言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2012'05.03.Thu
「竹谷八左ヱ門、これ学園長先生から」
「へ?」
突き出された某大学の名前の入った封筒に竹谷は目を丸くした。その様子に、それを持ってきた土井が苦笑する。
「話は聞いてないのかい?」
「何も」
「ここを受験するように、とのことだ。話は通ってるが体裁としてオープンキャンパスへの参加と受験を」
「え、コネってことですか?」
口を挟んだ久々知に土井は肩を揺らす。参考書を手にした久々知には気の毒な話だが、ここは世間を忍ぶ『忍術学園』だ。内部なりの事情がある。
「あの、おれほんとに何も聞かされてないんですけど」
「生物委員だ。お前の代で手を広げすぎたから、他の誰にも手に負えない。いいか、留年も許されないからな。きっちり4年で教員免許を持って戻ってこいというお達しだ」
「えー!おれもう高卒でペットショップの正社にでもしてもらえりゃ十分なんですけど」
「それは学園長先生に直談判するんだな」
「うへぇ」
「先生おれは何かないんですか」
「兵助ほど力があるやつには救済の必要がないからなぁ」
「ずるい」
「戻ってきて教師やるか?」
「……」
久々知が眉をひそめ、土井は笑って肩を叩いた。不満げな生徒を残し、教師は何事もなかったかのように去っていく。
「げぇ〜、教師かぁ」
顔をしかめる竹谷を見て、尾浜が笑いながら近づいていく。勘ちゃんどう思う、としかめっ面の久々知も笑い飛ばし、いいんじゃない、とあっさり返した。
「だって竹谷はしょうがないよ、元々卒業後も学園の元で働くって約束してたんだからさ」
「でもさ〜、は〜、教師か〜。めっちゃペットショップに居残る気だったぜ」
「生物委員がんばりすぎたのがいけなかったねぇ」
「おれじゃなくてほとんど伊賀崎カンパニー様々なんだけどなぁ」
「竹谷って昔からそうだよね」
「昔って?」
「なんでもなぁい」
尾浜の言葉にそれ以上の追求はせず、竹谷は封筒を開けて資料を広げ始める。手紙のようなものもない。学園長先生捕まるかな、とぼやく竹谷を、まだ納得できないらしい久々知が睨みつけていた。
「おれ忍者の就職うまくいかなくて必死で大学受験なのに……」
「そこはほらあれ、内申点ってやつ?兵助体育ダメわ演習苦手だわ火薬委員だわ」
「火薬バカにすんな」
「まーまー、勘ちゃんも受験組だから一緒にがんばりましょうよ」
「うん……」
不満気ながらも久々知は勉強に戻った。竹谷はさっきまでやっていた課題のことは忘れ、違う問題に頭を抱えている。尾浜はその前に座り、一緒にパンフレットをのぞき込んだ。
「でもさ、竹谷半ば確信犯でしょ」
「何が?」
「生物委員で手を広げれば、確実に自分が必要不可欠になるってわかってたくせに」
「……教師は予想外だったけどな」
にやりと笑った竹谷に、同じ表情で返してやる。――はっきり聞いたことはないが、竹谷にはおそらく前世の記憶があるのではないかと思っている。そんな素振りは見せないが、態度を見ているとそう思えるのだ。そして、尾浜は昔の竹谷が同じようなことをしていたのを知っている。彼は卒業して数年で学園に戻って教師をしていた。どうしてみんな、昔のままではないのだろう。
「いいなぁ竹谷」
「……おれも、羨ましいなぁ」
尾浜の相づちの意味を、久々知は知らないのだ。
「へ?」
突き出された某大学の名前の入った封筒に竹谷は目を丸くした。その様子に、それを持ってきた土井が苦笑する。
「話は聞いてないのかい?」
「何も」
「ここを受験するように、とのことだ。話は通ってるが体裁としてオープンキャンパスへの参加と受験を」
「え、コネってことですか?」
口を挟んだ久々知に土井は肩を揺らす。参考書を手にした久々知には気の毒な話だが、ここは世間を忍ぶ『忍術学園』だ。内部なりの事情がある。
「あの、おれほんとに何も聞かされてないんですけど」
「生物委員だ。お前の代で手を広げすぎたから、他の誰にも手に負えない。いいか、留年も許されないからな。きっちり4年で教員免許を持って戻ってこいというお達しだ」
「えー!おれもう高卒でペットショップの正社にでもしてもらえりゃ十分なんですけど」
「それは学園長先生に直談判するんだな」
「うへぇ」
「先生おれは何かないんですか」
「兵助ほど力があるやつには救済の必要がないからなぁ」
「ずるい」
「戻ってきて教師やるか?」
「……」
久々知が眉をひそめ、土井は笑って肩を叩いた。不満げな生徒を残し、教師は何事もなかったかのように去っていく。
「げぇ〜、教師かぁ」
顔をしかめる竹谷を見て、尾浜が笑いながら近づいていく。勘ちゃんどう思う、としかめっ面の久々知も笑い飛ばし、いいんじゃない、とあっさり返した。
「だって竹谷はしょうがないよ、元々卒業後も学園の元で働くって約束してたんだからさ」
「でもさ〜、は〜、教師か〜。めっちゃペットショップに居残る気だったぜ」
「生物委員がんばりすぎたのがいけなかったねぇ」
「おれじゃなくてほとんど伊賀崎カンパニー様々なんだけどなぁ」
「竹谷って昔からそうだよね」
「昔って?」
「なんでもなぁい」
尾浜の言葉にそれ以上の追求はせず、竹谷は封筒を開けて資料を広げ始める。手紙のようなものもない。学園長先生捕まるかな、とぼやく竹谷を、まだ納得できないらしい久々知が睨みつけていた。
「おれ忍者の就職うまくいかなくて必死で大学受験なのに……」
「そこはほらあれ、内申点ってやつ?兵助体育ダメわ演習苦手だわ火薬委員だわ」
「火薬バカにすんな」
「まーまー、勘ちゃんも受験組だから一緒にがんばりましょうよ」
「うん……」
不満気ながらも久々知は勉強に戻った。竹谷はさっきまでやっていた課題のことは忘れ、違う問題に頭を抱えている。尾浜はその前に座り、一緒にパンフレットをのぞき込んだ。
「でもさ、竹谷半ば確信犯でしょ」
「何が?」
「生物委員で手を広げれば、確実に自分が必要不可欠になるってわかってたくせに」
「……教師は予想外だったけどな」
にやりと笑った竹谷に、同じ表情で返してやる。――はっきり聞いたことはないが、竹谷にはおそらく前世の記憶があるのではないかと思っている。そんな素振りは見せないが、態度を見ているとそう思えるのだ。そして、尾浜は昔の竹谷が同じようなことをしていたのを知っている。彼は卒業して数年で学園に戻って教師をしていた。どうしてみんな、昔のままではないのだろう。
「いいなぁ竹谷」
「……おれも、羨ましいなぁ」
尾浜の相づちの意味を、久々知は知らないのだ。
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