言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2013'01.04.Fri
「うう〜、この寒さはほんとにどうにかなりませんかね」
委員会の雑用の為に寒い硝煙倉にしばらくいたら、すっかり体が冷えきってしまった。火薬委員として過ごす冬はもう4度目になるが、かつての委員長のタカ丸ではなくともつい甘酒が欲しくなる。
冷たい指先に息を吐きかけてすり合わせていると、隣の三郎次は呆れた顔でそれを見てくる。軟弱だな、という彼だってその鼻は寒さで赤くなっていた。いつもの調子でしかめっ面を作り、先輩は寒くないんですか、と嫌味を込めて言ってやる。
「誰も寒くないなんて言ってないだろ。冬なんだから寒いに決まってる」
「その割には何か言いたそうにしてましたけどぉ」
「鍛錬が足りないって話だよ。寒い寒い言うから余計寒くなるんだ」
「むぅ……」
三郎次の顔は完全に伊助を馬鹿にしている。ほんの世間話のつもりでも、このひねくれ者はおちょくらずにはいられないらしい。
「えいっ」
「!」
かじかむ手で三郎次の手を掴んだ。しかしその手も伊助が思っていた以上に冷たく、ついがっかりすると三郎次はわざとらしく溜息をついた。
「だからおれだって寒いのは寒いんだよ」
「でも平気ならちょっとぐらい暖をとらせて下さいよっ」
離した手をすぐさま三郎次の首に伸ばす。しかし指先が触れるよりも、三郎次の拳が伊助の頭を落ちた方が早かった。
「く〜っ!乱暴!」
「甘い!」
「ちぇ。なぁんかそういうとこ久々知先輩に似てますよね」
「そうかぁ?」
「あの人もあの寒いところで平気そうにしてたじゃないですか」
「雪国の生まれだそうだから」
「ぼくだっては組の中じゃ寒さには強い方なんですけどねー」
「その調子でか。軟弱だな」
「うるさいなぁ。実家に帰っても水を使うから多少は鍛えられてます」
「はぁ?舐めてんのか。冬の海に出てから言いやがれ」
「そりゃ海ほど寒くはないですけどぉ」
ああ言えばこう言う。唇をとがらせて不満を露わにするが、三郎次は言い任したことに満足して鼻で笑った。
「あ、三郎次、食堂のおばちゃんが甘酒できたって!冷めるから早く取りにいけよ!」
「……おー……」
走ってすれ違った左近は、三郎次の表情を見ただろうか。
伊助が覗き込もうとすると三郎次は顔を逸らす。深追いするとぐるぐると回る羽目になったがおかしくて思わず吹き出すと、べしりと顔を叩かれた。
「いったー!」
「やかましわ!」
「何も言ってません!」
「お前が寒い寒いうるさいからだろうが!いいからとっとと食堂行って後輩に持ってってやれ!」
伊助の手から書類を奪い、三郎次は駆けだす。伊助は笑ながらその背中を追いかけた。飛びつくようにぶつかって、三郎次の手を取る。
「あとで先輩も戻ってきて下さいね」
「うるせーよ書類出したら部屋に帰る」
「待ってますからね!」
「早くいけよ冷めるだろ!」
「はーいっ」
足を踏み鳴らす三郎次を笑い、伊助は食堂へと走り出した。
委員会の雑用の為に寒い硝煙倉にしばらくいたら、すっかり体が冷えきってしまった。火薬委員として過ごす冬はもう4度目になるが、かつての委員長のタカ丸ではなくともつい甘酒が欲しくなる。
冷たい指先に息を吐きかけてすり合わせていると、隣の三郎次は呆れた顔でそれを見てくる。軟弱だな、という彼だってその鼻は寒さで赤くなっていた。いつもの調子でしかめっ面を作り、先輩は寒くないんですか、と嫌味を込めて言ってやる。
「誰も寒くないなんて言ってないだろ。冬なんだから寒いに決まってる」
「その割には何か言いたそうにしてましたけどぉ」
「鍛錬が足りないって話だよ。寒い寒い言うから余計寒くなるんだ」
「むぅ……」
三郎次の顔は完全に伊助を馬鹿にしている。ほんの世間話のつもりでも、このひねくれ者はおちょくらずにはいられないらしい。
「えいっ」
「!」
かじかむ手で三郎次の手を掴んだ。しかしその手も伊助が思っていた以上に冷たく、ついがっかりすると三郎次はわざとらしく溜息をついた。
「だからおれだって寒いのは寒いんだよ」
「でも平気ならちょっとぐらい暖をとらせて下さいよっ」
離した手をすぐさま三郎次の首に伸ばす。しかし指先が触れるよりも、三郎次の拳が伊助の頭を落ちた方が早かった。
「く〜っ!乱暴!」
「甘い!」
「ちぇ。なぁんかそういうとこ久々知先輩に似てますよね」
「そうかぁ?」
「あの人もあの寒いところで平気そうにしてたじゃないですか」
「雪国の生まれだそうだから」
「ぼくだっては組の中じゃ寒さには強い方なんですけどねー」
「その調子でか。軟弱だな」
「うるさいなぁ。実家に帰っても水を使うから多少は鍛えられてます」
「はぁ?舐めてんのか。冬の海に出てから言いやがれ」
「そりゃ海ほど寒くはないですけどぉ」
ああ言えばこう言う。唇をとがらせて不満を露わにするが、三郎次は言い任したことに満足して鼻で笑った。
「あ、三郎次、食堂のおばちゃんが甘酒できたって!冷めるから早く取りにいけよ!」
「……おー……」
走ってすれ違った左近は、三郎次の表情を見ただろうか。
伊助が覗き込もうとすると三郎次は顔を逸らす。深追いするとぐるぐると回る羽目になったがおかしくて思わず吹き出すと、べしりと顔を叩かれた。
「いったー!」
「やかましわ!」
「何も言ってません!」
「お前が寒い寒いうるさいからだろうが!いいからとっとと食堂行って後輩に持ってってやれ!」
伊助の手から書類を奪い、三郎次は駆けだす。伊助は笑ながらその背中を追いかけた。飛びつくようにぶつかって、三郎次の手を取る。
「あとで先輩も戻ってきて下さいね」
「うるせーよ書類出したら部屋に帰る」
「待ってますからね!」
「早くいけよ冷めるだろ!」
「はーいっ」
足を踏み鳴らす三郎次を笑い、伊助は食堂へと走り出した。
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