言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2012'03.08.Thu
「そこ、違いません?」
「え?」
左近の声に顔を上げた数馬はぽかんと口を開けた間抜け面で、どうして保健委員の先輩ってこんな人ばかりなんだろう、と思わず思う。一年は組を「あほのは組」と呼んで馬鹿にすることはあるが、もしかして全学年共通で「は組」は「あほ」なのではないだろうか。
数馬が広げている宿題の項目を指すと数馬は間抜け面のまま左近と問題を見比べて、そして左近を見て首を傾げた。思わず苛立ちながらも、左近は数馬の正面に座る。
「そもそも忍びイロハを読み間違えてます!」
「うっそだぁ。いくら何でも三年生になって忍びイロハを間違うなんて」
笑い飛ばそうとした数馬を遮り、淡々と解説してやると黙り込む。数馬は何も言わずに筆をとって間違った文の上から線を引いた。何事もなかったかのように宿題を続ける数馬に向かってわざとらしく溜息をついてやる。数馬はそれに何の反応も様子も見せず、左近が来たときと変わらず頭を抱えてうんうんと宿題を続けていた。先輩としての矜持はないのだろうか。左近は呆れて立ち上がり、薬草を片づける作業に戻る。
「左近」
「どこかわからないところでも?」
「もうすぐ二年生は合宿に行くだろ。水渇丸を作ってもって行くといいよ」
「はい?」
「先生言ってなかった?あの合宿毎年保健委員が消えるんだ」
「消え……」
「ぼくは川に落ちて流された。伊作先輩はほら穴に落ちて上れなくなったって。大体交互らしいから、左近は水に困るんじゃない?水渇丸があれば水が尽きてもしばらくはもつから」
「……ぜんっぜんありがたくないアドバイスなんですけど」
「あとで一緒に作ろうね」
「……数馬先輩って、馬鹿なんですか?」
「え、何それ辛辣」
「ハナっから諦めてどうするんですか。保健委員が不運だって?そんなしょうもないことより気にすることはたくさんあるでしょう。不運だってただのアクシデント、乗り越えてこそ忍者です。そもそもせっかく保健委員という立場なんだから水渇丸も持って行くに決まってるじゃないですか」
一気に言いきると数馬はまたぽかんとして左近を見た。こちらが変なことを言ったような気になるのでやめてほしい。
「えーっと……左近って、ほんとに賢いんだね……」
「先輩がアホなんじゃないですか?」
「はは……」
へらっと笑う数馬から、左近はぷいと顔をそむけた。しかしその心中で、必死で作り方を反芻する。
左近は賢いなぁ、何度でも言う数馬が実は嫌みを言っているのではないかと疑いながら、左近はどうにか彼から正しい作り方を聞き出せないかと考えを巡らせた。
「え?」
左近の声に顔を上げた数馬はぽかんと口を開けた間抜け面で、どうして保健委員の先輩ってこんな人ばかりなんだろう、と思わず思う。一年は組を「あほのは組」と呼んで馬鹿にすることはあるが、もしかして全学年共通で「は組」は「あほ」なのではないだろうか。
数馬が広げている宿題の項目を指すと数馬は間抜け面のまま左近と問題を見比べて、そして左近を見て首を傾げた。思わず苛立ちながらも、左近は数馬の正面に座る。
「そもそも忍びイロハを読み間違えてます!」
「うっそだぁ。いくら何でも三年生になって忍びイロハを間違うなんて」
笑い飛ばそうとした数馬を遮り、淡々と解説してやると黙り込む。数馬は何も言わずに筆をとって間違った文の上から線を引いた。何事もなかったかのように宿題を続ける数馬に向かってわざとらしく溜息をついてやる。数馬はそれに何の反応も様子も見せず、左近が来たときと変わらず頭を抱えてうんうんと宿題を続けていた。先輩としての矜持はないのだろうか。左近は呆れて立ち上がり、薬草を片づける作業に戻る。
「左近」
「どこかわからないところでも?」
「もうすぐ二年生は合宿に行くだろ。水渇丸を作ってもって行くといいよ」
「はい?」
「先生言ってなかった?あの合宿毎年保健委員が消えるんだ」
「消え……」
「ぼくは川に落ちて流された。伊作先輩はほら穴に落ちて上れなくなったって。大体交互らしいから、左近は水に困るんじゃない?水渇丸があれば水が尽きてもしばらくはもつから」
「……ぜんっぜんありがたくないアドバイスなんですけど」
「あとで一緒に作ろうね」
「……数馬先輩って、馬鹿なんですか?」
「え、何それ辛辣」
「ハナっから諦めてどうするんですか。保健委員が不運だって?そんなしょうもないことより気にすることはたくさんあるでしょう。不運だってただのアクシデント、乗り越えてこそ忍者です。そもそもせっかく保健委員という立場なんだから水渇丸も持って行くに決まってるじゃないですか」
一気に言いきると数馬はまたぽかんとして左近を見た。こちらが変なことを言ったような気になるのでやめてほしい。
「えーっと……左近って、ほんとに賢いんだね……」
「先輩がアホなんじゃないですか?」
「はは……」
へらっと笑う数馬から、左近はぷいと顔をそむけた。しかしその心中で、必死で作り方を反芻する。
左近は賢いなぁ、何度でも言う数馬が実は嫌みを言っているのではないかと疑いながら、左近はどうにか彼から正しい作り方を聞き出せないかと考えを巡らせた。
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