですね、そんなに言われたら、好きになっちゃうじゃないですか」
「……え?」
「どーぞ」
七松の前におちょこを置き、酒を注ぐ。さっきまで自分が飲んでいた残りだ。
「竹谷、今なんて?」
「『どうぞ』」
「そのまえ!」
「それは今度、素面の時に」
「……えーと」
――素面で来るのは、ずるいだろ。
閉店した立ち飲み屋。竹谷が水周りを片づけていると、いつものように七松がやってきた。いつもと違うのはTシャツにデニムというラフな格好であるというところだ。上の階で友人たちと営んでいる七松はいつも仕事の休憩中に現れるので、のりのきいたシャツで現れる。その性格から考えれば今の姿の方が自然なのだろうが、すっかり見慣れた姿の方がなじんでいた。
七松が店に来るたびに話をしていたら気に入ってもらえたらしく、竹谷がいないと帰ることもあるそうだ。――それを知っていて、先の言葉の意味がわからないはずがない。
「竹谷が好きだ」
真摯な瞳は竹谷からそらされることがなく、まるで射抜かれたように竹谷も立ち尽くすことしかできなかった。
「あ〜……ずるいなぁ……」
困って頭をかく竹谷に七松はわずかに不安を見せたが、すぐに胸を張った。カウンター越しに竹谷の手を取り、捕まえる。熱い手だ。
「本当に好きなんだ」
「わかりましたって」
思わず苦笑すると七松は手を離し、力なく肩を落として椅子に座る。眉尻を下げた表情に思わずにやついてしまうのは、きっと自分のせいじゃない。かわいくみえてしまうのは、今日客に飲まされた酒のせいだ。
「あのですね、そんなに言われたら、好きになっちゃうじゃないですか」
「……え?」
「どーぞ」
七松の前におちょこを置き、酒を注ぐ。さっきまで自分が飲んでいた残りだ。
「竹谷、今なんて?」
「『どうぞ』」
「そのまえ!」
「それは今度、素面の時に」
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