言い訳置き場
言い訳を書いていきます。誤字の報告などあればありがたいです。 ※唐突にみゅネタややぎゅにおの外の人のかけ算が混ざるのでご注意下さい。 日常はリンクのブログから。
2014'10.07.Tue
「寒い!」
まるでジャンが悪いかのようにこちらを睨みつけるアルミンに、さすがにジャンも呆れることしかできなかった。アルミンはそのジャンの反応にも不満げだが、今は何を言っても無駄だろう。
「お前10月でそんなこと言ってたらこれからどうすんだ」
「寒いものは寒いんだ!」
「お風呂が沸いておりますが」
これ以上何も言わせまいとジャンが遮れば、アルミンはぱっと顔を輝かせた。外出していたジャンも急に気温の下がった今日は少々堪えて、油断して薄着で出たので寒いという感覚はわかっている。ついでにアルミンがこうして子どものようなわがままを言う相手も選んでいることもわかっているので、許してしまっていた。アルミンのことはふたりで暮らし初めてからは更にわかるようになってきて、甘えられているのなら素直に甘やかしてやろう、と思ってしまったのがジャンの惚れた弱みというやつだ。しかし次の言動は全くの予想外で、ジャンはその場で硬直する。
「入ってくる!ジャン大好き!」
ぎゅっ、とジャンの胸に顔を埋めるように抱きついて、アルミンは爆弾を落として無責任に風呂へと飛んでいった。玄関でアルミンを迎えた姿のまま硬直していたジャンは、水音が聞こえてきた頃になってようやくぎこちなく動き始める。
玄関の鍵を閉め、台所へ戻ってコンロの火を止めた。それからカーディガンを脱ぎながら浴室に向かい、すでに水音のなくなった浴室の前で下着まですべて脱ぎ捨て、声もかけずにドアを押し開けた。
「わーっ!?何!?」
「誘ったのはお前だろうが!」
「何が!?何で!?」
ジャンに驚いたアルミンは浴槽から飛び上がらんばかりだったが、ジャンは押さえ込んで無理矢理浴槽に入り込んだ。アルミンの抵抗などものともせず、背後から胸に抱き込んで浴槽につかる。しかし単身用のアパートよりは広い部屋とはいえ、決して家族用ではない。浴槽までは数人での入浴を想定してはいないのだ。簡単に言えば狭い。
「ちょっと、ジャン!狭いからやだって!」
「くっつけばいいだろうが」
「僕はゆっくり入りたいの!」
「ゆっくりしてていいぜ」
アルミンの腹に腕を回してがっちり押さえ込み、濡れたうなじに舌を這わせた。背を震わせたアルミンに気づかない振りをしながら唇を当て、緩やかに吸う。
「ジャン、だめ……」
「何が?」
「跡……」
「つけてねえよ」
触れるだけのキスを繰り返し、湯の中でアルミンの腹を撫でる。気持ちばかりジャンを押し返そうとする手は確かにまだ少し冷たくて、その手を取って握り込んだ。あたためるように指を絡める。するすると指先を撫でるとアルミンはぐっと息を飲んだ。
「さ……誘ったって、何」
「誘っただろうが」
「してないよ!」
「大好きってなんだよ」
「は?そんなこと……あ、いや、あれはありがとうって意味で」
アルミンはどうやら無意識に口にしたらしい。アルミンはもごもごと言い訳しようといているが、ジャンはお構いなしにうなじから肩胛骨へと唇をすべらせ、ここなら構わないだろうと歯を立てた。
「じっ、ジャンッ!」
「何」
「こ、ここは、やだッ」
「寒いんだろ?あったかいところでいちゃいちゃしようぜ」
「だから、狭いって!」
「だからもっとくっつけばいいだろ」
絡めた指先を離して再び腰を引きつける。不意をつかれたアルミンはジャンの胸に倒れ込んだ。起きあがろうとしたアルミンは、それに気づいたようで、唇を震わせてジャンを振り返る。
「当たってますけど……」
「当ててんだよ」
背中に唇を当てたままささやいて、指先は浮力に任せて肌を撫でる。身をすくませたアルミンに頬を緩め、抵抗を諦めた体を抱きしめた。
*
洗面所に置いたカップに歯ブラシが2本。明るい朝のその光景にようやく見慣れたが、それでもジャンはすこしにやりとしてしまう。自分の方を手にして歯を磨いていると、やがてアルミンが起きてきた。まだ少し寝ぼけ眼だが、ジャンに挨拶をして隣に立つ。ジャン同様に歯ブラシを取り、磨きながらジャンを見た。
「あのさぁ」
「何?」
「カップもう一個置くか、歯ブラシ立て買っていい?」
「……なんで?」
「だって口濯ぐときジャンの歯ブラシ邪魔なんだ」
「あ、はい、そうですね」
思い描いたふたり暮らしの、多少のすれ違いは想定内だ。アルミンの肩に残したキスマークを見下ろして、些細なことは譲歩することにした。これから、日々は作られるのだ。
まるでジャンが悪いかのようにこちらを睨みつけるアルミンに、さすがにジャンも呆れることしかできなかった。アルミンはそのジャンの反応にも不満げだが、今は何を言っても無駄だろう。
「お前10月でそんなこと言ってたらこれからどうすんだ」
「寒いものは寒いんだ!」
「お風呂が沸いておりますが」
これ以上何も言わせまいとジャンが遮れば、アルミンはぱっと顔を輝かせた。外出していたジャンも急に気温の下がった今日は少々堪えて、油断して薄着で出たので寒いという感覚はわかっている。ついでにアルミンがこうして子どものようなわがままを言う相手も選んでいることもわかっているので、許してしまっていた。アルミンのことはふたりで暮らし初めてからは更にわかるようになってきて、甘えられているのなら素直に甘やかしてやろう、と思ってしまったのがジャンの惚れた弱みというやつだ。しかし次の言動は全くの予想外で、ジャンはその場で硬直する。
「入ってくる!ジャン大好き!」
ぎゅっ、とジャンの胸に顔を埋めるように抱きついて、アルミンは爆弾を落として無責任に風呂へと飛んでいった。玄関でアルミンを迎えた姿のまま硬直していたジャンは、水音が聞こえてきた頃になってようやくぎこちなく動き始める。
玄関の鍵を閉め、台所へ戻ってコンロの火を止めた。それからカーディガンを脱ぎながら浴室に向かい、すでに水音のなくなった浴室の前で下着まですべて脱ぎ捨て、声もかけずにドアを押し開けた。
「わーっ!?何!?」
「誘ったのはお前だろうが!」
「何が!?何で!?」
ジャンに驚いたアルミンは浴槽から飛び上がらんばかりだったが、ジャンは押さえ込んで無理矢理浴槽に入り込んだ。アルミンの抵抗などものともせず、背後から胸に抱き込んで浴槽につかる。しかし単身用のアパートよりは広い部屋とはいえ、決して家族用ではない。浴槽までは数人での入浴を想定してはいないのだ。簡単に言えば狭い。
「ちょっと、ジャン!狭いからやだって!」
「くっつけばいいだろうが」
「僕はゆっくり入りたいの!」
「ゆっくりしてていいぜ」
アルミンの腹に腕を回してがっちり押さえ込み、濡れたうなじに舌を這わせた。背を震わせたアルミンに気づかない振りをしながら唇を当て、緩やかに吸う。
「ジャン、だめ……」
「何が?」
「跡……」
「つけてねえよ」
触れるだけのキスを繰り返し、湯の中でアルミンの腹を撫でる。気持ちばかりジャンを押し返そうとする手は確かにまだ少し冷たくて、その手を取って握り込んだ。あたためるように指を絡める。するすると指先を撫でるとアルミンはぐっと息を飲んだ。
「さ……誘ったって、何」
「誘っただろうが」
「してないよ!」
「大好きってなんだよ」
「は?そんなこと……あ、いや、あれはありがとうって意味で」
アルミンはどうやら無意識に口にしたらしい。アルミンはもごもごと言い訳しようといているが、ジャンはお構いなしにうなじから肩胛骨へと唇をすべらせ、ここなら構わないだろうと歯を立てた。
「じっ、ジャンッ!」
「何」
「こ、ここは、やだッ」
「寒いんだろ?あったかいところでいちゃいちゃしようぜ」
「だから、狭いって!」
「だからもっとくっつけばいいだろ」
絡めた指先を離して再び腰を引きつける。不意をつかれたアルミンはジャンの胸に倒れ込んだ。起きあがろうとしたアルミンは、それに気づいたようで、唇を震わせてジャンを振り返る。
「当たってますけど……」
「当ててんだよ」
背中に唇を当てたままささやいて、指先は浮力に任せて肌を撫でる。身をすくませたアルミンに頬を緩め、抵抗を諦めた体を抱きしめた。
*
洗面所に置いたカップに歯ブラシが2本。明るい朝のその光景にようやく見慣れたが、それでもジャンはすこしにやりとしてしまう。自分の方を手にして歯を磨いていると、やがてアルミンが起きてきた。まだ少し寝ぼけ眼だが、ジャンに挨拶をして隣に立つ。ジャン同様に歯ブラシを取り、磨きながらジャンを見た。
「あのさぁ」
「何?」
「カップもう一個置くか、歯ブラシ立て買っていい?」
「……なんで?」
「だって口濯ぐときジャンの歯ブラシ邪魔なんだ」
「あ、はい、そうですね」
思い描いたふたり暮らしの、多少のすれ違いは想定内だ。アルミンの肩に残したキスマークを見下ろして、些細なことは譲歩することにした。これから、日々は作られるのだ。
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